【素材・形状別】梱包方法の種類10個|選び方や注意点を説明
梱包は、輸送時の衝撃から内容物を守るために必要不可欠なものです。梱包方法にはさまざまな種類があり、どの方法を採用すべきか悩んでいる方も多いでしょう。
そこで、本記事では素材別・形状別に梱包方法の種類について解説します。梱包方法の選び方や輸出時の注意点も説明しているため、ものを輸送する予定のある方はぜひ参考にしてください。
目次
- 木製梱包
- スチール梱包
- ダンボール梱包
- 密閉箱
- すかし梱包
- パレット梱包
- スキッド梱包
- バンドル梱包
- バリア梱包
- 緩衝梱包
- 輸送手段から選ぶ
- 梱包するものの性質から選ぶ
そもそも梱包とは
そもそも梱包とは、輸送時に内容物が傷つかないように、梱包材料や容器で包むことです。内容物や温度帯に応じて適切な梱包方法を選ぶことが求められます。
以下で梱包と混同されやすい用語をまとめました。
用語 | 説明 |
---|---|
包装 | 内容物を魅力的に見せるために包む。輸送を目的としていない。 |
個装 | 商品価値を高めるために、内容物を一つずつ包む。 |
内装 | 内容物を湿気や水・熱・衝撃から守るために包む。内部の包装。 |
外装 | 内容物を汚れや破損から守るために包む。外部の包装。 |
【素材別】梱包方法の種類
梱包方法を素材別に分けると、以下の3つです。それぞれメリット・デメリットが異なるため、以下の表で特徴を理解しておきましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
木製梱包 |
|
木枠による梱包では隙間から水やほこりが入る |
スチール梱包 |
|
木材より梱包コストが高い |
ダンボール梱包 | 軽量でありながら、強度が高い |
|
木製梱包
木製梱包とは木箱や木枠で梱包する方法です。
木箱で梱包する場合、水やほこりから内容物を保護できます。重量の大きな内容物に対応できるため、機械を送る際の梱包に最適です。
一方、木枠で梱包する場合、梱包に必要な材料が少ないことから梱包コストを抑えられます。木枠の隙間から内容物を確認できる魅力がある反面、隙間から水やほこりが入ることから、水やほこりに弱い内容物の輸送には向いていません。木箱と同様、重量の大きなものに対応可能です。
スチール梱包
スチール梱包とは、スチールで梱包する方法です。木材よりも強度が強いため、頑丈に梱包した場合に向いています。
木製梱包より容積を小さくできるため、物流コストを抑えられます。さらに、荷物の軽量化をおこなえる点がメリットです。しかし、梱包で使用するスチールは木材より高いことから、高い梱包コストが発生する点がデメリットといえます。
ダンボール梱包
ダンボール梱包とは、ダンボールで梱包する方法です。個人で荷物を郵送する際によく採用されるため、おなじみの方法ともいえます。
ダンボールは軽量でありながら、強度が高い点が魅力です。ダンボールの原紙を複数貼り合わせれば、一層のものよりもさらに強度を高められます。一方、水濡れに弱く、箱が変形しやすい点がデメリットです。
【形状別】梱包方法の種類
梱包方法を形状で分類すると、以下の7種類に分けられます。以下の表で、形状別のメリット・デメリットをまとめました。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
密閉箱 |
|
すかし梱包より材料が必要となる |
すかし梱包 | 梱包コストを抑えられる | 隙間から水が入りやすい |
パレット梱包 |
|
輸送先にフォークリフトがないと利用できない |
スキッド梱包 | 梱包コストを抑えられる | 荷物を上に積めない |
バンドル梱包 | 梱包コストを抑えられる | 輸送中にほかの荷物と接触する |
バリア梱包 |
|
定期的に乾燥材を交換する手間や費用がかかる |
緩衝梱包 | 荷物にかかる衝撃を緩和できる | 外容器だけではなく、緩衝材の費用もかかる |
密閉箱
密閉箱とは、木材やスチールで四方を固めた梱包方法です。
内容物が密閉されていることから、高い防水効果を期待できます。隙間から内容物を取り出せないことから、盗難防止にも効果的です。一方、すかし梱包よりも多くの梱包材料が必要になる点がデメリットといえます。
すかし梱包
すかし梱包とは、木材やスチールを網目状で梱包する方法です。
密閉箱よりも梱包に使用する材料が少なく、梱包コストを抑えられる点がメリットです。隙間から水が入ってしまうため、水に弱い内容物の輸送には向いていません。内容物をシートで包んでから梱包することで、ある程度水から保護することは可能です。
