小売業の種類|職種ごとの仕事内容や向いている人材について解説
小売業と言われるのは主に百貨店やスーパーマーケット、コンビニエンスストア、専門店などで、商品を仕入れて消費者に販売をする業種です。
私たちの生活でも最も身近な業界で、普段から身近に接しているため、仕事として興味を持つ人も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは小売業の仕事内容や向いている人など、小売業で働く前に知っておきたいことをご紹介します。
目次
- 百貨店
- スーパーマーケット
- コンビニエンスストア
- 専門店
- 仕入・物流
- 販売
- 販売支援
- 百貨店に向いている人材の特徴
- スーパーマーケットに向いている人材の特徴
- コンビニエンスストアに向いている人材の特徴
- 専門店に向いている人材の特徴
小売業界の種類
一般的に小売業と呼ばれているものを大きく分けると、「百貨店」「コンビニエンスストア」「スーパーマーケット」、そして特定のジャンルの商品を扱う店舗は「専門店」として分類されます。
同じ小売業でも店舗形態によって特徴があるため、自分に合う店舗を見つけるためにもそれぞれの違いを知っておきましょう。
百貨店
小売業界がその存在を高めるきっかけとなったのが百貨店の登場です。
百貨店とは、たくさんの種類の商品を取り扱い、ジャンルごとに分けて、綺麗にディスプレイをして販売する大型の小売店のことを指します。「高島屋」や「三越伊勢丹」「そごう」などが有名です。
「デパート」とも呼ばれる百貨店は、老舗百貨店として知られている元呉服屋の「三越」が20世紀の初めに発した「デパートメント宣言」がきっかけとなりました。これを機に、小売業の近代化を一気に進めていったのが始まりです。
百貨店と大型スーパーマーケットの違いは、「日本百貨店協会」に加盟しており、「全国百貨店 共通商品券」の利用が可能かどうかも見分けるポイントとなります。
スーパーマーケット
1960年代の日本は高度経済成長期へと突入し、景気が上向きになりました。大量生産・大量消費の時代に登場したのがスーパーマーケットです。
スーパーマーケットでは「お客様が好みの商品を手に取り、レジで精算する」という今では当たり前の方法が用いられ、人件費などのコスト削減に役立ちました。
そして、1970年代にはダイエーが登場すると、スーパーマーケットの売上高は大手百貨店の三越を抜き、スーパーマーケットの黄金期がやってきたのです。
スーパーマーケットはさらに「総合スーパーマーケット(GMS)」と「大型スーパーマーケット(SM)」に分けられます。
今でも小売業の大手企業はスーパーマーケットから発展した企業が多く、身近なところでは「イオン」や「セブンアンドアイホールディングス」「ライフコーポレーション」等が全国展開されており有名です。
コンビニエンスストア
1990年代に入るとライフスタイルの多様化により、商品やサービスの細分化が進められるようになりました。
コンビニエンスストアには飲食料品を中心に日用雑貨やATM、コピー機、マルチメディア端末が設置されています。サービスが豊富なことから、コンビニエンスストアさえあれば日常生活で困ることは、ほとんどないと言えるでしょう。
経済産業省によるコンビニエンスストアの定義は「飲料食品を販売していること」「セルフサービスであること」「売り場面積が30㎡以上、250㎡未満であること」が要件です。
コンビニエンスストアの多くはフランチャイズ方式の全国チェーン展開をしており、店舗数が多いのは「セブンイレブン」「ファミリーマート」「ローソン」が上位に挙げられます。
専門店
専門店とは特定のジャンルの商品を扱う店舗で、大きく分類すると家電量販店やドラッグストア、ホームセンター等があり、衣服を販売するアパレル店も専門店に分類されます。
専門店の中には製品の企画から製造・販売までを行う製造小売業もあり、消費者の多様なニーズに応え、製造小売業は全国チェーン展開をしている企業も多いのが特徴です。
専門店は種類が多く、生き残るのは商品のラインアップの拡充や顧客層の拡大がポイントとなります。今後、専門店各社の成長に向けた取り組みが重要課題だと言えるでしょう。
専門店で知られているのは、電化製品では「ヤマダ電機」「ヨドバシカメラ」、ドラッグストアでは「マツモトキヨシ」「ツルハドラッグ」、アパレルでは「ユニクロ」が有名です。
小売業の職種ごとの仕事内容
小売業の仕事は接客やレジの販売の業務だけではありません。
店舗にてスムーズに商品を販売するためには、いくつかの職種に分かれて、それぞれが業務を担当します。
仕入・物流
小売業にて仕入れや物流に関連する職種は「バイヤー」と「在庫管理」「物流」です。
・バイヤー
店舗で取り扱う商品の買い付けをするのが主な仕事ですが、消費者のニーズとトレンドを意識しながら売れる商品を買い付けるため、「目利き」と言われている重要な業務のひとつです。
・在庫管理
店舗で取り扱う商品がどれぐらいの量があるのか、在庫数を確認するために棚卸しや入庫・出庫のカウントを行います。
・物流
商品が消費者の元へと届けられる流れが物流です。具体的には、生産元から倉庫へ、そして店舗までの輸送の他に、倉庫での保管や輸送に必要な梱包も含まれます。
販売
小売業にて販売業務になるのは「店長」「店舗運営」「マネージャー」です。
・店長
店長職は店舗を統括する責任者です。業務内容は従業員の採用や育成、シフト管理の他に予算や売上の管理などがあり、マーケットスキルやコミュニケーションスキルが求められます。
・店舗運営
店舗全体の運営やマネジメントを行います。業務内容は店舗のレイアウトや陳列などの店舗づくりや、接客業務、店舗全体の売上を管理して戦略を立てるなどが主な業務です。店舗を経営していくために欠かせない業務を担います。
・マネージャー
