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派遣できる業種とは?禁止の業種や専門26種についても徹底解

派遣できる業種とは?禁止の業種や専門26種についても徹底解

派遣会社は、派遣禁止業務以外の業種であれば労働者の派遣が可能です。しかし、どのような業種が具体的に派遣できるのか把握できていない方も多いのではないでしょうか。そこで、こちらでは派遣禁止の業種や専門26種について解説します。派遣について詳しく知りたい方に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

派遣できる業種とは

派遣が禁止されている業種5つ

- 建設業務

- 港湾運送業務

- 警備業務

- 病院・診療所などにおける医療関連業務

- 弁護士・社会保険労務士などの士業

専門26種とは

- 専門26種の職種一覧

- 2015年の法改正で変わったこと

派遣の業種に関するよくある質問

- Q.人材派遣業界が向いている業種はなに?

- Q.業種によって派遣料金の相場は変わる?

まとめ

派遣できる業種とは

派遣できる業種とは

派遣が可能なのは、法律によって定められた派遣禁止業務以外の業種です。厚生労働省の「平成29年 派遣労働者実態調査の概況」によると、派遣労働者が就業している事業所の割合は「情報通信業」で 30.1%、次に「運輸業・郵便業」 21.6%、「金融業・保険業」19.3%、「製造業」18.3%とされています。そのため、情報通信業は各業種の中でも最も高い割合で派遣労働者が従事しているといえるでしょう。

派遣が禁止されている業種5つ

派遣が禁止されている業種5つ

派遣禁止業務としては、以下の5つがあります。

  • 建設業務
  • 港湾運送業務
  • 警備業務
  • 病院・診療所などにおける医療関連業務
  • 弁護士・社会保険労務士などの士業

それぞれの業務の詳細と禁止されている理由については後述していますので、参考にしてください。

建設業務

建設業務とは、建築や土木などの建設や保存、解体などの作業に従事する業種のことです。また、建設業務と似た作業を行うことから林業の一部も派遣禁止の対象とみなされています。

この業務においては下請け企業が複数に渡って重なる場合が多く、雇用関係を明らかにするのが困難であるため派遣が禁止されることになりました。ただし、建設現場で行う事務作業や施工管理に関する作業は禁止対象から外されています。

港湾運送業務

港湾での貨物の保管や運搬、検量などの作業を行う業種のことを港湾運送業務と呼びます。港湾での作業は時期によって需要の差が大きく、定期的かつ連続的に業務が生じるため、特殊な労働制度(港湾労働社派遣制度)が取り入れられているのが特徴です。

この制度は労働者派遣法が施行される前から導入されており、新しく労働制度を取り入れる必要性がないことから派遣禁止業務に定められました。東京や横浜を始めとした六大港に加え、指定港湾にも適用されています。

警備業務

警備業務は、店舗や企業、イベント会場、駐車場などで事故や犯罪の警戒・抑止を行う業種です。手荷物検査や混雑する場所での誘導作業などのほかに、現金輸送を始めとした重要物の搬送業務も含まれます。

警備法では、事業者が警備員を直接的に雇用したうえで指導監督を行い、適切な警備を行うべきと定められているため、派遣禁止の対象となりました。直接雇用を伴わない派遣形態だと、正常に警備業務が行われない恐れがあると考えられています。

病院・診療所などにおける医療関連業務

医療関連業務は、病院や診療所において医師、看護師、助産師、保健師、栄養士、救急救命士などが働くことを指します。医療では、専門知識を有する医療従事者がチームを組み、患者に適切な治療を施すのが基本であり、専門家同士の綿密なコミュニケーションが必要不可欠です。

派遣形態だと専門家同士の継続的なコミュニケーションを構築できず、チーム体制で医療を提供するのが困難になるとの考えから、派遣禁止対象に指定されました。ただし、直接雇用を前提としている場合や、社会福祉施設など医療関連機関以外の施設での業務など、一部で派遣を認められているケースもあります。

弁護士・社会保険労務士などの士業

弁護士や司法書士、社会保険労務士などの国家資格を取得し、専門知識を活かして業務を遂行する業種を士業と呼びます。士業はクライアントから直接依頼を受けて個人的に業務を請け負うので、指揮を受ける立場にはありません。そのため、派遣禁止の対象になりました。ただし、行政書士や税理士、公認会計士などは一部で派遣が認められる例外があります。