パレット梱包
パレット梱包とは、ダンボールなどで梱包した荷物をパレットに積み上げる方法です。パレットには木材やプラスチック・スチールなどさまざまな素材のものがあります。サイズにもさまざまものがありますが、一般的に使用されるサイズは1,100mm×1,100mmです。
パレット梱包では、形の異なる複数の荷物をひとまとめにします。同じ形の直方体として仕上げられるため、倉庫やトラック内に無駄な空間を作りません。また、一度に多くの荷物を積載できることから、積載にかかる時間を短縮できる点も魅力です。一方、輸送先にフォークリフトがない場合は利用できない点がデメリットといえます。
スキッド梱包
スキッド梱包とは、木材やスチール製の腰下の上に荷物を固定する梱包方法です。
箱のように荷物を囲わないため、梱包に必要な材料が少ない点がメリットです。一方、荷物を上に積めないことから、積載量が少ない点はデメリットといえます。一つの荷物がコンテナを満たすほど大きい場合の梱包に向いています。
バンドル梱包
バンドル梱包とは、バンドルのみで荷物を固定する梱包方法です。
梱包に使用するのはバンドルのみであり、梱包コストを削減できる点が魅力です。輸送中のほかの荷物との接触を避けられないことから、多少の衝撃では傷がつかないほどの頑丈な荷物である必要があります。
バリア梱包
バリア梱包とは、荷物をバリア材で梱包する方法です。荷物をバリア材で梱包した後、内部の空気や水分を排出して、乾燥材を同梱します。
荷物内の湿気が抑えられることから、内容物が錆びにくい点がメリットです。また、バリア材は柔らかい素材であることから、内容物のサイズや形に左右されない点も魅力となっています。
同梱する乾燥材の効果は永続的なものではないため、定期的な交換が必要です。バリア梱包で保管する期間が長いほど、乾燥材の交換費用がかかります。
緩衝梱包
緩衝梱包とは、容器内に緩衝材を入れる梱包方法です。代表的な緩衝材には、以下のようなものがあります。
- エアーキャップ
- エアー衝撃材
- バラ衝撃材
- 巻きダンボール
- ポリエチレンシート など
緩衝材には荷物にかかる衝撃を緩和する効果があり、輸送時の荷物の破損を防止できます。緩衝材によって衝撃吸収率は異なるため、内容物に応じたものを選びましょう。
なお、緩衝材のみでは荷物を梱包できず、外容器と併用する必要があります。外容器の費用に加えて、緩衝材の費用もかかる点がデメリットといえるでしょう。
梱包方法の選び方
さまざまな梱包方法から自分に合った方法を選ぶ場合、以下の点を意識することがおすすめです。
- 輸送手段から選ぶ
- 梱包するものの性質から選ぶ
輸送手段から選ぶ
輸送手段には、陸上輸送と海上輸送・航空輸送の3つがあります。
陸上輸送や海上輸送では、内容物が揺れに耐えられるように、耐衝撃性の高い梱包方法がおすすめです。海上輸送ではクレーンで動かされる場合があるため、陸上輸送よりもより耐衝撃性が求められます。湿気で内容物が錆びないような保護も必要です。
航空輸送の場合は、飛行機の最大重量内に抑える必要があります。軽さが魅力の梱包素材や手法のものを選びましょう。
梱包するものの性質から選ぶ
内容物は、頑丈なものから衝撃に弱いものまで、また湿気やほこりに弱いものもあります。使用する梱包材料や緩衝材の組み合わせによって、耐衝撃性や密封性は異なるため、内容物の性質に適した組み合わせを選びましょう。
輸出梱包をおこなう際の注意点
荷物の輸出には、船舶や航空機が使用されます。陸上輸送よりも内容物に衝撃がかかる場合があるため、衝撃に耐えられる梱包が必要です。
また、国によっては梱包材や緩衝材の素材に細かい制限が設けられています。たとえば、欧米や東南アジアに輸出する場合、梱包に使用する木材を加熱・薬剤処理をしておかなければなりません。あらかじめ輸出先国のルールを確認して、基準を満たす梱包方法を採用しましょう。
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まとめ
梱包方法にはさまざまな種類があり、それぞれメリット・デメリットは異なります。素材や形状によって耐衝撃性は異なるため、内容物の性質に応じて適切なものを選びましょう。また、輸出する国によって梱包に関する制限が設けられている場合があります。輸出する際は、輸出国先のルールを確認したうえで梱包方法を検討しましょう。
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