派遣の契約更新のタイミングはいつ？更新の流れや更新しない場合の注意点も

派遣の仕組み

そもそも派遣とは、派遣会社が人材を必要としている企業へ契約している社員を送り出すことを言います。

派遣先企業は人材を派遣してもらった報酬を派遣会社へ、派遣会社は派遣で労働した報酬を派遣社員へ支払うのが派遣に関する金銭的な動きです。派遣社員は派遣会社と労働契約を結んでいるため、給与の支払いや福利厚生に関することはおおよそ派遣会社が派遣社員へ支払うのが一般的です。

派遣の契約期間

派遣の場合、派遣先企業が派遣労働者を受け入れる期間に制限があります。これらの契約期間に関する内容は、労働者派遣法によって決められており、「派遣社員は同じ組織で3年以上働くことはできない」と定められています。

そのため、派遣先企業が派遣社員に3年以上働いてほしい場合には、派遣会社へ直接雇用の依頼をかけることになります。もしくは、派遣労働者が希望した場合は、派遣先企業に直接雇用を申し入れるケースもあります。つまり派遣先企業からの評価が良ければ、派遣社員は直接雇用してもらえる可能性があるのです。

一方で、3年以上の契約が望まれなかった場合には、派遣会社は社員に対して以下の項目に対する努力義務が課せられます。

• 新たな派遣先を提供する
• 派遣会社にて無期雇用する
• 社員の雇用安定を図るための措置をとる

派遣社員は比較的安定しにくい仕事として考えられることも多かったですが、現在の労働者派遣法によって、比較的安定した雇用となるように定められています。

派遣の契約更新のタイミングは？

一般的に派遣の契約は、派遣会社ごとに異なりはするものの、数ヶ月単位で契約の更新を行います。ただし、多くの場合は1〜2ヶ月で社員の適性を見極めるのは難しいとして、3ヶ月以上の期間で更新を行います。

また、更新に関しては更新の1ヶ月前に派遣会社の担当者から、派遣社員に対して意思確認を行うのが一般的です。そして、派遣社員と派遣先会社の双方の合意のもと契約の更新を行います。契約社員の安定した雇用を実現するためにも、派遣会社は30日前までに意思確認を行なう必要があるので、これから派遣業を営む方などは必ず押さえておく必要があるでしょう。

派遣の契約更新の流れ

派遣の契約更新は、派遣社員と派遣会社の間で行なわれるのが一般的となります。派遣先企業が派遣社員にもっと長く働いてほしいと希望した場合でも、派遣社員へ契約期間など雇用に関する意思を聞くことは禁止されています。

【派遣の契約更新の流れ】

1. 契約期間終了の1ヶ月～数ヶ月前に、派遣元が派遣先に契約更新の希望の有無を確認する。
2. 派遣元は契約満了日の30日前までに、派遣社員へ契約更新の意思の有無を確認する。また、派遣先が更新を希望しない場合、派遣社員へ契約が満期を以て終了することを告知する。
3. 派遣先と派遣元で契約更新の合意が取れたら、派遣元から派遣社員へ更新を通知する

直前まで仕事を続けられるのかわからない」といった派遣社員の不安をトラブルを回避するためにも、必ず派遣会社は契約満了日の1ヶ月前までに派遣社員に対する意向調査・期間満了の予告を行うようにしてください。

派遣の契約を更新しない場合の注意点

派遣の契約は必ずしも更新をするわけではありません。派遣社員が派遣先の業務に対して適性が無かったり、派遣先企業から更新の意向が得られなかったりした場合には契約の更新をしないケースもあります。派遣先が派遣社員の契約更新を希望しない場合、少なくとも1ヶ月以上の猶予期間を以てその旨を派遣会社へ伝える必要があります。なぜなら派遣会社は派遣社員へ、期間満了を以て契約終了となる旨を30日前には予告しなければならないからです。

まとめ

派遣とは、派遣会社が人材を必要としている企業へ契約している社員を送り出す仕組みのことです。

最短で31日以上の契約期間を設定し、約3ヶ月毎に更新をするのが一般的です。3年以内であれば契約期間を更新することは可能ですが、更新しない場合は1ヶ月～数ヶ月前までに派遣会社へ伝えておく必要があります。契約の更新に関しては主に派遣会社と派遣社員の間でのやり取りになりますが、後にトラブルを招かないためにも、派遣先企業は派遣会社への通知や連絡が滞らないよう気を付けましょう。