専門26種とは

専門26種とは

専門26種とは、労働者派遣法において3年の派遣期間制限の対象外とされた業種です。26種に指定された業種は専門的な知識を要するものであり、経験期間によって結果が分かれるという考えから派遣期間に制限が設けられませんでした。ここからは、そんな専門26種の職種一覧と法改正によって変わったことについて詳しく解説します。

専門26種の職種一覧

専門26種に該当する職種は、以下の通りです。

【専門26種の職種一覧】

機械設計、事務用機器操作、ソフトウェア開発、速記・通訳・翻訳、秘書、調査、取引文書の作成、ファイリング、デモンストレーション、財務処理、添乗、建築設備の運転整備・点検、建築物の清掃、受付・案内・駐車場管理等、研究開発、事業の実施体制等の立案・企画、書籍等の制作・編集、広告デザイン、OAインストラクション、セールスエンジニアリングの営業、テレマーケティングの営業、放送番組等の大道具・小道具スタッフ、放送機器等の操作、放送番組等の演出、アナウンサー、インテリアコーディネーター

2015年の法改正で変わったこと

2015年の法改正によって、専門26種に関する制度は廃止されています。廃止になった経緯としては、専門26種が以前ほど専門的な職種であるといえなくなったことに加え、派遣期間制限がないことを利用した雇用主が派遣労働者の正規雇用を拒むケースに対抗処置を取る必要性が出てきたことが挙げられます。

この改正に伴い、派遣としての雇用はあくまでも一時的なものであるという考え方が強化されました。また、派遣労働者が3年の契約期間を迎えた場合は、派遣会社に以下のような対応が義務付けられています。

  • 派遣企業に対して直接雇用の依頼
  • 無期雇用者としての雇用の機会を確保
  • 新しい派遣先の提供
  • 紹介予定派遣など、安定した雇用のために必要な処置

法改正の歴史や、改正内容などを以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひご覧ください。

「労働者派遣法とは?人材派遣の仕組みや改正のポイントをわかりやすく解説」

これにより、派遣労働者は派遣会社に相談したうえで「直接雇用に切り替えたい」「派遣として働き続けたい」など、自分のライフスタイルに合った働き方を選択できるようになりました。派遣労働者の安定した雇用の維持や、非正規雇用と正規雇用の格差是正に繋がると考えられています。

派遣の業種に関するよくある質問

派遣の業種に関するよくある質問

派遣の業種については、疑問に感じることも多いのではないでしょうか。最後に、派遣によくある質問と回答を紹介しますので、役立ててみてください。

Q.人材派遣業界が向いている業種はなに?

A.事務職は、幅広い業界で需要があり、初心者から正社員へのキャリアアップも目指しやすいことから人材派遣業界に向いています。また、業界未経験でも挑戦しやすい工場・倉庫での軽作業も人材派遣に多い業種です。軽作業の場合、パソコン知識やフォークリフト免許などの専門スキルを身につけることで収入アップに繋げられます。

Q.業種によって派遣料金の相場は変わる?

A.人材派遣料金は、業種ごとではなく職種によって変わります。1つの業種にもさまざまな職種があり、求められるスキルも異なるのが理由です。

一般的に、専門的な技術や知識が要求される職種ほど相場は高くなり、2〜3万円が平均値とされています。それ以外の職種の平均は1万〜1万5,000円が相場です。例えば、プログラムやソフトウェア開発者の1日(8時間)の派遣料金の相場は3万円ほどなのに対し、飲食物の調理従事者は1日1万2,000円ほどが相場とされています。この数字からも、職種の専門性によって料金が大きく変わることが分かるのではないでしょうか。

まとめ

派遣が禁止されている業種は法律で厳格に定められていますが、それ以外の業種であれば派遣が可能です。以前は専門26種に限り3年の派遣期間が外されていましたが、法改正によってこの制度は廃止され、現在は全ての職種に3年の期限が付与されることになりました。法改正では派遣労働者の安定した雇用と生活の維持を促進することが盛り込まれており、今後もより働きやすい環境の整備が期待されています。

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