運送業の運転手はアルバイトでも採用できる?雇用形態について紹介
運送業で人材の採用を検討している事業所のなかには、運転手のアルバイト採用を考えているところもあるのではないでしょうか。正社員を雇用すると人件費がかさむため、シフトで調整のしやすいアルバイトを雇用したいと思う人もいるでしょう。
本記事では運転手をアルバイトとして採用する場合の注意点や、アルバイト以外の雇用方法について解説していきます。それぞれの雇用方法にメリット・デメリットがあるため、人材を確保する際の参考にしてください。
目次
- 派遣の特徴
- 契約社員の特徴
- 請負の特徴
- 正社員の特徴
- アルバイト・パートの特徴
- 週20時間以上であれば雇用保険の加入が必要
- 運転手として雇う場合は2ヶ月を超える雇用期間が必要
運送業の運転手はアルバイトでも採用できる?
結論として、運転手はアルバイトでも採用できます。しかし運送業でトラックなどの運転手を雇用する場合は、以下の条件に注意する必要があります。
【運送業の運転手に関する条件】
(貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条) |
貨物自動車運送事業輸送安全規則では、事業用自動車の運転者は「常時選任された者」でなければいけないと定められているからです。つまり運送業の運転手は2ヶ月を超える(3ヶ月以上)期間の契約であれば、どんな雇用方法でも採用することができます。
運輸業の運転手の雇用の種類
運輸業の運転手は、以下の方法により雇用することができます。
雇用方法 | 派遣 | 契約社員 | 請負 | 正社員 | アルバイト・パート |
---|---|---|---|---|---|
雇用形態 | 間接雇用 | 直接雇用 | 間接雇用 | 直接雇用 | 直接雇用 |
雇用主 | 派遣会社 | 企業 | 請負会社 | 企業 | 企業 |
契約先 | 派遣会社 | 個人 | 個人 | 個人 | 個人 |
給料 | 時給 | 時給 | 対価 | 月給 | 時給 |
契約期間 | 有期 | 有期 | 無期 | 無期 | 有期 |
ここからは、それぞれの雇用方法の特徴やメリット・デメリットについて解説します。
派遣の特徴
派遣会社に依頼して運転手を自社に派遣してもらう方法です。派遣された運転手は企業で雇用するのではなく派遣会社により雇用されているため、給与の支払いや社会保険への加入などは派遣会社を通じて行われます。業務中の指示については自社の社員と同じように行えます。
運転手の派遣を依頼するメリットは以下のとおりです。
【派遣を依頼するメリット】
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運転手の派遣を依頼するメリットは、採用コストがおさえられる点や繁忙期のみの採用が可能になることです。運転手が必要な時期にだけ採用できるため、企業の負担なく人材を確保することができます。
運転手の派遣を依頼するデメリットは以下のとおりです。
【派遣を依頼するデメリット】
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派遣を依頼する場合は契約期間に注意が必要です。運転手を依頼する場合は、2ヶ月以上3年未満の契約期間が前提になるからです。ただし紹介予定派遣で受け入れる場合は、いずれ派遣労働者を正社員として雇用できます。
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契約社員の特徴
期間に定めのある労働契約を行った場合は、正社員ではなく契約社員として雇用することになります。契約期間については半年や1年としている企業が多く、契約条件について雇用主と労働者の両方が合意した場合のみ契約が更新されます。
契約社員のメリットは以下のとおりです。
【契約社員のメリット】
|
契約社員として雇用することにより、企業の業績や従業員数などにあわせて雇用の調整が行いやすくなります。また契約社員であれば企業との相性や仕事ぶりが確認できるため、正社員として雇用すべきかを慎重に検討することも可能です。
契約社員のデメリットは以下のとおりです。
【契約社員のデメリット】
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契約社員を雇用する場合は、正社員としての採用を希望するか確認しておくといいでしょう。事前に確認しておかなければ、契約の延長を断られてしまうかもしれないからです。
請負の特徴
仕事の完成を目的として業務を発注する方法です。契約は雇用主と個人事業主の間で結ぶため労働の対価として「給与」を支払うのではなく、仕事の成果に対して「報酬」を支払うことになります。運送業でいうと、企業における役員の送迎などが当てはまります。
請負のメリットは以下のとおりです。
【請負のメリット】
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即戦力が必要な場合や自社で車両が不足しているような場合は、請負契約を依頼するとよいでしょう。請負労働者の多くは独立した個人事業主であるため自分で業務に必要なものは揃えている場合が多く、繁忙期でもすぐに仕事を依頼できるからです。
