人材派遣の平均単価はどのくらい?派遣料金の内訳やコストを抑えるコツを紹介
できるだけ人件費を抑えたいと考えている企業の方のなかには人材派遣を検討している人もいるでしょう。しかし、実際のところ人材派遣のコストはどのくらいかかるのかを把握していないと、コスパのよい人材獲得は望めません。
そこで今回は、人材派遣にかかるコストを紹介。職業別・地域別にかかる費用の目安も紹介しているので、直接雇用の場合と比較してみてください。
目次
- 初期費用(イニシャルコスト)
- 継続費用(ランニングコスト)
- 【職業別】人材派遣にかかる平均単価
- 【地域別】人材派遣にかかる平均単価
- 希望条件を見直す
- 残業を減らす
人材派遣を利用する際に発生するコスト
人材派遣にはさまざまなコストが発生するため、まずはその構造を理解しておきましょう。人材派遣にかかる費用は大きく次の2つに分けられます。
- 初期費用(イニシャルコスト)
- 継続費用(ランニングコスト)
初期費用(イニシャルコスト)
初期費用(イニシャルコスト)とは、求人掲載費や採用担当の人件費など、採用にかかる諸経費のことです。ただし、人材派遣に関しては、派遣会社が採用を代行してくれるうえに、派遣会社との契約においても着手金などもないため、初期費用はほとんど発生しません。
採用コスト以外で初期費用が発生するとすれば、派遣社員が業務に使用するPCや制服などの備品の購入代などでしょう。ただし、これらの設備や備品がすでにある場合は、初期費用はほぼゼロといっても過言ではありません。そのため、正社員やアルバイトを雇うよりも格段に初期費用が抑えられます。
継続費用(ランニングコスト)
継続費用とは、雇用を継続するうえで必要な諸経費(給与など)のことを言います。人材派遣では、派遣社員と雇用契約を結ぶのは派遣会社です。派遣先企業は派遣会社と派遣契約を結び、毎月、派遣料金を支払います。人材派遣の場合は、この派遣料金が継続費用にあたります。
派遣料金のなかには派遣会社へのマージンも含まれているので、一般的に正社員よりも割高な継続費用がかかります。次項から派遣料金の内訳を解説するので、正社員よりも割高になる理由を見ていきましょう。
派遣会社に支払う「派遣料金」の内訳
一般社団法人 日本人材派遣協会によると、「派遣料金」の7割程度が派遣社員の給与で、3割が派遣会社へのマージンであると言われています。詳しい内容は次のとおりです。
- 派遣社員の給与
- 社会保険料
- 雇用保険料・労災保険料
- 教育訓練費・福利厚生費
- 派遣会社社員の人件費
- 派遣会社の営業利益
派遣された人材に対する給与やマージンなど、すべての費用が「派遣料金」として派遣会社から請求されます。また、上記のうち、派遣社員の給与以外の項目はマージンで賄われており、別途マージンが請求されることはありません。
人材派遣の利用で必ず発生するマージンとは
人材派遣でよく目にするマージンとは、派遣会社に支払う派遣料金に含まれている費用です。マージンのなかには次のような項目が含まれています。
- 雇用保険料・労災保険料
- 教育訓練費・福利厚生費
- 派遣会社社員の人件費
- 派遣会社の営業利益
マージンの平均は約30%と言われており、派遣会社はそのなかから派遣社員の教育訓練費や福利厚生費などを賄っています。マージンのなかには派遣会社の営業利益も含まれていますが、一般社団法人 日本人材派遣協会「派遣料金の構造」によると、その割合は1.2%とかなり低く設定されています。
そのため、マージン率が高いからといってぼったくっているわけではありません。また、マージンが適正利用されている派遣会社であれば、サポート体制が充実していることが見て取れるため、長くよい付き合いができる可能性が高くなります。ちなみにマージン率は「(派遣料金の平均額-派遣賃金の平均額)÷派遣料金の平均額×100」で計算できます。
派遣会社に払う金額の相場
厚生労働省が公開している「令和2年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、人材派遣にかかる1日(8時間換算)の派遣料金は24,203円です。そのうち派遣社員への給与である派遣賃金は15,590円となっています。
【職業別】人材派遣にかかる平均単価
人材派遣の平均単価は次のように職業によっても異なります。
職業 | 平均派遣料金 | 平均派遣賃金 |
---|---|---|
建築・土木・測量技術者 | 31,108円 | 19,873円 |
製造技術者 | 26,076円 | 16,476円 |
一般事務従事者 | 16,583円 | 11,297円 |
介護サービス職業従事者 | 14,973円 | 10,205円 |
接客・給仕職業従事者 | 14,249円 | 10,145円 |
参照:厚生労働省「令和2年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」
一般的に専門スキルや知識が必要になる職業ほど派遣賃金が高くなる傾向にあります。
【地域別】人材派遣にかかる平均単価
関東・東海・関西の三大エリアでの比較になりますが、地域別に人材派遣にかかる1日の平均単価は次のとおりです。
エリア | 平均派遣料金 | 平均派遣賃金 |
---|---|---|
関東 | 19,508円 | 13,656円 |
東海 | 16,422円 | 11,496円 |
関西 | 16,650円 | 11,655円 |
参照:リクルートジョブズ「2022年11月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査(三大都市圏)」
※平均派遣賃金は「時給×8時間」で算出
※平均派遣料金は「平均派遣賃金+マージン」で算出
パーソルキャリアが運営するdodaの調査によると関東は国内でも年収が高いエリアであるため、派遣にかかる平均単価も3エリアのなかで最も高くなっています。関西、東海の年収差は2万円ほどで、派遣料金・賃金においてもそれほど差はありません。
人材派遣にかかるコストを抑えるコツ
人材派遣にかかるコストを抑えるためには次のポイントを意識してみるとよいでしょう。
- 希望条件を見直す
- 残業を減らす
高度なスキル・知識を持つ人材は数が少ないため、派遣賃金も高くなります。そのため、人材の希望条件を見直すことで派遣料金を抑えられます。また、残業を減らせば派遣賃金も下がり、コストダウンに繋がります。
希望条件を見直す
スキルや知識の専門性が高い人材ほど、希少価値が高いため費用も高額になります。そのため、欲しい人材の希望条件を見直すのも一つの手です。企業としてはハイスペックな人材を手に入れたいのは分かりますが、スキルや知識に対して業務内容が追いついていない場合は宝の持ち腐れです。業務内容に対して本当に必要な条件を洗い出してみると、もともと希望していたレベルよりも下げてよいことが分かることもあるでしょう。
残業を減らす
派遣社員の残業代は、派遣料金の125%で算定されるため、正社員の残業代よりも高くなる傾向にあります。そのため、できるだけ派遣社員に残業をさせないことでコストを抑えられます。派遣社員の残業が多い場合は、時間がかかっている作業や無駄な業務の見直し、派遣社員でなくてもできる作業は自社社員に依頼するなど、業務内容の見直しを図りましょう。
まとめ
人材派遣の単価は職種や地域によって異なります。マージンが発生するため、一般的には直接雇用の社員よりもランニングコストが高くなる傾向にありますが、マージンには教育訓練費や福利厚生費など、企業が負担するはずだった費用が含まれています。そのため、場合によっては直接雇用よりも人件費をグッと抑えられるかもしれません。
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