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派遣社員の直接雇用で受給できるキャリアアップ助成金|金額や支給要件を説明

派遣社員の直接雇用で受給できるキャリアアップ助成金|金額や支給要件を説明

キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者を正社員化するために政府が主体となって取り組んでいる助成金です。しかしかなりの種類があるため、その全貌を理解している人はそれほど多くないでしょう。

本記事ではキャリアアップ助成金の概要と正社員化コースの詳細、派遣社員を正社員化するメリットについて解説します。

目次

派遣社員の直接雇用で受給できるキャリアアップ助成金とは

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の受給可能額

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給要件

- 対象となる事業者

- 対象となる労働者

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の申請方法

キャリアアップ助成金(正社員化コース)を受け取れるパターン

- 紹介予定派遣を正社員として雇用する

- 派遣社員を正社員として雇用する

助成金の受給以外!派遣社員を正社員に転換するメリット

まとめ

派遣社員の直接雇用で受給できるキャリアアップ助成金とは

派遣社員の直接雇用で受給できるキャリアアップ助成金とは

キャリアアップ助成金は、政府が主体となって有期雇用労働者や短時間労働者、派遣労働者を正社員化したり処遇を改善したりした企業に対して助成金を支払う制度です。細かく分けると7つの種類に分かれており、それぞれ適用される条件が異なります。

  • 正社員化コース
    有期雇用労働者を正社員労働者に転換したり、直接雇用に切り替えたりした場合に適用されるコース
  • 障害者正社員化コース
    障害のある有期雇用労働者を正社員として採用した際に適用されるコース
  • 賃金規定等改定コース
    有期雇用労働者の基本給を改定し、従来から3%以上増額した際に適用されるコース
  • 賃金規定等共通化コース
    有期雇用労働者と正社員の賃金規定として新たに共通なものを規定適用した場合に受けられるコース
  • 賞与・退職金制度導入コース
    有期雇用労働者に対して賞与や退職金制度を導入し、それを支給または積み立てた際に適用されるコース
  • 短時間労働者労働時間延長コース
    有期雇用労働者の一週間の所定労働時間を3時間以上延長して社会保険を適用した場合に受けられるコース
  • 選択的適用拡大導入時処遇改善コース(令和4年9月末で廃止)
    選択的適用拡大の導入に伴って、短時間労働者の意向を重視して被用者保険の適用と働き方見直しに反映する目的での取り組みに対するコース

この中でも、派遣社員を正社員に転換することで助成金を受け取れるのは、正社員化コースです。本記事では、現在派遣社員と契約をしている、またはこれから紹介予定派遣との契約を予定している方の参考になるでしょう。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の受給可能額

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の受給可能額

正社員化コースのキャリアアップ助成金は、正社員として採用した労働者がもともとどの契約で就労していたかによって支給額が異なります。

支給額
有期雇用労働者 57万円(大企業は42万7,500円)
無期雇用労働者 28万5,000円(対企業は21万3,750円)

中小零細企業と大企業では支給額が異なります。上限人数はどちらも1年間で20人までとなっており、人数に応じて時給額が加算される仕組みです。またこれとは別に、加算措置と呼ばれる規定が設けられています。詳細は以下の通りです。なお括弧内は大企業の支給額です。

  • 派遣労働者を派遣先で正社員化する場合は、1人当たり28万5,000円加算
  • 有期雇用契約をしている母子家庭の母親もしくは父子家庭の父親を正社員化する場合は、1人当たり95,000円加算
  • 無期雇用契約をしている母子家庭の母親もしくは父子家庭の父親を正社員化する場合は、1人当たり47,500円加算
  • 有期雇用契約をしている労働者を人材開発支援助成金の特定訓練終了後に正社員化する場合は、1人当たり95,000円加算
  • 無期雇用契約をしている労働者を人材開発支援助成金の特定訓練終了後に正社員化する場合は、1人当たり47,500円加算
  • 新たに勤務地限定・職務限定・短時間正社員制度を規定し、かつ有期雇用労働者を規定した雇用区分に転換した場合は、1事業所当たり95,000円(71,250円)

末尾のひとつは人数ではなく事業所を対象に1回限り支給されます。ひと口にキャリアアップ助成金と言ってもこれだけの種類があることを覚えておきましょう。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給要件

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給要件

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給要件は、事業者と労働者でそれぞれ対象が決められています。それぞれどういった条件なのか詳しく見ていきましょう。

対象となる事業者

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の対象となる事業者は以下の通りです。

  1. 有期雇用労働者を正規雇用労働者に転換するという旨を、就業規則や労働協定などに規定している事業者
  2. 過去に有期雇用労働者を就業規則などに即して正規雇用労働者に転換したことがある事業者
  3. 上記により転換された労働者を6ヶ月以上継続雇用し、6ヶ月分の給料を支払った事業者
  4. 多様な正社員への転換の場合は、①で雇用形態を転換した日に対象者以外の正規雇用労働者を雇用していた事業者
  5. 助成金支給申請日に該当の制度を継続している事業者
  6. 雇用形態の転換後6か月間の賃金を、転換前6か月間よりも3%以上増額させている事業者
  7. 転換日前日から起算して6ヶ月前の日から1年の間に、事業主の都合により雇用保険被保険者を離職させていない事業者
  8. 転換日前日から起算して6ヶ月前の日から1年の間に、雇用保険法第23条第1項に規定する特定受給資格離職者として同法13条に規定する受給資格決定が行われた人数を当該転換した日の雇用保険被保険者数で割った割合が6パーセント未満の事業者
  9. ①の制度を含めた雇用形態の転換制度がある場合、その対象者である労働者本人の同意に基づき精度が運用されている事業者
  10. 正規雇用労働者に転換した日以降の期間に、当該労働者を雇用保険被保険者として適用させている事業者
  11. 正規雇用労働者に転換した日以降の期間に、当該労働者が社会保険の適用要件を満たす事業所の事業主に雇用されている場合は社会保険の被保険として、社会保険の適用要件を満たさない事業所の事業主に雇用されている場合は社会保険の適用を満たす労働条件で雇用している事業者
  12. 母子家庭・父子家庭の加算措置を受ける場合、該当の転換日に母子家庭の母親もしくは父子家庭の父親の有期雇用労働者を転換した事業者
  13. 勤務地限定正社員・職務限定正社員・短時間正社員制度の加算を適用する場合、キャリアアップ計画書に記載された期間中に制度を新たに新設し有期雇用労働者を当該雇用区分に転換した事業者
  14. 生産性要件を満たした場合の支給額の適用を受ける場合、生産性要件を満たした事業者

