【法人向け】派遣を使うべき業種とは?企業が活用するメリットや注意点、選び方を解説
人材不足などで人材派遣の利用を検討している方の中には、自社の業務や業界が人材派遣に向いているのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。また、人材派遣を利用するうえで、メリットや注意点、選び方を事前に把握しておきたいと考える方もいると思います。人材派遣を利用するのであれば、しっかりと特徴を把握して、自社に最適な依頼先を選ぶことが大切です。この記事では、人材派遣を使うべき業種を紹介するほか、企業が利用するメリットや注意点、選び方も解説します。
目次
- 3つの派遣形態
- 人材派遣の導入にかかるコスト
- メリット① 人材不足を解消できる
- メリット② コストの削減ができる
- メリット③ コア業務に注力できる
- 業務のノウハウが蓄積されにくい
- 業務内容や派遣期間の柔軟性が低い
- 帰属意識が低くなりやすい傾向にある
- 自社のニーズにマッチした派遣会社を選ぶ
- 信頼できる派遣会社を選ぶ
- 対応エリアと登録スタッフ数を確認する
人材派遣とは
人材派遣は、労働者派遣法の第2条で以下のように定義されています。
人材派遣の定義 |
自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとする。 |
引用:e-gov「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」
つまり人材派遣とは、派遣会社と雇用契約を結んだ人材をクライアントとなる企業に派遣するサービスのことです。
人材派遣では、労働者は雇用契約を派遣会社と締結します。そのため、給与や各種保険の支払いは派遣元の派遣会社が負担します。
- 就業場所:派遣先企業
- 雇用契約:派遣会社
近年は、人材不足やコストの削減などさまざまな事情から、人材派遣を利用する企業も増えています。
人材派遣サービスに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事:「人材派遣サービスとは?メリットやデメリット、利用するときの流れをわかりやすく解説」
3つの派遣形態
人材派遣には、おもに「登録型派遣(一般派遣)」「無期雇用派遣」「紹介予定派遣」の3つの派遣形態があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。
派遣形態 | 特徴 |
登録型派遣 | 一般的な人材派遣に多い形態。派遣会社と雇用契約を締結した労働者が、派遣先で業務をおこなう。派遣会社とクライアントによる契約で定められた期間のみ雇用契約が成立し、最長は原則3年以内。 |
無期雇用派遣 | 派遣会社と労働者が無期限の雇用契約を締結する形態。基本的な派遣のしくみは、登録型派遣と同じ。 |
紹介予定派遣 | 派遣先のクライアントによる直接雇用を前提とした形態。最長派遣期間は6ヵ月と短いが、派遣期間中にクライアントは自社が望む人材であるかを見極めることができる。派遣期間終了後、採用が決定した場合は、別途派遣会社への紹介料が発生する。 |
人材派遣の導入にかかるコスト
人材派遣の導入には、初期費用と継続費用がかかります。
- 費用:派遣社員が業務をするために必要な備品の購入代など
- 継続費用:派遣会社に支払う費用
自社で新たに人材を採用する際は、求人掲載費や採用担当者の人件費などさまざまなコストが発生します。一方、人材派遣では本来採用に必要なコストが発生しないため、初期費用を大幅におさえることが可能です。
ただし、継続費用には派遣会社へのマージンも含まれるため、継続費用に関しては自社での採用コストより割高になる傾向があります。
なお、派遣会社に支払う派遣料金の内訳は、派遣社員の給与が7割程度、派遣会社へのマージン(社会保険料、諸経費など)が3割程度です。
厚生労働省によると、2021年度の派遣料金の相場は8時間換算で24,461円(税込)です※。
人材派遣を使うべき業種とは
労働者派遣関係法令では、以下のような業種への人材派遣は禁止されています。
- 港湾運送業務
- 建設業務
- 警備業務
- 病院・診療所などの医療関連業務
- 弁護士・社会保険労務士などの士業
人材派遣は、基本的に禁止されている業種以外のさまざまな業種に向いており、業種というより、業務の内容で使うべきかを検討したほうが良いでしょう。
たとえば、一般的な派遣社員は、原則3年以内という期間が決まっているため、業務内容としては、突発的なものや短期間で終了するプロジェクトなどに向いている傾向があります。
企業が派遣会社を利用するメリット
人材派遣には、さまざまなメリットがあります。以下、企業が派遣会社を利用するメリットを紹介します。
メリット① 人材不足を解消できる
人材の採用には求人募集、書類選考、面接など複数の工程があるため、自社で人材を確保するには時間がかかってしまいます。
しかし、人材派遣であれば、派遣会社が自社の希望する条件に一致した人材を紹介してくれるため、早期の人材確保が可能です。
