派遣の契約期間は3年が最長?できるだけ長く働いてもらうための方法
派遣社員の受け入れを検討する際に気になるのが期間の問題です。派遣法により同一事務所・同一部署での受け入れ最長期間は3年と定められています。しかし、派遣社員の働きぶりにより3年以上受け入れたいケースも出てくるでしょう。今回は派遣の契約期間について解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
派遣の契約期間はいつまで?
同一の派遣社員を「同一事務所の同一組織単位(部署)」で受け入れることができるのは最長3年までです。これは派遣労働法第三十五条の三により定められているため、基本的に覆ることはありません。いわゆる「3年ルール」と呼ばれるもので、3年を超えて受け入れたい場合は、派遣先企業への直接雇用に切り替えたりといった措置が必要になります。
派遣契約の最短期間は31日以上
派遣切りが社会問題となったことにより平成24年10月1日に派遣法が改正。30日以内の日雇いが原則、禁止になりました(労働派遣法第三十五条の四)。そのため、派遣社員を受け入れる場合、最短でも31日以上からになります。
派遣社員の契約期間の更新・変更について
一般的に、契約の更新は1~6ヶ月ごとに行われます。例えば、最初の契約期間を31日以上に設定し、その後は3ヶ月または6ヶ月ごとの更新に移行します。更新を希望する場合は、更新の1ヶ月前に派遣元企業から派遣社員に告知し、派遣元企業と派遣先企業の派遣契約を更新します。その後、派遣社員の雇用契約が更新される流れです。また、契約を終了する場合も原則、契約更新の30日前の告知が必要です。
なお、派遣先企業の都合によって一方的に派遣期間を変更することはできません。もし派遣先企業の都合により契約を解除する場合は、就業先の確保や休業手当などの費用負担義務が発生します。派遣社員においても契約期間中に途中で辞めることは推奨されませんが、民法上は2週間前に申し出れば途中退職が認められます。
派遣社員を3年以上受け入れる方法
当初は期間限定での受け入れを想定していた派遣社員に、予定していた期間よりも長く働いてほしいと考えるケースもあるでしょう。必ず派遣会社と派遣社員の双方へ相談・意向確認することが前提ですが、例えば直接雇用へ切り替えることも可能です。
派遣期間が3年になる見込みがある社員に対して、派遣会社は雇用安定措置(義務)を図る必要があります。雇用安定措置のなかには「派遣先への直接雇用の依頼」があり、派遣先企業がこれを承諾すれば派遣社員を自社社員として受け入れできます。
なお、派遣期間の見込みが1年以上でも雇用安定措置の努力義務が発生するため、3年の期間を待たずとも派遣社員を自社社員として迎え入れることは可能です。ただし、直接雇用においても派遣社員の希望に基づいて行われます。また、直接雇用に切り替える際は、派遣元との契約内容に従う必要があります。内容によっては、紹介手数料の支払いといった何らかの対応が必要なケースも考えられるので、直接雇用を検討する場合は事前に契約内容の確認を行いましょう。
長期受け入れを予定している場合は、紹介予定派遣も検討しよう
長期受け入れを予定している場合は、紹介予定派遣も検討することをおすすめします。紹介予定派遣とは最長6ヶ月までの一定期間を派遣社員として受け入れた後に、直接雇用での受け入れを前提とした派遣形態です。派遣期間中に派遣先企業と派遣社員がお互いに適正を確認できるため、ミスマッチを減らせるメリットがあります。なお、派遣期間終了後の直接雇用は双方の同意により実現するため、必ずしも直接雇用に移行しなければいけないわけでもありません。
まとめ
派遣社員の受け入れは原則、最長3年です。ただし、同一派遣社員を同一事業所・同一部署で3年以上受け入れるための方法がないわけではありません。派遣元と派遣社員の双方へ確認することは前提ですが、いずれの方法も派遣社員の希望に基づくうえ、原則として同じ派遣労働者を派遣するよう派遣先が派遣元に要請することはできません。3年以上の受け入れを希望する場合は三者での話し合いが重要になります。
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