紹介予定派遣の手数料相場をタイミング別に紹介!変動の要因や注意点も解説
直接雇用を前提として、派遣労働者を派遣する形態を紹介予定派遣といいます。一般的な派遣と異なる条件がいくつかありますが、手数料もその中のひとつです。では、どのように手数料が決定されるのでしょうか。
この記事では、紹介予定派遣の手数料の計算方法と相場、一般的な派遣や無期雇用派遣、紹介予定派遣との違い、手数料に関連する注意点について解説します。
目次
- 派遣期間中にかかる手数料
- 採用決定時にかかる手数料
- 一般的な派遣とは
- 一般的な派遣の手数料相場
- 無期雇用派遣とは
- 無期雇用派遣の手数料相場
- 人材紹介とは
- 人材紹介の手数料相場
- 抵触日はいつ?明示の必要はある?
- 有給休暇の付与はいつから?
- 人材紹介との違いは?
紹介予定派遣とは
紹介予定派遣とは、最長6ヵ月の派遣期間中に派遣先と派遣労働者が合意をし、最終的に正社員や契約社員などの直接雇用に切り替える前提で派遣労働者を依頼する形態のことです。
一般的な派遣との違いは、以下の表をご覧ください。
【紹介予定派遣と派遣の違い】
紹介予定派遣 | 派遣 | |
---|---|---|
直接雇用 | 前提としている | 前提としていない |
事前面談 | あり | なし |
派遣期間 | 最長6カ月 | 最長3年が原則 |
紹介予定派遣は直接雇用を前提としているため、派遣前の事前面談が可能です。一方で一般的な派遣はこれらが禁止されていますが、原則として同じ職場で働けるのは3年以内です。
紹介予定派遣の派遣期間が短い理由は、この6ヵ月間は試用期間と同じ扱いにされているためです。また、派遣先、派遣労働者、派遣会社が合意すれば、6ヵ月の派遣期間満了を待たずに、派遣労働者を直接雇用へ切り替えられます。
紹介予定派遣を活用するメリットや注意点に関して詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
紹介予定派遣の料金の手数料相場
紹介予定派遣の手数料は、以下の2つのタイミングで発生します。
- 派遣期間中
- 採用決定時
それぞれ詳しく見ていきましょう。
派遣期間中にかかる手数料
派遣期間中にかかる手数料(マージン率)の割合は、以下の計算式で算出されます。
手数料の割合は派遣会社によって異なるため、契約の際に確認するようにしてください。
採用決定時にかかる手数料
採用が決定した場合にも手数料が発生します。手数料は一般的に理論年収の15~30%といわれていますが、この記事では30%で算出するものとします。計算式は次のとおりです。
理論年収とは、年度初めから年度末まで在籍した場合に企業が支払う年収のことを指します。月次で支払う給与はもちろん、賞与などもすべて含んだ形で算出します。
たとえば理論年収が400万円の場合の紹介予定派遣の手数料は、400万円×30%=120万円です。自社で採用活動をおこなう際とそれほど大きく金額は変わらない企業も多いでしょう。なお、この手数料は派遣会社次第で引き下げることもできます。詳しくは次章で解説します。
紹介予定派遣の手数料は派遣期間で変動する
紹介予定派遣の手数料は、直接雇用に切り替わる際の紹介手数料であり、派遣会社によって変動します。派遣期間が短いほど手数料率は高くなり、逆に長ければ手数料は徐々に引き下げられる場合があります。つまり企業側からすれば、短期間でその人物を採用するか否かを決定した方が、支払う手数料が少なくなる可能性があるということです。
紹介予定派遣と一般的な派遣の違いは?
