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派遣社員の社会保険料は派遣先企業が負担する?社会保険の種類と加入条件を解説

派遣社員の社会保険料は派遣先企業が負担する?社会保険の種類と加入条件を解説

派遣社員を受け入れるにあたって、「派遣社員は社会保険に加入する必要があるのか」などといった疑問が出てくるでしょう。派遣社員は一定条件を満たした場合に社会保険に加入する義務がありますが、社会保険料の負担義務は派遣先企業にはありません。 本記事では派遣社員の社会保険料を負担しなければいけない責任の所在をはじめ、社会保険の加入条件をわかりやすく解説します。

目次

派遣社員の社会保険料は誰が払う?

- 派遣元は社会保険の加入の有無を通知する義務がある

派遣会社に支払う「派遣料金」の仕組みとは

社会保険の種類と加入条件

- 健康保険

- 介護保険

- 厚生年金保険

- 雇用保険

- 労災保険

派遣元から派遣先企業に通知すべき内容

まとめ

派遣社員の社会保険料は誰が払う?

派遣社員の社会保険料は誰が払う?

派遣社員の社会保険料は派遣会社が支払うので、派遣先企業に支払いの義務はありません。そもそも派遣社員の社会保険料は、派遣会社に支払う派遣料金のなかに含まれています。そのため、派遣先企業が派遣社員の社会保険料と称して追加で費用を負担することはありません。なお、派遣料金の仕組みについては後述しているので、このまま読み進めてください。

派遣元は社会保険の加入の有無を通知する義務がある

派遣法第35条第1項第5により、派遣元は健康保険・厚生年金・雇用保険の資格取得確認等の事実を派遣先に通知しなければいけないと定められています。「こちらで処理するから通知は省略する」は法律違反となるため、認められません。そのため、派遣社員の派遣にあたり、派遣元からは社会保険について何らかの通知があるはずです。

また、派遣社員に社会保険を加入させていない場合は、具体的に理由を付けることも義務づけられています(派遣法施行規則第27条の2第2項)。正当な理由なく社会保険の加入がない場合、派遣先企業から派遣元に派遣社員の保険加入の請求が可能です。社会保険加入者について、派遣先は被保険者証の写し等を確認し、派遣元において適正に加入手続きが行われているか、確認する必要があります。

派遣会社に支払う「派遣料金」の仕組みとは

派遣会社に支払う「派遣料金」の仕組みとは

引用元:一般社団法人 日本人材派遣協会「派遣料金の構造」

派遣料金とは派遣会社に支払う費用の総額のことを言います。派遣料金の内訳は次のとおりです。

  • 派遣社員の給与
  • 社会保険料
  • 派遣社員の有給費用
  • 諸経費(教育訓練費・福利厚生費、派遣会社社員の人件費など)
  • 営業利益

上記のとおり、派遣元企業に支払う派遣料金のなかに社会保険料が含まれています。そのため、派遣先企業で加入させる必要もなければ、料金を上乗せする必要もありません。

社会保険の種類と加入条件

社会保険の種類と加入条件

社会保険は5つの保険の総称であり、各保険によって加入条件が異なります。

社会保険の種類 概要 加入条件
健康保険 加入者が安心・平等に医療サービスを受けるための保険 下記表組みに記載
介護保険 要介護者が少ない負担で介護サービスを受けれるようにするための保険 40歳以上の健康保険加入者
厚生年金保険 労働による収入確保が困難になった場合に支援してくれる年金制度 下記に記載
雇用保険 失業・休業時の生活支援、キャリア形成・能力開発支援のための保険
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上の雇用見込みがある
労災保険 仕事や通勤によるケガ・病気の際に、本人またはその家族の生活を支えるための保険 すべての労働者

また、保険の種類によって保険料の負担額が異なります。派遣社員の社会保険料は派遣先が負担するわけではありませんが、派遣料金が適正かどうか怪しまれる場合などの判断材料としても使えるので知識として持っておくと良いでしょう。

健康保険

健康保険とは加入者が安心・平等に医療サービスを受けるための保険です。健康保険に加入することで、医療費が3割負担で済んだり、高額な医療費が発生した際に払い戻しが受けられたりするようになります。加入要件は次のとおりです。

長時間労働者の場合 短時間労働者の場合
  • 契約期間が2ヶ月以上
  • 1週間の所定労働時間および所定労働日数が一般社員の4分の3以上
  • 2ヶ月を超える雇用見込みがある
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 1ヶ月の給与が88,000円以上
  • 事業主(雇用主)の被保険者数が100人を超える

