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外国人労働者を採用するメリットとは?受け入れ方法やデメリットについても解説

外国人労働者を採用するメリットとは?受け入れ方法やデメリットについても解説

「外国人の労働者を採用したいけど、実績がないから不安・・・」
「そもそも外国人労働者を受け入れるためにはどんな準備が必要なの?」

人手不足に悩んでいる企業の経営者の方や採用担当者の中でこのように考えている人も多いのではないでしょうか?

人口減少と高齢化が進む日本においては、外国人労働者の受け入れはますます重要になってきています。一方で、外国人労働者の受け入れは注意すべきポイントや課題も多い方法です。

そこでこの記事では、外国人労働者を採用するメリット・デメリット、更に受け入れ方法や注意点について解説していきたいと思います。

目次

外国人労働者受け入れの現状

- 外国人労働者受け入れ制度とは

- 外国人労働者受け入れが拡大される背景

- 外国人労働者の国籍別の割合

外国人労働者を採用するメリット5つ

- 労働環境を改善できる

- 訪日外国人への多言語対応ができる

- 助成金の利用ができる

- 海外進出しやすくなる

- 社内に良い影響をもたらす

外国人労働者を採用するデメリット4つ

- 生活習慣や文化に違いがある

- コミュニケーションが円滑にできないことがある

- 手続きや就労ルールを覚えなければいけない

- 採用後から働き始めるまでに時間がかかる

外国人労働者を受け入れるときの注意点

- 在留資格(就労ビザ)に適した職種で雇用する

- 在留資格(就労ビザ)が取得できない職種・業種がある

- 国籍や人種による差別が禁止されている

- 支援体制の整備が求められる

外国人労働者の受け入れ方法

外国人労働者を受け入れるまでの流れ

外国人労働者の受け入れには課題も多い

- 安価な人材として認識されている

- 日本人労働者との格差の広がり

- 労働環境によるストレス

まとめ

外国人労働者受け入れの現状

外国人労働者受け入れの現状

日本における外国人労働者の割合は増えてきており、平成29年10月末の時点では過去最高の127万8670人となっています。このような背景には、外国人労働者を受け入れる制度が制定されたことが理由としてあげられます。外国人労働者の受け入れが加速する一方で、課題が浮き上がってきているのも事実です。ここでは外国人労働者受け入れについて詳しく説明していきます。

外国人労働者受け入れ制度とは

外国人労働者の受け入れ制度とは、2019年4月1日から施行された「特定技能」という在留資格を持ち、特定の業種で働ける外国人を働き手として受け入れる動きのことです。

 

外国人労働者は大きく分けて以下の5つに分類されますが、特定技能は5分類のうち「専門的・技術的分野」に該当します。

・定住者、永住者、日本人の配偶者などの「身分に基づいて在留している人」

・経営者や医師、教員などの高度な技能を持つ「専門的・技術的分野での在留資格を持つ人」

・発展途上国への技能移転によって国際貢献するために受け入れられる「外国人技能実習」

・ワーキングホリデー、看護師など国によって指定された活動をおこなう「特定活動で在留している人」

・留学中にアルバイトなどで働いている「資格外活動者」

特定技能には1号と2号があり、在留期間や従事可能な業種が異なります。特定技能1号は介護やビルクリーニングなど特定の14分野で受け入れ可能であり、通算5年在留可能です。

特定技能2号とは建設と造船・舶用工業、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、自動車整備、航空、宿泊などで受け入れ可能な人材のことで、在留期間に上限はありません。

外国人労働者受け入れが拡大される背景

外国人労働者の割合は増えており、外国人労働者の受け入れはこれからも拡大されると考えられるでしょう。

外国人の受け入れが拡大している理由として、少子高齢化による労働力不足が大きく関係しています。また先ほど説明した特定技能や技能実習などの政策の拡充も要因にあげられるでしょう。

今後の日本経済への影響として、過疎地域の存続を可能にし、外国人ならではの視点を活かしたグローバルな視点を生むことなどが期待される一方、国内産業や労働市場への悪影響、地域住民とのトラブルが増え外国人へのマイナスイメージが強まるリスクがあることなどの課題も存在しています。

外国人労働者の国籍別の割合

次の表は、厚労省が発表している「「外国人雇用状況」の届出状況」をまとめたものです。

割合
ベトナム 25.3%
中国(香港やマカオを含む) 19.4%
フィリピン 11.1%
ネパール 7.1%
ブラジル 6.7%
インドネシア 5.9%
韓国 3.5%
ミャンマー 3.5%
タイ 1.8%
ペルー 1.5%
その他 4.1%

