派遣社員の資格取得|費用負担は派遣会社?派遣先企業?
派遣社員が業務に必要な資格を取得する際、発生する費用はどうすべきか悩む派遣先企業の方も多いでしょう。結論からいうと、資格取得費用は派遣先企業が絶対に負担しなければいけないことはありません。今回は、派遣社員が資格を取得する際の費用について紹介します。
目次
- 派遣会社の「資格取得支援制度」を利用する
- 国が実施する「教育訓練給付金制度」を利用する
- 教育訓練給付制度の種類と給付率
- 派遣先企業が負担する
派遣社員の資格取得費用は負担すべき?
派遣社員に業務上、必要な資格取得を促す際の費用負担には次のパターンが考えられます。
- 派遣会社の「資格取得支援制度」を利用する
- 国が実施する「教育訓練給付金」を申請する
- 派遣先企業が負担する
派遣会社や国が実施する制度があるため、かならずしも派遣先企業が負担する必要はありません。
派遣会社の「資格取得支援制度」を利用する
派遣会社では資格取得支援制度を実施しています。資格取得までの費用負担は派遣社員が負うことになりますが、資格取得支援制度を利用すれば、資格取得後に「報奨金」や「一時金」として費用の一部、または全額を派遣会社が負担してくれます。資格の対象は「仕事に役立つ資格」です。資格取得支援制度の対象者は次のとおりです。
- 派遣会社に登録している人材
- 派遣先企業で就業している社員
- 支援金が支払われるまで就業している社員
- 資格取得後も派遣社員として就業の意思がある人材
制度内容や対象者、資格取得後の申請方法は派遣会社によって異なるため、派遣社員に資格取得を促す際は派遣会社の営業担当者に確認しておくことをおすすめします。
国が実施する「教育訓練給付金制度」を利用する
教育訓練給付金制度とは「労働者のスキルアップ支援」を目的とした、国が実施する制度です。厚生労働大臣が認定した教育訓練を受講し、終了した人で雇用保険に加入している人を対象に、費用の一部助成を行っています。雇用保険は次の条件を満たした場合に加入が義務づけられています。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上の継続雇用が見込まれる場合
派遣は2012年に日雇い(30日以内の労働契約)が禁止されているため、派遣社員も雇用保険の加入が義務づけられています。そのため、教育訓練給付制度の利用が可能です。
教育訓練給付制度の種類と給付率
教育訓練給付制度で受講できる講座は約14,000あります。講座はレベルに応じて3種類に分けられており、費用の給付率が異なります。
レベル | 給付率 | 講座例 |
---|---|---|
専門実践教育訓練 | 受講費用の最大70%
(年間上限65万円、最長4年) |
介護福祉士、社会福祉士、看護師、美容師、歯科衛生士、保育士、調理師、ITSSレベル3以上のIT関係資格取得講座、第四次産業革命スキル習得講座など |
特定一般教育訓練 | 受講費用の40%
(上限20万円) |
介護職員初任者研修、大型自動車第一種・第二種免許、税理士、・ITSSレベル2以上のIT関係資格取得講座など |
一般教育訓練 | 受講費用の20%
(上限10万円) |
英語検定、簿記検定、ITパスポート、修士・博士の学位などの取得を目標とする課程など |
自社業務に関連性の高い資格または講座があれば、取得・受講を進めてみるのもありでしょう。対象講座は専用サイトから検索できます。
派遣先企業が負担する
派遣先企業の業務で必要となる資格の取得費用は、派遣会社の資格取得支援制度で賄うのが基本です。しかし、その分、派遣料金に上乗せされる可能性があります。派遣料金は派遣期間が終了するまで毎月発生するものなので、少しでも安く抑えたいところです。資格取得支援制度を利用したからといって必ずしも上乗せされるものではありませんが、心配な場合は、自社で資格取得費用を負担するのもおすすめです。
ただし、登録型派遣の場合は同一事務所・同一部署での勤務が3年までと決められています。自社負担までして資格の取得を促す場合は紹介予定派遣や直接雇用も検討してもよいかもしれません。
資格以外に派遣社員にあるとよい資質
業種によってさまざまな資格が求められますが、知識やスキル以外にも次のような資質を持っている派遣社員であれば、お互いに気持ちよく仕事ができるでしょう。
- ビジネスマナー
- 協調性・コミュニケーションスキル
派遣社員といえども対外的な仕事もあるため、最低限のビジネスマナーは必要です。取引先に失礼があればビジネスチャンスを潰す可能性もあるので、派遣会社への希望に記載しておくことをおすすめします。また、社内での円滑な業務遂行のための協調性・コミュニケーション能力もあるとよいでしょう。
まとめ
派遣社員がスキルアップするのは自社にとってもよい影響があります。そのため、費用負担を申し出るのもありですが、まずは派遣会社や国が実施している支援制度が活用できないか確認してみましょう。
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