紹介予定派遣 | 一般的な派遣 | |
直接雇用 | 直接雇用が前提 | 直接雇用を前提としない |
派遣期間 | 最長6ヵ月(短縮可能) | 原則として3年以内 |
雇用主 | 派遣期間中は派遣会社、直接雇用後は派遣先企業 | 派遣会社 |
手数料 | 派遣期間中と採用決定時に発生 | 派遣期間中は発生 |
一般的な派遣とは
一般的な派遣の手数料相場
紹介予定派遣と無期雇用派遣の違いは?
紹介予定派遣 | 無期雇用派遣 | |
直接雇用 | 直接雇用が前提 | 直接雇用を前提としない |
雇用主 | 派遣期間中は派遣会社、直接雇用後は派遣先企業 | 派遣会社(無期雇用) |
手数料 | 派遣期間中と採用決定時に発生 | 派遣期間中は発生 |
無期雇用派遣とは
無期雇用派遣の手数料相場
紹介予定派遣と人材紹介の違いは?
紹介予定派遣 | 人材紹介 | |
直接雇用 | 直接雇用が前提 | 直接雇用を前提 |
派遣期間 | 最長6ヵ月(短縮可能) | なし |
雇用主 | 派遣期間中は派遣会社、直接雇用後は派遣先企業 | 直接雇用する企業 |
手数料 | 派遣期間中と採用決定時に発生 | 採用決定時に発生 |
人材紹介とは
人材紹介の手数料相場
紹介予定派遣の手数料に関する注意点
紹介予定派遣の手数料とよく比較されるのが、人材紹介に対する手数料です。紹介予定派遣は労働者派遣+職業紹介であり、派遣期間中は派遣料金がかかり、直接雇用される際には職業紹介における紹介手数料がかかります。
一方で人材紹介の手数料は、実際に採用しなければ手数料が発生しませんが、採用決定後の手数料はやや高めに設定されており、どちらを使うかは企業の判断によるでしょう。なお、紹介予定派遣の手数料は、該当の労働者が早期退職しても返金されないことがほとんどです。
紹介予定派遣に関するよくある質問
抵触日はいつ?明示の必要はある?
抵触日とは、通常の人材派遣の3年間の制限を超えた翌日のことです。紹介予定派遣の派遣期間は最長6ヵ月間で延長できず、同じ組織内で引き続き働くことはできません。
また抵触日は、派遣労働者個人単位と事業所単位それぞれに設けられています。個人単位の派遣期間制限では、「派遣社員が同一の組織で働くことができる期間は3年が限度」と定められており、その派遣期間制限が切れた翌日が個人単位の抵触日となります。事業所単位の派遣期間制限では、「派遣先の同一の事業所で、派遣スタッフを受け入れることができる期間は3年が限度」と定められており、その制限が切れた翌日が事業所単位の抵触日となります。派遣会社は派遣労働者に抵触日を明示する必要があります。
有給休暇の付与はいつから?
紹介予定派遣の労働者に対している有給休暇が付与されるのは、直接雇用に切り替えて6ヵ月が経過した後です。また、6ヵ月間の勤務の中で8割以上出勤するという条件が付いている点にも注意が必要です。一般的には派遣期間は年数に含まれない点に注意しましょう。
人材紹介との違いは?
人材紹介とは、企業が求める求人条件に基づいて人材を紹介するしくみです。紹介予定派遣との違いは、企業にマッチしているかどうかを見極めるためには採用しなければならない点です。また手数料の支払方式も異なるため、企業も就業者も双方が希望を満たしているかを採用前に確認したい場合は紹介予定派遣を、すぐに雇用したいのであれば人材紹介を活用すると良いでしょう。
まとめ
手数料は紹介予定派遣でも人材紹介でも発生します。総合的に見ると自社で採用活動をしてもあまりコストが変わらないと映るかもしれませんが、企業側としては派遣期間中に就業者の適性を見極められることや、就業者も職場の雰囲気や仕事内容を確認できるのは紹介予定派遣ならではの強みです。自社採用と並行しつつ紹介予定派遣を活用することもできるため、一度試してみる価値はあるでしょう。
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