派遣とアルバイト、雇うならどっちがいい?それぞれの違いやメリット・デメリットを徹底解説
人手不足により人員を募集する際、業種や職種によって派遣を受け入れるかアルバイトを雇用するか迷うこともあるでしょう。最適な人材確保を実現するためには、まず派遣とアルバイトの違いを知っておく必要があります。そこで今回は派遣とアルバイトの違いやそれぞれのメリット・デメリットなどを解説していきます。
目次
- 違い①:雇用主
- 違い②:雇用期間
- 派遣社員の種類と雇用期間
- 違い③:人件費
- 派遣料金の仕組み
- 違い④:勤務時間・日数
- 派遣社員の受け入れがおすすめの企業
- アルバイトの雇用がおすすめの企業
派遣とアルバイトの違い
派遣社員とアルバイトには次のような違いがあります。
派遣社員 | アルバイト | |
---|---|---|
雇用主 | 派遣会社 | 直接雇用 |
契約期間 | · 同一事業所・同一部署での受けれは原則、最長3年
· 30日以内の日雇いは禁止 |
最長3年(更新可能) |
人件費 | 高め | 派遣社員よりは低い |
勤務時間 | 所定時間・日数がある(シフト勤務の場合もあり) | シフト勤務が多い |
違い①:雇用主
派遣社員とアルバイトの大きな違いの一つに「雇用主」があります。派遣社員の場合は派遣会社と雇用契約を結びます。そのため、派遣先企業ではなく派遣会社が雇用主になります。派遣が決まったら派遣会社と派遣先企業は派遣契約を締結。派遣会社の同意があれば、契約内容以外の業務の依頼も可能ですが、基本的には派遣契約に記載がある業務内容以外の業務は依頼できません。
一方、アルバイトは勤務先企業に直接雇用されます。勤務先企業の指示に従って業務を遂行することになるため、手間を省くことができます。
違い②:雇用期間
次に契約期間の違いが挙げられます。派遣社員は派遣法が適用されるため、同一事業所・同一部署で勤務は最長3年と限定的。また、雇用の安定化を図る一環で、30日以内の日雇い派遣は禁止されています。ただし、派遣は雇用形態により雇用期間にバラツキがでます。詳しくは後述しているので、このまま読み進めてください。
一方、アルバイトの場合も基本的に最長3年間ですが、更新することができ、短期での雇用も可能です。
派遣社員の種類と雇用期間
派遣社員には大きくわけて「有期派遣」と「無期派遣」、「紹介予定派遣」の3つの種類があります。それぞれの違いは次のとおりです。
登録型派遣 | 常用型派遣 | 紹介予定派遣 | |
---|---|---|---|
雇用主 | 派遣会社 | 派遣会社 | 派遣会社→派遣先企業 |
派遣期間 | 同一事務所・同一部署での勤務は最長3年 | 制限なし | 派遣期間は最大6ヶ月 |
給与の支払い | 派遣先に派遣されている期間のみ発生 | 派遣先企業に派遣されていない間も発生 | 派遣期間中は派遣企業から、契約切り替え後は派遣先企業から発生 |
登録型派遣は一般的な派遣のイメージです。派遣会社から企業に派遣され、契約期間が満了・終了するまで派遣先企業で勤務します。派遣期間は給与が発生しますが、派遣期間が満了・終了すると派遣会社との雇用関係も終了。給与の支払いもなくなります。一方、常用型派遣は派遣企業に社員として雇用されているため、企業に派遣されていない間も給与が発生。派遣先企業での勤務においても期間の制限は発生しません。
紹介予定派遣は、最長6ヶ月の派遣期間を経て派遣先企業に直接雇用されることを前提とした派遣形態です。直接契約に至るかどうかは双方の合意がある場合のみです。直接契約の合意が取れた場合、派遣期間の制限はなくなります。
違い③:人件費
アルバイトと派遣社員を比較した際、人件費は派遣社員の方が高くなります。派遣社員もアルバイトも時給制が基本ですが、派遣社員の方が平均時給は高い傾向にあります。マイナビの調査によると、2022年11月時点のアルバイト・パートの平均時給は1,170円です。これに対して派遣社員の平均時給は、次のように最低でも1,268円となっています。職業によっては約2,500円になるケースもあります。
職業 | 平均派遣料金 | 平均派遣賃金(時給) |
---|---|---|
建築・土木・測量技術者 | 31,108円 | 19,873円(2,484円) |
製造技術者 | 26,076円 | 16,476円(2,059円) |
一般事務従事者 | 16,583円 | 11,297円(1,412円) |
介護サービス職業従事者 | 14,973円 | 10,205円(1,275円) |
接客・給仕職業従事者 | 14,249円 | 10,145円(1,268円) |
参照:厚生労働省「令和2年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」