2023年10月末時点で、日本で働く外国人労働者数は約200万人を超えており、ベトナム、中国、フィリピンの3ヵ国で50%を超えています。
一方で、インドネシア、ミャンマー、ネパールは対前年増加率が大きい国で、とくにインドネシアは前年比56.0%と高い数値です。
現状は、外国人労働者を受け入れるならベトナムや中国、フィリピンの方が多いですが、将来的にはインドネシアやミャンマーの方も受け入れる可能性があると覚えておきましょう。
出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)」

外国人労働者を採用するメリット5つ

外国人労働者を採用するメリット5つ

それでは、外国人労働者を採用するメリットとは一体何なのでしょうか。メリットは以下の5つです。

  • 労働環境を改善できる
  • 訪日外国人への多言語対応ができる
  • 助成金の利用ができる
  • 海外進出しやすくなる
  • 社内に良い影響をもたらす

順番に解説していきます。

労働環境を改善できる

まず1つ目が、労働環境を改善することができるということです。外国人労働者を採用の対象に加えることにより求職者の母数が広がり、人材不足の業界や職種においても意欲の高い人材に出会える可能性が高まります。その結果、人手不足によって引き起こされていた長時間労働や連勤といった労働環境を改善することができます。

慢性的に人手が不足しているホテル・レストランなどサービス業のスタッフ、また地方での募集が多い農業などにも適しています。

訪日外国人への多言語対応ができる

コロナの水際対策に対する大幅な緩和が行われた影響で、訪日外国人は毎月増えてきています。JNTOによると、2022年10月と11月における訪日外国人観光客は昨対比で約33倍と大きく回復してきています。

日本を訪れる外国人はアメリカやオーストラリアといった英語が第一言語の国だけではなく、中国や韓国、タイといった国からも多く訪れています。そのような環境の中で、多言語に対応することができる外国人労働者はとても大きなメリットとなります。

助成金の利用ができる

外国人労働者を受け入れると助成金が貰えることもメリットの一つといえるでしょう。

助成金には以下の5つの種類があります。

  1. 雇用調整助成金
  2. キャリアアップ助成金
  3. トライアル雇用助成金
  4. 人材確保等支援助成金
  5. 人材開発支援助成金

「雇用調整助成金」は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合に従業員の失業の予防や雇用の安定を図るための助成金です。「キャリアアップ助成金」は非正規雇用から無期/正社員雇用への転換に対して交付される助成金で、「トライアル雇用助成金」は雇用前の試用期間(トライアル期間)に対して交付される助成金です。「人材確保等支援助成金」は外国人を正規社員として雇用し雇用管理改善計画に1年以上取り組んだ場合に交付される助成金で、「人材開発支援助成金」は外国人労働者の職業訓練の経費や賃金に対して交付される助成金です。

助成金を活用することで、受け入れに関する初期費用をおさえることができますし、更にスキルアップを支援するための助成金を利用すれば、外国人労働者のスキルアップだけでなく、従業員全体のレベルアップにもつながります。

これらの助成金にはもちろん条件があり外国人労働者を受け入れるだけでは支給されないため、助成金を利用する際には注意が必要です。

海外進出しやすくなる

外国人労働者を受け入 れることにより、海外進出がしやすくなることもメリットとしてあげられます。

意欲が高く優秀な外国人労働者を採用することができれば、最新技術や海外の流行などをいち早く取り入れることも可能ですし、他国の文化を理解し海外のカスタマーに合わせたビジネスをすることもできるため、海外進出がしやすくなります。また日本語以外の言語を扱うことができる労働者は海外展開における手続きや交渉の際にとても重要な存在となります。

社内に良い影響をもたらす

社内に良い影響をもたらすことができることもメリットとしてあげられます。外国人労働者を採用することにより、日本人の持ちあわせていない価値観や新たな視点、カルチャーなどを社内に取り込むことができ、それらの外国人特有の感性は他の既存の日本人社員への良い刺激になります。

また日本に働きに来る外国人労働者は意欲が高い方が多いので、積極的な仕事への姿勢は他の社員のモチベーション向上につながります。そして結果として社内の活性化につながることが考えられます。

外国人労働者を採用するデメリット4つ

外国人労働者を採用するデメリット4つ

ここまで外国人労働者を採用することによるメリットを紹介してきましたが、もちろんデメリットも存在します。それは以下の4つです。

  • 生活習慣や文化に違いがある
  • コミュニケーションが円滑にできないことがある
  • 手続きや就労ルールを覚えなければならない
  • 採用後から働き始めるまでに時間がかかる

