【保存版】配送を業務委託するメリットとデメリットは?委託先を探すときのポイントや方法も解説
配送ドライバーの採用を検討している事業者では、人材を確保する方法として業務委託を検討しているところもあるのではないでしょうか。自社で配送ドライバーを採用すると雇用調整が難しいため、繁忙期などの人員が必要なタイミングだけ仕事が依頼できる業務委託は魅力的でしょう。
この記事では配送を業務委託するメリット・デメリットや、配送の業務委託先を探すときのポイント、業務委託する人材を探す方法について解説します。
目次
- 車両の用意が必要ない
- 教育コストがかからない
- 必要なときに労働力が確保できる
- 時間あたりのコストが高い
- 連携が取りにくいことがある
- 自社商品の保管が可能か
- システムやサービス内容
- 料金やコスト
- 物量波動に対応できるか
- 人材紹介サービスを利用する
- 求人募集を出す
業務委託の配送ドライバーとは
業務委託とは、個人事業主へ自社の業務を外注する方法です。契約形態は「委任契約」と「請負契約」の2種類に分類されており、商品の引き渡しを目的として仕事を依頼する場合は「請負契約」を結ぶことになります。
自社で従業員を雇用する場合は労働の対価として「給与」を支払いますが、請負契約では仕事の成果に対して「報酬」を支払う契約形態となります。そのため請負契約では、請負労働者に対して指揮命令をおこなうことはできません。
企業で定めている作業工程などを指示した場合は偽装請負と判断され、労働者派遣法や職業安定法などの法律に違反してしまう可能性があります。業務委託を依頼する場合は法律違反とならないよう、社内周知を徹底するようにしましょう。
偽装請負について詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
配送を業務委託するメリット
配送を業務委託するメリットは以下のとおりです。
- 車両の用意が必要ない
- 教育コストがかからない
- 必要なときに労働力が確保できる自社で配送ドライバーを用意する場合と比較して、すぐに配送を始めてもらえることが大きなメリットです。また車両や備品などは原則として個人事業主で用意するため、自社の車両数を気にする必要がありません。
車両の用意が必要ない
配送の業務委託では一般的に個人事業主が車両を用意するため、自社で車両が不足している場合でも仕事を依頼することができます。
なお企業によっては、協力会社が車両のレンタルやリースをおこなっている場合もあります。持ち込み歓迎としておくことで幅広い人材の協力が得られるため、臨機応変に対応できるようにしておくと良いのではないでしょうか。
また個人事業主は車両だけでなく、備品の準備や保険(任意保険や運送保険など)の加入についてもご自身でおこなっている場合がほとんどです。また、ガソリン代などの費用も個人事業主の負担となるため、費用をおさえながら安心して仕事が発注できます。
教育コストがかからない
業務委託では請負労働者に対して教育をおこなう必要がありません。個人事業主の多くは配送業の経験を活かして独立しているため、配送に必要なスキルをすでに身につけています。
自社で従業員を雇用する場合は業務内容について教育をおこなう必要があるため、現場へ出すまでにある程度の時間がかかります。
しかし、業務委託ではすぐに配送を始めてもらえるため、教育コストを削減することができます。ただし、業務委託を始めてすぐの頃は、横乗りなどのかたちで必要に応じたアドバイスができるようにしておくと親切です。
必要なときに労働力が確保できる
業務委託では繁忙期など、必要な時期のみ仕事を発注することもできます。業務委託をおこなう場合は契約期間や報酬について自由に設定できるため、依頼主と個人事業主の両者が合意すれば長期間の採用は必要ないからです。
自社で正社員を採用する場合は雇用調整が難しくなるため、人手が必要なタイミングでも雇用に踏み切れない場面があるのではないでしょうか。しかし、業務委託では従業員の雇用状況や受諾している仕事量に応じて、必要なタイミングで仕事を依頼することができます。
配送を業務委託するデメリット
配送を業務委託するデメリットは以下のとおりです。
- 時間あたりのコストが高い
- 連携が取りにくいことがある
配送を業務委託する場合は、請負労働者に対する指示ができない点に注意が必要です。また、費用をおさえる目的で業務委託する場合でも、報酬などの労働条件によっては時間あたりのコストが高くなる場合があります。
時間あたりのコストが高い
業務委託で仕事を依頼することにより、自社で契約社員やアルバイトを雇用するよりもコストが高くなる場合があります。社会保険や福利厚生費、ガソリン代などの負担がない代わりに1時間あたりに多くのコストを支払う必要があるからです。
また、業務委託で働く個人事業主は経験豊富なため、報酬が出来高制であっても想定以上に成果報酬を支払うことになる場合もあります。想定以上にコストがかかったとしても依頼内容や条件は簡単に変更できないため、業界における費用相場を念入りに確認しておくことが必要です。
連携が取りにくいことがある
業務委託では事業者に対して、企業から指揮命令をおこなうことができません。請負労働者は雇用契約ではなく、請負契約として仕事を受諾しているからです。そのため、自社の従業員であれば対応できる業務であっても請負労働者には指示できず、社内での連携が取りにくくなる場面があるかもしれません。
また、作業品質の管理が求められる仕事を依頼すると業務内容の改善が指示できないため、場合によっては企業のブランドイメージに関わることもあります。作業品質が求められる仕事を業務委託により依頼する場合は、業務内容を慎重に選定したほうが良いでしょう。