店長よりも上の役職で、店舗の売上や顧客満足度の維持や向上のためにコンサルティング業務を行います。店舗と本社を行き来していることが多く、近隣の店舗をまとめるエリアマネージャーは担当エリアの売上アップを目指し、在庫管理や店舗管理をするのが業務です。
販売支援
販売支援は商品の販促を支援することです。
・販売促進
消費者が商品を購入するきっかけを作ることで「セールスプロモーション」と呼ばれています。販売促進の方法には、チラシや店頭POPを使った「オフラインチャンネル」と、HPやSNSや動画広告等を使った「オンラインチャンネル」の2種類があります。
・店舗企画
店舗を色々な側面から見て収益が上がるような店舗になるようにプランニングをするのが業務です。
・運営企画
市場のニーズの分析や競合店の調査をもとに中長期的な運営計画を立案する、いわば「店舗の舵取り」のような存在です。
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【種類別】向いている人材の特徴
小売業には種類があり、それぞれに特徴があることがわかりました。次は、それぞれの職種ごとに向いている人の特徴をみてみましょう。
百貨店に向いている人材の特徴
百貨店にはクオリティーが高く、今の時代に必要とされている商品がたくさん並びます。
そのため、流行やトレンドを理解して、「お客様が何を求めているのか」「次にどんなものが流行をするのか」と言った情報を先取りできる人が有利です。
また、一流の商品を扱うため、一流のサービスが求められます。
丁寧で、「お客様のために」と言うホスピタリティを持って仕事に取り組める人は、一流のサービスが提供できると考えられます。
スーパーマーケットに向いている人材の特徴
スーパーマーケットで取り扱う商品の7割は食品です。
食品は人が口の中にいれるものなので、商品の衛生面での管理や知識は必要です。そのため、綺麗好きで衛生的な知識などを持っている人は向いていると言えるでしょう。
また、多くの人が訪れるスーパーマーケットではお客様との良好なコミュニケーションを求められるので、人と接するのが好きな人や面倒見が良い人が向いていると言えます。
コンビニエンスストアに向いている人材の特徴
コンビニエンスストアではレジ業務だけではなく、公共料金などの支払いや、郵便物の受取や引き渡しなどの業務があり、他にもPOS操作や電子マネーの使い方も覚えなければいけません。
このように多種多様なサービスを取り扱うコンビニエンスストアで働くなら、色々なことに興味がありチャレンジしたい人が向いています。
また、コンビニエンスストアではレジでの仕事の他に商品の搬入や陳列などの仕事もあり、仕事量が多いため段取りがよくてテキパキと仕事をこなせる人におすすめです。
専門店に向いている人材の特徴
専門店には特定のジャンルの製品がたくさんあり、消費者はそれを求めて来店をし、老若男女問わず幅広い層の人が来店します。
そのため、マニュアル通りの接客では上手くいかず、臨機応変な対応が求められます。
消費者は特定のジャンルの商品を求めて来店されるため、他の小売業に比べると商品についての質問をされることが多いので、人と接することが好きな人やコミュニケーションスキルが高い人は向いています。
小売業界は人手不足が深刻化
小売業が抱えている問題には「モノが売れない」「消費者行動の変化」「人手不足」の3つが挙げられています。
最近ではネットショッピングやECサイトで購入する人が増加し、実店舗で買い物する人は減少傾向です。しかし、2022年11月に政府が発表をした「商業動態統計速報」によると、小売業販売額が過去3ヵ月に比べると上昇しており、持ち直していることがわかります。
そして、最も深刻な問題は人手不足です。小売業は求人の応募率の低さと離職率の高さによって人材確保が難しい業界で、慢性的な人手不足によりギリギリの人数で現場を回している店舗が多く、それが労働条件に悪影響を及ぼしているのです。そのため小売業は「ブラック企業」のイメージが広がり、更なる人手不足を招いています。
人手不足に関する詳細はこちらをご覧ください。
人材派遣・紹介会社に外注できる業務内容
こうした小売業の人手不足を解消させるには人材派遣・紹介会社に一部業務を外注する方法があります。
人材派遣会社を利用すれば、 採用コストや労務管理業務の負担が軽減されて、常駐スタッフだけでなく、必要な時間や繁忙期の労働力を得ることが可能です。ここでは、どのような業務を外注できるのか一例を紹介します。
種類 | 業務内容 |
---|---|
百貨店 | ・販売(レジ業務、商品陳列、バックヤード業務)
・運営(販売促進、労務管理、人材配置) |
スーパーマーケット・コンビニエンスストア | ・販売(POSレジ対応、商品陳列、商品管理業務、バックヤード業務、商品管理業務、チラシ配布、CSチェックなど)
・運営(販売促進、販売管理、労務管理) |
そのほか小売 | 家電販売員、携帯ショップ店員、キャンペーンスタッフ、カードの加入促進、販売トレーナー |
まとめ
小売業は私たちの日常生活に密接している業種です。ここ数年は新型コロナウイルスの影響により、外出自粛などの行動制限が行われたことで来店客が激減して、売上が減少するなどの影響を受けました。
しかし、最近では売上が徐々に回復の兆しを見せていますが、コロナ禍の影響で多くのスタッフが退職を余儀なくされており、人手不足が深刻です。
フルキャストでは百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、その他の専門店など様々な店舗に人材手配が可能です。小売業経験者が多数在籍おり、販売スタッフやレジ周辺業務の他に、店舗運営管理業務を行うスタッフも手配が可能ですので、店舗の人手不足解消にお役立てください。
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