生活習慣や文化に違いがある

生活習慣や文化の違いを理解していないと、互いのストレスにつながったり、思わぬところからトラブルが発生したりすることがあります。たとえば、宗教上の理由で特定のものが食べられないなど身近なものでも大きな違いがあります。

お互いに悪気がなくとも不愉快になってしまう、また場合によっては法に触れてしまうことさえあります。雇用側が異なる文化を理解すること、労働者側にも日本の文化を理解してもらうこと、お互いの深い理解が大切です。

コミュニケーションが円滑にできないことがある

外国人労働者の日本語のレベルや雇用側の英語のレベルによって、意思疎通がうまくいかないことがあります。また、文化的背景によるコミュニケーションの違いもあります。たとえば、海外では具体的に指示をしなければそのとおりに行動しない人々もいますが、これはコンテキストに大きく依存する日本のコミュニケーション方法と海外のコミュニケーション方法が大きく違うからです。
コミュニケーション方法の違いやわかりやすい指示の仕方など雇用側で十分に周知し、あわせて外国人の日本語スキル向上の手助けができれば、コミュニケーションの壁は徐々になくなっていくでしょう。

手続きや就労ルールを覚えなければいけない

外国人労働者を受け入れる際には、さまざまな手続きやルール等が存在します。在留資格の種類によってはそもそも就労できない職種も存在しており、知識がないと法に反する可能性もあります。外国人労働者を受け入れる場合、日本での就労ビザの申請をおこない、出入国管理および難民認定法で定められた要件を満たして書類審査を受け、日本で働くための許可を受けておく必要があります。
外国人受け入れのためには基礎的な知識を学んでおくことに越したことはありませんが、難しい場合は外国人労働者の受け入れに詳しい人材紹介企業などに相談することも有効でしょう。

採用後から働き始めるまでに時間がかかる

外国人労働者を海外から呼び寄せて雇用する場合、ビザの発行や渡航等において時間を要するため、日本人を採用する場合のようにすぐに働くということができません。また、新たに採用する外国人が日本に在住していても申請等に時間がかかることは変わりません。在留資格は雇用される企業に紐づくため、変更手続きの間は働くことができません。

事前に採用に時間がかかることを理解した上で採用計画を綿密に立てることが重要だといえるでしょう。

外国人労働者を受け入れるときの注意点

外国人労働者を受け入れるときの注意点

それでは、外国人労働者を採用する際に注意すべき点とは何でしょうか。
以下の4つが、注意すべき点だといえるでしょう。

  • 在留資格(就労ビザ)に適した職種で雇用する
  • 在留資格(就労ビザ)が取得できない職種・業種がある
  • 国籍や人種による差別が禁止されている
  • 支援体制の整備が求められる

外国人労働者を受け入れる際に起こりうる問題を事前に避けるべく、上記のことに注意が必要です。

在留資格(就労ビザ)に適した職種で雇用する

外国人労働者が働く予定の職種や仕事内容によって取得できる在留資格が異なるため、就労可能な在留資格を持っていてもどんな職種でも自由に働けるわけではありません。たとえばマーケティングなどの専門職が申請できる在留資格には「技術・人文知識・国際業務」が当てはまります。知らずに外国人労働者を受け入れようとしてしまうと、予定していた仕事で働くための在留資格が許可されず、雇用できない可能性もあります。
持っている在留資格の種類に見合わない仕事に従事させた場合、不法就労と判断される恐れもあるため注意が必要です。

在留資格(就労ビザ)が取得できない職種・業種がある

在留資格が取得できない職種や業種が存在することに関しても注意が必要です。コンビニのレジ等の販売業、ビルやホテル等の清掃業、またフロアスタッフや調理等の飲食業などの仕事は法務省入国局が単純労働と判断しており、就労ビザを取得することができません。
このように、外国人労働者を受け入れる際にはビザが取得できない業種があることを知っておく必要があります。

国籍や人種による差別が禁止されている

求人などにおいて「〇〇人歓迎」のような国籍や人種にもとづく差別的な表現や選考は禁止されているため細心の注意が必要です。給与などの勤務条件においても国籍を理由に不当に設定することは禁止です。「英語がネイティブレベルの方歓迎」といった仕事に必要な能力等を記載することは可能です。求人票には、国籍などによる記載はせず、募集している仕事内容に即したスキルや経験などの能力を記載することが必要です。

