人材斡旋(あっせん)と紹介の違いは?人材派遣との違いも徹底解説
人材斡旋と人材紹介はいずれも人材紹介会社や転職エージェントを差す意味になるため、基本的に違いはありません。今回は言葉の意味に注目しながら、人材業界で混同しがちな人材派遣との違いにも触れていきます。
目次
- 紹介との違い
- 仲介との違い
- 【企業向け】サービス内容
- 【求職者向け】サービス内容
人材斡旋(あっせん)とは
人材斡旋とは、企業と求職者のマッチングを図り、雇用を促進させるサービスです。同じような意味合いで使われる言葉に「紹介」や「仲介」がありますが、それぞれ言葉のニュアンスが若干異なります。
紹介との違い
紹介はその言葉どおり、「他人と他人を引き合わせる」ことです。斡旋に言い換えも可能ですが、斡旋の場合は「両者の間をうまく取り持つ」ニュアンスが含まれているのに対して、紹介は「引き合わせるだけ」でうまく取り持つ意味合いは含まれません。ただし、人材業界においては「人材紹介=人材を紹介して雇用を促進する」ことを意味するため、人材斡旋と同義と言えます。
仲介との違い
仲介とは、「双方の間に入り、便宜を図って事をまとめる」ことです。斡旋と似たような意味合いですが、仲介は人材業界というよりは不動産業界や金融業界で使用する印象の強い言葉です。また、紹介して仲を取り持つというよりは、すでに「当事者同士で話しを進めているけど、うまくまとまらない場合に第三者が間に入って事をまとめる」というニュアンスがあります。
人材斡旋と人材派遣の違い
人材斡旋(=人材紹介)と一緒くたにされがちな業態に人材派遣がありますが、両者には下記のような違いがあります。
人材斡旋 | 人材派遣 | |
---|---|---|
業務内容 | 紹介先企業に従う | 契約内容に従う |
契約形態 | 直接雇用 | 派遣会社に雇用 |
コスト・料金 | 人材が入社したら紹介料を支払う | 派遣料金として毎月支払う |
人材斡旋は求職者と企業の双方が合意すれば、企業に直接雇用します。雇用が成立した際には人材紹介会社に紹介料を支払います。その後の給与や社会保険料、福利厚生費などはすべて企業側が負担します。
一方、人材派遣ではあくまで人材を派遣してもらうだけなので、派遣社員の雇用主は派遣会社です。派遣先企業では契約内容に記載がある業務のみ依頼可能。毎月、派遣会社に派遣料金を支払う必要があります。派遣料金のなかには派遣社員の給与も含まれているため、派遣先企業が派遣社員に直接、給与等を支払うことはありません。
人材斡旋会社のサービス
【企業向け】サービス内容
企業向けには次のようなサービスを展開しています。
【企業向けサービスの例】
- 希望人材に関する条件のヒアリング
- 採用戦略の提案
- 採用代行(希望があればヘッドハンティングも)
- 面談サポート
- 雇用条件の調整
- 雇用契約書締結のサポート
企業向けには人材獲得のためのサポートを行います。希望する人材の条件や雇用条件など、細かくヒアリングしたうえで、登録人材のなかから最適な人材をピックアップし、紹介。双方の合意が得られれば、雇用条件の最終調整を行い、雇用契約締結までをサポートしてくれます。
【求職者向け】サービス内容
求職者向けには次のようなサービスを提供しています。
【求職者向けサービスの例】
- キャリアコンサルティング
- 求人の斡旋
- 履歴書作成・面談のサポート
- 雇用条件の調整
- 雇用契約書締結のサポート
求職者向けには雇用促進のサポートを行います。一人では難しい職探しや雇用条件の調整などサポートを行ってくれるので、求職者にとっては満足度の高い就活・転職活動を実現できます。
企業が人材斡旋会社を活用するメリット
企業が人材斡旋会社を利用すると次のようなメリットを享受できます。
- 費用対効果が高い
- 採用活動の手間を軽減できる
- 短期間で人材が見つかる
- 非公開求人として採用活動ができる
人材斡旋会社を利用する最大のメリットは、採用活動を代行してくれる点でしょう。自社で採用活動を行うとなると、採用活動中の人件費、求人費などさまざまなコストがかかります。その点、人材斡旋会社を利用すれば採用活動を代行してくれるうえに、成果報酬型なので人材が入社するまでコストがかかりません。コストの無駄を省けるため費用対効果の高い採用活動を行えます。
また、契約後からすぐに人材を探してくれるので、自社で採用活動を行うよりも短期間での採用が期待できます。さらに求人を公開したくない場合は非公開で行ってくれる点もメリットとして挙げられます。
企業が人材斡旋会社を活用するデメリット
メリットがある一方で人材斡旋会社を利用する際は、次のようなデメリットがあることも忘れてはいけません。
- 採用コストが高くなる傾向にある
- 大量採用には不向き
- 採用ノウハウが蓄積されない
費用対効果が上がることは期待できますが、1人あたりの採用コストも高くなる傾向にあります。人材斡旋会社を利用する場合、人材の採用が決まった時点で紹介料が発生します。紹介料の相場は入社が決まった社員の年収の35%程度です。年収600万円で採用した場合、210万円の紹介料が発生するため、自社で採用するよりも一人あたりの採用コストが高騰しやすくなります。
また、採用コストの理由から大量採用には不向きです。さらに採用活動を代行してもらうため、自社に採用に関するノウハウの蓄積は望めません。
人材斡旋会社を利用する流れ
企業が人材斡旋会社を利用した採用活動を完了させるまでの流れは次のとおりです。
- 人材紹介会社の選定・申込み
- 希望人材や雇用条件の詳細を伝える
- 求職者からの応募がくる
- 面接・選考
- 内定者を決める
- 求職者と雇用契約を締結
- 人材斡旋会社に紹介料を支払う
- 入社後、業務スタート
派遣会社に人材派遣を依頼する流れと伝えるべき項目、料金相場や依頼時の注意点に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひご覧ください。
まとめ
斡旋と紹介には言葉のニュアンスの違いがありますが、人材業界ではほぼ同義で使用されます。
似たようなサービスである人材派遣とは、雇用主が異なる点が大きな違いです。人材斡旋の場合は自社で直接雇用しますが、人材派遣の場合は派遣会社が雇用した人材を派遣してもらうので雇用主は派遣会社です。同一事務所・同一部署での勤務は最長3年と期限が決まっているので、短期で人員を補充したい場合は派遣会社の利用も視野に入れることをおすすめします。
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