また、「繁忙期のみ働いて欲しい」「人事や経理などスキル・専門知識が必要な人材が欲しい」など、幅広い条件の人材を効率的に確保できます。
希望する人材を確保するためには、派遣会社の担当者に依頼する業務内容や求める経験スキルなどの詳細な情報を伝えることが大切です。事前に希望する人物像を明確にしておきましょう。
メリット② コストの削減ができる
人材を採用した後は、業務が遂行できるように育成する必要がありますが、人材派遣であれば採用や育成にかかるコストの削減が可能です。
また、固定費の多くを占める人件費を変動費にすることができるため、固定費の抑制にもつながるでしょう。
メリット③ コア業務に注力できる
経理や備品の管理など、ノンコア業務に自社の社員を割いてしまうと、生産性が悪くなる可能性があります。
しかし、人材派遣を活用すれば、ノンコア業務の部分を派遣社員に任せることができるため、自社の社員はコア業務に注力できるようになります。結果として、会社の利益向上が期待できるでしょう。
企業が派遣会社を利用するときの注意点
人材派遣にはさまざまなメリットがある反面、注意点もあります。以下、企業が派遣会社を利用する際の注意点を紹介します。
業務のノウハウが蓄積されにくい
人材派遣は、派遣期間が決まっているため、一定のタイミングで人材の入れ替えが生じます。
能力の高い派遣社員にコア業務を任せていたり、任せている業務が属人的になっていたりする場合、社内にノウハウが蓄積されにくい傾向があります。
派遣社員が離れることで企業の成長が鈍化してしまう可能性もあるので、注意しましょう。
人材派遣を利用する際は、基本的にアシスタント業務や事務などルーティン化された業務を任せることがおすすめです。
業務内容や派遣期間の柔軟性が低い
一般的な人材派遣の形態は、原則3年間以内という派遣期間が決まっているほか、業務に関しても、契約時に職務内容や就業時間などの取り決めをおこないます。
人材派遣は、クライアントが派遣社員に業務の依頼を自由にできるわけではなく、業務内容や派遣期間の柔軟性は低い傾向があるため、注意が必要です。
人材派遣を利用する際は、この点を考慮して依頼を検討する必要があるでしょう。
帰属意識が低くなりやすい傾向にある
派遣社員は、いずれ会社を去ることが決まっているため、派遣先へ対する帰属意識が低くなりやすい傾向にあります。
そのため、人材派遣を利用する際は研修をおこなったり、キャリアプランのヒアリングをおこなったりするなど、自社への理解を深めてもらい、派遣社員の帰属意識を高める工夫や努力が必要です。
なお、派遣期間に関しては、原則3年以内となりますが、事業所単位の期間制限であれば一定の手続きをおこなうことで、更に最長3年間の延長も可能です。
派遣会社の選び方
人材派遣を利用する際は、自社に合った派遣会社を選ぶことが大切です。以下で、派遣会社を選ぶときのポイントを紹介します。
自社のニーズにマッチした派遣会社を選ぶ
人材派遣を利用する際は、自社のニーズにマッチした派遣会社を選ぶことが大切です。
一般的にはオフィスワーク系、架電・営業系、製造・軽作業系に対応している派遣会社が多いものの、得意とする職種・業種は派遣会社によって異なります。
中には、特定の業界や専門職に強い派遣会社もあるため、事前にウェブサイトや紹介資料などを確認しておくと良いでしょう。
信頼できる派遣会社を選ぶ
派遣会社は多数あるため、信頼できる派遣会社に依頼することが大切です。そのため、取引実績や導入事例などを確認し、満足度や信頼性の高さなどを事前に調べておくと良いでしょう。
また、人材派遣業をおこなうためには、厚生労働大臣から「労働者派遣事業許可証」の交付を受ける必要があります。
労働者派遣事業許可証のない派遣会社から派遣社員を受け入れると、「労働契約申込みみなし制度」の対象となり、派遣社員が望めば直接雇用しなければならなくなるため、必ず許可証の有無も確認してください。
対応エリアと登録スタッフ数を確認する
派遣会社によって対応エリアは異なります。大手派遣会社は基本的に全国対応のケースがほとんどですが、地域に特化した派遣会社もあります。状況にあわせて利用する派遣会社の対応エリアを確認することが大切です。
また、人材派遣を利用するのであれば、登録スタッフ数も確認しておきましょう。登録スタッフ数が多いほど幅広い人材が揃っている可能性があるため、希望する人材を確保できる可能性も高くなります。
まとめ
人材派遣は、人材不足の解消や新たに人材を採用・育成するためのコスト削減などさまざまなメリットがあります。
人材派遣が禁止されている業種もありますが、基本的には多くの業種で人材派遣が可能です。そのため、業種というよりも業務内容に応じて人材派遣を活用すると良いでしょう。
派遣会社は多数あるため、自社のニーズや派遣会社の信頼性などを考慮して人材派遣をご活用ください。
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人材派遣の利用を考えている方は、一度フルキャストにご相談ください。
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