支援体制の整備が求められる

外国人労働者を受け入れる際、労働者をしっかりとサポートできる体制があるかどうかが重要です。たとえば以下のような支援が必要です。

  • 入社前の説明・手続き:労働条件や雇用条件の説明・社会保険加入の手続き等
  • 日常生活の支援:銀行口座の開設・住居探し等
  • 職場環境:社内ルールの周知・日本語学習支援等

とくに日本に初めてやってくる労働者は仕事だけでなく、日常生活においてもわからないことが多く不安を感じやすいため、仕事に専念できる環境づくりは重要だといえます。

外国人労働者の受け入れ方法

外国人労働者の受け入れ方法

外国人労働者の受け入れ方法はさまざまありますが、おもなものは以下の3つです。

  • 自社サイトやソーシャルメディアでの採用募集
  • リファラル採用(外国人従業員の友人や知り合いからの紹介)
  • 外国人労働者の派遣・紹介会社を通じた採用

外国人労働者の受け入れには在留資格の手続き、書類の申請など多くの作業があり、行政手続きも煩雑なため、外国人労働者の受け入れでもっとも効率的なのは日本の人材紹介会社を利用することです。
そのような企業は外国人労働者の受け入れに関する知識も豊富ですし、業種や業界に合ったぴったりの人材を紹介してくれるため、お互い働きやすい環境が作りやすいのが特徴です。とくに初めて外国人労働者を受け入れる企業にはおすすめです。

外国人労働者を受け入れるまでの流れ

外国人労働者を受け入れるまでの流れ

それでは実際に外国人労働者を受け入れるまでの流れはどのようになるのでしょうか?

大きな流れとしては以下の5つのステップとなります。

  1. 就労ビザ取得の見込み調査
  2. 内定、雇用契約書作成
  3. 就労ビザの申請
  4. 就労ビザの審査
  5. 雇用開始

 

内定前に就労ビサが取得できるかの見込み調査を行った上で、内定を出し、その後実際に雇用するための書類の手続きや審査などをおこない雇用開始となります。

外国人労働者の受け入れには課題も多い

外国人労働者の受け入れは人手不足の解消に役立ちますが、同時に次のような課題もあります。

  • 安価な人材として認識されている
  • 日本人労働者との格差の広がり
  • 労働環境によるストレス

上記の課題を順番に解説します。

安価な人材として認識されている

外国人労働者に対しては安価に雇用できるという認識を持っている企業も少なくありません。
法務省が公表している「技能実習制度の運用に関するプロジェクトチームの調査・検討結果 概要」によれば、技能実習生制度で失踪した原因の約4割が賃金に関係しています※。
外国人労働者の総数が増えるほどトラブルが増えていく可能性も高くなるため、外国人労働者を雇う際は、適切な雇用を心がけましょう。
※出典:法務省「技能実習制度の運用に関するプロジェクトチームの調査・検討結果 概要」

日本人労働者との格差の広がり

賃金だけでなく、残業時間の不適正や人権侵害などの不正行為を強いており、日本人労働者との格差の広がりも重大な問題です。

外国人労働者を受け入れた企業には、日本人労働者との格差が広がらないように、絶えず努力を続けることが求められます。

労働環境によるストレス

職場の環境や長時間労働、差別やパワハラなども問題としてあがっています。
外国人労働者の雇用管理の改善は事業者の努力義務とされており、能力を発揮できるように適切な人事管理と就労環境を用意しましょう。

まとめ

外国人労働者

外国人労働者の受け入れについて説明しました。外国人労働者を採用すると助成金が利用できたり労働環境を改善できたりといったメリットもありますが、一方で文化の違いやコミュニケーション方法の違いによるデメリットもあります。

また、採用までに時間がかかったり、手続きが煩雑であったりと日本人を雇用する場合と大きな違いがあるため注意が必要です。とくに初めて外国人労働者を受け入れる際は、制度について理解をしていないと不法就労などにより罰せられる場合もあります。
ほかにも、日本人労働者との格差の広がりや、労働環境によるストレスが発生しないように適切な人事管理と就労環境が必要です。
外国人労働者を受け入れる際は注意すべきポイントが多いため、派遣する人材紹介企業を利用することを検討してみましょう。
中でも フルキャストインターナショナルは、海外からの労働者の紹介実績も豊富なため、業種・職種に限らず、企業のニーズに合った外国人人材を見つけることができます。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
外国人派遣会社を利用するメリット・デメリットと注意点を知りたい方は、次の記事をご覧ください。
「外国人派遣会社を利用するメリット・デメリットと注意点|おすすめ5社も紹介」

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