なお、派遣先企業が派遣社員に直接給与を支払うことはありません。しかし、毎月、派遣会社に「派遣料金」を支払うことになります。この派遣料金には派遣社員の給与以外に、福利厚生費や諸経費などが含まれています。アルバイトの場合は時給や交通費の支払いのみで良いので、派遣社員の方が受け入れコストが高くなります。ただし、企業によっては福利厚生費が発生することもあります。
派遣料金の仕組み
派遣料金とは派遣会社に支払う費用の総額のことを言います。派遣料金の内訳は次のとおりです。
- 派遣社員の給与
- 社会保険料
- 派遣社員の有給費用
- 諸経費(教育訓練費・福利厚生費、派遣会社社員の人件費など)
- 派遣会社の営業利益
これらをまとめた料金を「派遣料金」として毎月、派遣会社に支払うことになります。毎月の費用負担は重くなる点はデメリットですが、給与における事務処理や社会保険関係の手続きなども派遣会社が行ってくれる点においてはメリットが大きいと言えるでしょう。
違い④:勤務時間・日数
派遣とアルバイトの最後の違いは「勤務時間・日数」です。派遣社員の場合は、契約書により所定の労働時間・日数があらかじめ決められています。契約書に記載がない勤務を依頼することは基本的にできなませんが、時間外労働や休日労働は可能です。なお、日雇派遣と見做されないよう、派遣の場合は、週20時間以上の就業条件を確保する必要があります。
一方、アルバイトの場合は職種や業種にもよりますがシフト制での勤務が基本です。また、勤務先とアルバイト間で合意が取れれば、急な勤務調整も可能です。
派遣社員を受け入れるメリット・デメリット
派遣社員の受け入れには次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
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派遣を活用する場合、派遣会社に希望の条件を伝えておけば、最適な人材の紹介を受けられます。また、事前に派遣会社から派遣登録者に就労条件などが伝わっており、派遣登録者も合意のうえで顔合わせを行います。そのため、確度の高い採用が可能。すでに社会経験がある人も多いため、即戦力になる人材の確保が期待できます。
ただし、先述のとおり派遣社員はアルバイトよりも受け入れコストが高くなります。また、有期派遣の場合は同一事務所・同一部署で勤務が最長3年までと決められているため、3年ごとに育成コストが発生します。
アルバイトを雇用するメリット・デメリット
アルバイトを雇用するメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
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アルバイトは派遣社員に比べると低コストで雇用可能。勤務条件にもよりますが、基本的には受け入れコストが安い傾向にあります。また、シフト制であることが多いため、勤務時間や日数の調整がしやすい点はメリットと言えるでしょう。
一方でアルバイトの場合は、長期間働くことを想定していない人が多く、試験や子どもの運動会などのイベントが重なる時期には人員の確保が難しくなるケースも出てくるでしょう。
派遣社員の受け入れがおすすめの企業
アルバイトとの違いや派遣社員のメリット・デメリットを踏まえたうえで、次のような企業は派遣社員の受け入れがおすすめです。
- 専門人材・即戦力がほしい
- 手間とコストを抑えて人材を採用したい
派遣会社に登録している人材のなかにはこれまで複数の企業を渡り歩いてきた人材もいます。そのため、即戦力に出会える確率が高い傾向にあります。また、先にも紹介したとおり、人選は派遣会社が代行してくれるので、手間とコストを抑えることができ、人材確保に時間も費用もかけられない企業におすすめです。
アルバイトの雇用がおすすめの企業
派遣社員ではなく、アルバイトの雇用がおすすめの企業は次のとおりです。
- 人件費をできるだけ抑えたい
- 30日以内の超短期で人を雇いたい
アルバイトの場合は、平均時給が派遣社員よりも低く、低コストで人を雇いたい企業におすすめです。派遣社員の場合は30日以内の日雇いが禁止されていますが、アルバイトにはこうした法律がありません。そのため、1~30日の短期で人手が欲しい場合にもアルバイトの雇用がおすすめです。
まとめ
派遣が良いか、アルバイトが良いかは企業の業務内容や欲しい人材、雇用に対する考え方によって異なります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを踏まえたうえで、自社がどういった人材を求めているのか、どのくらいの期間働いてほしいのかを洗い出すことで最適な人材確保ができるでしょう。
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