業務委託の利用シーン
配送で業務委託を利用する代表的なシーンは以下のとおりです。
- 発送業務に時間と人手を取られている
- 発送にかかるコストが高い
- 発送のミスを減らしたい
業種やビジネスモデルにもよりますが発送業務を自社でおこなっていると、正社員の時間や労力を取られてしまっている可能性があります。
また、配送部門を設立し、運営するための機材やノウハウの構築にある程度のコストがかかり、場合によってはミスが発生してお客さまに迷惑をかけてしまう可能性も否定できません。
配送を業務委託できれば、上記のような懸念事項は解消されることが期待でき、メインの業務に時間や人手を集中できます。人手不足で配送までリソースを回せない企業は、業務委託を検討してみましょう。
配送の業務委託先を探すときのポイント
配送の業務委託先を探すときのポイントは以下のとおりです。
- 自社商品の保管が可能か
- システムやサービス内容
- 料金やコスト
- 物量波動に対応できるか
上記を順番に解説します。
自社商品の保管が可能か
業務委託先によっては自社商品を保管できないケースや、適切に保管するための資格が必要なケースなどがあります。たとえば、コンタクトレンズや体温計などの医療機器や、化粧品には商品に応じた許可が必要です。
配送の業務委託をおこなっている企業でも自社商品を保管できるとは限りません。
配送の業務委託先を探すときは、自社商品の保管が可能か確認しましょう。扱っているビジネスモデルにもよりますが、自社商品を保管して、必要に応じて発送まで対応できる委託先なら、手間がかからずに済みます。
システムやサービス内容
業者によってシステムやサービスが異なります。
たとえば、配送以外に商品の仕分けやピッキング、棚入れ、積み込み、棚卸、集金までは配送に関係した付帯業務で、サービスに含まれていることがあります。
一方で、業者によっては温度帯が管理できる車を使用したり、管理者を常駐したりしてトラブルに対応しているなど、システムやサービスの内容が異なるため、選ぶ際には比較しましょう。
料金やコスト
配送業者によって業務委託料やコストなどは異なります。次の表は、配送の業務委託で発生する代表的な料金をまとめたものです。
料金の種類 | |
基本料金 | システム料金 業務管理表 倉庫保管料 |
従量課金 | 入庫料 検品料 ピッキング料 |
基本料はサービスを利用する際に発生する基本的な料金で、従量課金は配送した荷物に比例して加算される料金です。名称や金額、種類などは業務委託先によって異なりますが、比較する際は複数のサービスから見積もりを取り、比較しましょう。
物量波動に対応できるか
物流波動とは、タイミングや社会情勢などによって物流の波が変動する現象です。
たとえば、クリスマスシーズンになればプレゼント需要が高まり、バレンタインやホワイトデーになれば関連した商品の注文が殺到しやすくなります。
業種によっては上記のような特定のシーズンのみ人手不足に陥るケースはあるため、短期的な波動対応が可能なサービスを選ぶと良いです。
フルキャストでは、取引先からの出荷量が曜日や月末、月初などで異なる企業さま向けに「短期人材サービス(人材紹介)」を提供しました。必要なときに必要な人材を小まめに補充することで物流波動に対応でき、問題解決に貢献しています。
配送の業務委託先を探す方法
業務委託の配送ドライバーは、以下の方法により探すと良いでしょう。
- 人材紹介サービスを利用する
- 求人募集を出す
人材紹介サービスを利用する
すぐに人材が必要な場合は人材紹介サービスの利用をおすすめします。人材紹介サービスでは多くの人材が登録されているため、自社の希望と一致する人材をすぐに紹介してもらえる可能性が高いからです。配送ドライバーの募集に特化したサービスであれば、なお良いでしょう。
業界に詳しい人材紹介サービスへ依頼することにより、契約条件や報酬の相場観、業務効率化を向上させるためのアドバイスなどが得られるかもしれません。
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求人募集を出す
繁忙期までにゆとりがある場合は求人募集を出すと良いでしょう。求人募集は自社のウェブサイトで掲載するほか、求人情報サービスを利用する方法もあります。
求人募集を出すことにより自社で求めている人材の情報や労働条件が事前に伝えられるため、面接によるミスマッチを防ぐことができます。ただし、自社のウェブサイトに求人募集を掲載しても、情報を必要としている求職者へ情報を届けることはできないかもしれません。
そういった場合は求人情報誌やWeb媒体を利用することをおすすめします。紙面で募集する場合は掲載料、Web媒体に掲載する場合はクリック数や成約数に応じた費用がかかりますが、効率よく求人募集がおこなえます。
まとめ
近年の運輸業では配送ドライバーの高齢化などにより深刻な人手不足が続いています。
しかし、自社で従業員を雇用する場合は人件費や福利厚生費などを負担する必要があります。雇用にかかる費用をおさえて仕事を発注したい場合は、配送ドライバーへ業務委託をおこなうと良いでしょう。
配送の業務委託先を探すときは、自社商品の保管が可能なのか確認し、システムやサービス内容、コストなどを比較し、物流波動に対応できる企業を見つけましょう。
業務委託先をどのように探せば良いのかわからない場合は、フルキャストの請負サービスを利用してみてはいかがでしょうか。求人条件やご予算などをヒアリングしたうえで、適切な配送ドライバーを紹介いたします。
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