対象となる労働者

対象となる労働者も細かく規定されています。詳しく見ていきましょう。

  1. 有期雇用労働者又は無期雇用労働者においては以下の条件のいずれかをクリアしていること
    1. 給与額もしくは計算方法が正規雇用労働者と異なる雇用区分の就業規則などの適用を通算6ヶ月以上受けている労働者
    2. 6ヶ月以上継続して派遣先の事業所やその他の派遣就業場所に従事している労働者
    3. 支給対象事業主が実施した有期実習型訓練を受講し修了した有期雇用労働者
    4. 新型コロナウィルス感染症の影響を受け、就労経験のない職業に就くことを希望するものであり、かつ紹介予定派遣による2か月以上6か月未満の期間継続して派遣先の事業所もしくはその他の派遣就業場所で就労している労働者
  2. 正規雇用を前提として雇い入れられた有期雇用労働者ではない労働者
  3. 当該転換日もしくは直接雇用日の前日から過去3年以内に当該事業者との間に資本的・経済的・組織的関連性がないと判断され、なおかつ請負や委任で取締役や社員、協同組合などの社団・財団に属したことがない労働者
  4. 適用事業所の事業主または取締役の3親等以内の親族以外の労働者
  5. 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則で規定されている就労継続支援A型の事業所における利用者以外の労働者
  6. 支給申請日において転換または直接雇用後の雇用区分の状態が継続しており、離職していない労働者
  7. 有期雇用労働者又は無期雇用労働者への転換が予定されていない労働者
  8. 転換また直接雇用後の雇用形態に定年制が適用される場合は、定年までの期間が1年以上残っている労働者
  9. 支給対象事業者又は密接な関係の事業者の事業所で定年を迎えたものではない労働者

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の申請方法

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の申請方法

キャリアアップ助成金の申請方法と申請期日は、各コースごとに決められています。都道府県によってはハローワークを通じて支給申請書の提出ができる可能性もあるため、こちらの資料の75ページを確認して一度問い合わせてみましょう。

ただし、郵送で提出する場合、申請先への書類到着日が支給申請期間内である必要があるため注意してください。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)を受け取れるパターン

キャリアアップ助成金(正社員化コース)を受け取れるパターン

キャリアアップ助成金(正社員化コース)を受け取れるパターンは以下の2つがあります。

  • 紹介予定派遣を正社員として雇用する
  • 派遣社員を正社員として雇用する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

紹介予定派遣を正社員として雇用する

紹介予定派遣でキャリアアップ助成金を受け取れます。紹介予定派遣とは、正規雇用を前提として6ヶ月間派遣社員として派遣先企業が労働者を受け入れる仕組みのことです。有期雇用であり、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の適用の対象となっています。

また、紹介予定派遣では、新型コロナウイルスによる特例が適用される場合もあります。

派遣社員を正社員として雇用する

派遣社員を正社員として雇用する場合も、キャリアアップ助成金の対象となります。派遣元の人材派遣会社とのやり取りも必要となるため紹介予定派遣よりもややハードルは高めです。具体的な手順は以下の通りになります。

  • 人材派遣会社へ現在発見されているスタッフの直接雇用を打診する
  • 人材派遣会社からスタッフに説明と意向の確認を行ってもらう
  • 双方の合意が取れ次第、直接雇用の手続きをする

人材派遣会社に打診する際、正社員転換後の求人要件の提示も忘れずに行いましょう。

助成金の受給以外!派遣社員を正社員に転換するメリット

助成金の受給以外!派遣社員を正社員に転換するメリット

派遣社員を正社員に転換するメリットはいくつかありますが、助成金を受ける以外にも大きなメリットが存在します。人材が増えることで既存社員のモチベーションが高まるほか、新たな戦力の獲得で企業の経営拡大が捗る可能性もあります。

もちろん雇用に際して一定の費用がかかるのは仕方がありませんが、派遣労働者には3年間という就労期限が設けられており、期限を過ぎれば同じ人を継続して受け入れることができません。企業の事業拡大やモチベーションアップのためにも、派遣社員を正社員に転換する方向に前向きになってもいいでしょう。

まとめ

キャリアアップ助成金のために派遣社員を正社員として雇用するのも悪いことではありません。しかし、それだけが目的になってしまっては社内の士気も高まらないでしょう。派遣社員であっても、雇用を前提とした関わりが大事になります。

フルキャストでは紹介予定派遣も利用できます。キャリアアップ助成金の申請対象にできるほか、イチから人材採用をしなくても理想としている人材に出会える確率が高まります。新たな人材を採用したいと思っているのであれば、ぜひ一度紹介予定派遣を検討してみてください。

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