請負のデメリットは以下のとおりです。
【請負のデメリット】
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ただし請負では、雇用主が労働者に対して指揮命令を行うことはできません。請負労働者に対して作業工程を指示した場合は偽装請負に該当するため、請負契約ではなく労働者派遣契約が適用されるからです。
運送業で請負契約を依頼する場合は商品の引き渡しが仕事の成果に該当するため、ルートや作業工程を指示することはできません。
正社員の特徴
契約期間に定めを設けずに雇用する場合は正社員として採用することになります。正社員として雇用する場合は、企業への将来的な貢献度を見込
正社員のメリットは以下のとおりです。
【正社員のメリット】
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自社の幹部候補を育成したい場合や優秀な人材を確保しておきたい場合は、正社員として雇用するとよいでしょう。正社員として雇用する場合は終身雇用が前提となるため、長期的な視野で人材と向き合うことができるからです。
一方の正社員のデメリットは以下のとおりです。
【正社員のデメリット】
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ただし正社員を雇用する場合は人件費や福利厚生費が負担となる場合があります。また簡単に解雇できないため採用は慎重に行いましょう。中途採用を行うのであれば、まず契約社員として採用する方法もあります。
アルバイト・パートの特徴
正社員と比較して1週間の労働時間が短い労働者のことをアルバイト・パートといいます。アルバイト・パートと呼ばれていますが、労働時間が短い以外は契約社員と同様の雇用形態となります。
アルバイト・パートのメリットは以下のとおりです。
【アルバイト・パートのメリット】
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アルバイト・パートを雇用することにより忙しい時間帯だけ働いてもらうことができるため、人件費が抑えられるだけでなく業務効率化の向上が見込めます。
また労働時間が決まっているわけではないため、繁忙期には多く出勤してもらい閑散期は必要最低限の出勤にとどめてもらうなど、労働者との交渉により雇用調整が行えるメリットもあります。
アルバイト・パートのデメリットは以下のとおりです。
【アルバイト・パートのデメリット】
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ただし、アルバイトやパートを雇用する場合は、従業員の入れ替わりが激しくなりやすいことに注意しましょう。ライフサイクルの変化によって退職者が増えるタイミングなどもあるので、新しい人材を雇用する度に育成が必要になります。
アルバイトで運送業の運転手を採用する時の注意点
アルバイトで運送業の運転手を採用する時の注意点は以下のとおりです。
- 週20時間以上であれば雇用保険の加入が必要
- 運転手として雇う場合は2ヶ月を超える雇用期間が必要
週20時間以上であれば雇用保険の加入が必要
アルバイトでも週の労働時間が20時間を超える場合や雇用期間が31日以上である場合は、雇用保険への加入が必要となります。また従業員数が101人以上いる場合は、社会保険への加入義務が生じる場合があります。
雇用保険および社会保険への加入条件は以下のとおりです。
雇用保険の加入条件 | 社会保険の加入条件 |
---|---|
以下のすべてに該当する場合
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以下のすべてに該当する場合
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ただし、雇用した労働者が副業として働いていて他に本業がある場合は、二重加入になるため雇用保険や社会保険に加入する必要はありません。
運転手として雇う場合は2ヶ月を超える雇用期間が必要
冒頭でも解説しましたが、運転手を雇用する場合は契約期間に注意が必要です。30日以内の日雇い派遣は禁止されているほか、2ヶ月以内の期間付き雇用でも緑ナンバーのトラックなどを運転させることはできません。
条件を満たしていない者に運転を指示してしまうと法律違反となり、警告や日車処分等の行政処分を受けることになる恐れもあります。処分を受けて使用できる車両が減ると業務に支障をきたすため、法律に反しないよう社内周知を徹底させておくことが必要です。
まとめ
運輸業の運転手は正社員だけでなくアルバイトや派遣、請負契約などにより採用することができます。ただし自社で採用する場合は雇用契約書や社会保険、税金関係の手続きを行う必要があります。日々の業務で忙しく、できるだけ採用に関する事務手続きを減らしたい場合は、派遣会社を通じて間接雇用で受け入れるとよいのではないでしょうか。
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