※2024年10月〜は51人以上

  • 学生ではない

保険料は加入者と派遣会社が折半します。金額は加入者の給与額・保険料率によって異なります。

介護保険

介護保険は、介護サービス利用者の負担を軽減するための保険です。加入要件は「健康保険に加入している40歳以上の人」です。介護保険料は健康保険料と合わせて、満40歳の月から徴収が始まります。満40歳になるのは40歳の誕生日の前日です。

 

たとえば4月5日が誕生日の場合は、4月4日が満40歳に達した歳になるので、4月から徴収が始まります。しかし、4月1日が誕生日の人は3月31日に満40歳を迎えるため、3月より徴収されることになります。40歳から64歳までは加入者と派遣企業が折半で保険料を負担。保険料は給与額と介護保険料率によって異なります。

厚生年金保険

厚生年金保険とは老後に労働による収入確保が困難になった場合に支援してくれる年金制度です。所定の障害を負った場合は障害厚生年金が支給されるなど、特定の条件に当てはまった人を対象に年金支給により生活を支援してくれます。基本的な加入要件は「所定労働時間および所定労働日数が一般社員の4分の3以上ある」ことですが、この要件を満たしていない場合でも次に当てはまれば加入できます。

  • 2ヶ月を超える雇用見込みがある
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 1ヶ月の給与が88,000円以上
  • 事業主(雇用主)の被保険者数が100人を超える
    ※ 2024年10月〜は51人以上
  • 学生ではない

保険料は「4月から6月の報酬の平均額(標準報酬月額)×18.3%(保険料率)÷2」で算出可能。これを定時決定と呼びますが、次回の定時決定までに固定賃金に大きな変更があった場合は随時改定を実施し、適切な料金に変更します。保険料は加入者と派遣企業で折半して支払います。

雇用保険

雇用保険は失業・休業時の生活支援、キャリア形成・能力開発支援のための保険です。失業してから次の就労先が見つかるまでの間に受けられる失業給付や育児休業中に受けられる育児休業給付金などがあります。加入要件は次のとおりです。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上の雇用見込みがある

保険料は加入者と派遣企業が負担。加入者側の方が負担の割合が少なく設定されています。金額は「給与額または賞与額×保険料率」で算出可能ですが、保険料率は雇用保険の受給者実績や積立金の状況によって変動します。

労災保険

労災保険は仕事や通勤によるケガ・病気をした際に、本人またはその家族の生活を支えるための保険です。仕事や通勤時の病気・ケガに限定されますが、治療費や生活費の保証が受けられます。労働者であれば自動的に加入することになり、保険料は派遣企業が全額負担します。

派遣元から派遣先企業に通知すべき内容

派遣元から派遣先企業に通知すべき内容

派遣元は次の項目を派遣先企業に通知する義務があります。また、変更があった場合も遅延なく通知する義務が課されています。

  • 派遣労働者の氏名・性別
  • 派遣の種類(無期雇用派遣労働者か有期雇用派遣労働者か)
  • 45歳以上である場合はその旨、18歳未満である場合は年齢
  • 就業条件 ※労働者派遣契約の就業条件と異なる場合
  • 社会保険加入の有無
  • 協定対象派遣労働者かどうか

派遣社員を派遣してもらうにあたり派遣先企業は派遣元からこれらの通知を受け、派遣先企業は通知の情報をもとに派遣社員の受け入れ体制を整えます。なお、社会保険の加入において手続き中の場合、単に「手続き中」とする通知はNG。「手続き中であり、○月○日には届出予定」と具体的な状況を記載してもらう必要がある点は留意しておきましょう。未加入の場合(適用基準を満たしてない場合)は、具体的にその理由の通知も必要です。

まとめ

派遣社員でも一定の要件

派遣社員でも一定の要件を満たす場合は、社会保険への加入が義務づけられています。その際に支払う保険料は、派遣企業に支払う「派遣料金」に含まれているため、派遣先企業が追加で支払う必要はありません。また、加入手続き等は雇用関係にある派遣企業が行うので、派遣先企業が手続きを行うこともありません。

 

ただし、派遣企業には派遣社員の社会保険加入の有無について、派遣先企業に通知する義務があります。これを怠ると法律違反となるので、通知を受けられていない場合や正当な理由なく社会保険に加入させていない場合は、社会保険への加入を求めるようにしましょう。

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