【保存版】外国人アルバイトを採用する際のメリットや注意点は?採用までの流れや在留資格を解説
外国人のアルバイトを採用する際には、気をつけなければならない点があることをご存知でしょうか。
日本人の採用と同じルールで問題ない場合もあれば、外国人アルバイトを雇用する場合にのみ適用される法律もあります。正しく把握していないと、気づかぬうちに法律違反になってしまう恐れもあるのです。
この記事では、外国人アルバイトを採用する際の注意点と雇用するまでの流れ、雇用する際の手続きについて詳しく解説します。
目次
- 海外に対するアピールができる
- 人手不足の解消
- 職場に刺激を与える
- 在留資格を持っているか
- 日本語でコミュニケーションできるか
- 外国人が働ける業種か
- 規定の勤務時間を超えないか
- 雇用保険に加入する場合
- 雇用保険に加入しない場合
- 「就労ビザ」と「ビザ」の違い
- 在留資格の種類
- 条件付きで就労可能な在留資格
外国人アルバイトを採用するメリット
外国人アルバイトを採用するメリットは以下のとおりです。
- 海外に対するアピールができる
- 人手不足の解消
- 職場に刺激を与える
上記のメリットを順番に解説します。
また、外国人労働者を採用するメリットを詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
外国人労働者を採用するメリットとは?受け入れ方法やデメリットについても解説
海外に対するアピールができる
業種にもよりますが、外国人アルバイトを採用することで海外向けへのアピールにつながる可能性があります。
たとえば、接客業で外国人アルバイトを採用したことで、外国人のお客さまが安心して利用できる事例があるため、業種やお客さまなどにあわせて採用を検討してみましょう。
人手不足の解消
業種にもよりますが、国内での人材確保が難しくなっているケースが多いです。
外国人アルバイトの採用によって、技術力や経験を有している労働者が確保できる可能性があります。人手不足で悩んでいる企業は、外国人アルバイトの確保も選択肢に加えてみると良いです。
職場に刺激を与える
外国人アルバイトの採用は職場に大きな変化を与える可能性があります。
文化や言語の違う外国人アルバイトとコミュニケーションを取ることで、作業の効率化や問題点などを考えるきっかけとなるため、職場に刺激を与えたいと考えている方は採用を検討してみましょう。
最近は、外国人の派遣サービスもありますので、気になる方は以下をご覧ください。
外国人労働者の数は増えている
厚生労働省が発表している「「外国人雇用状況」の届出状況【概要版】(西暦2023年10月末時点)」によれば、外国人労働者数は約204万人で、過去最高を記録しました※1。
前年増加率は12.4%と高く、外国人労働者の数は年々増加傾向にあるといえます。
外国人を雇用する事業所も過去最高を更新しており、人手不足の解消として外国人アルバイトの採用は一般的です。
外国人アルバイトを採用するときの注意点
外国人のアルバイトを採用する上で注意しておきたいポイントはいくつか存在します。その中でもとくに注意しなければならないものは以下の4つです。
- 在留資格を持っているか
- 日本語でコミュニケーションできるか
- 外国人が働ける業種か
- 規定の労働時間を超えないか
それぞれ詳しく解説します。
在留資格を持っているか
在留カードには在留資格を記載する欄が設けられており、そちらを確認することで就労可能かどうかの判断ができます。アルバイトが認められているおもな在留資格は以下のとおりです。
- 永住者
- 永住者の配偶者等
- 日本人の配偶者等
- 定住者
- 技術・人文知識・国際業務
- 技能
上記のうち、一部制限がかかっている在留資格も存在するため注意が必要です。
日本語でコミュニケーションできるか
日本語でのコミュニケーションができるかも、外国人アルバイトを採用するにあたって注意しておきたいポイントです。日本語でのコミュニケーションができないと、周りの同僚や上司のいっていることが理解できず、仕事ができなくなってしまうためです。
また、接客の場合も同様で、顧客満足度を下げてしまう可能性もあります。日本語能力は日本語能力検定試験などの資格を有しているかなどで判断できます。面接の際に確認するようにしましょう。
外国人が働ける業種か
外国人が働ける業種かどうかを確認する必要もあります。先述の在留資格と共通しますが、外国人には労働に対して条件が設けられている場合があります。これを職種制限といいます。
禁止されているものは風俗営業です。具体的にはパチンコやゲームセンター、麻雀などのアミューズメント、キャバレーやスナックを始めとする業種です。これらの業種ではキッチンなどの裏方はもちろん、ティッシュ配りなどの業種に直接関係ない仕事も該当します。
規定の勤務時間を超えないか
外国人には在留資格に応じて、アルバイト勤務できる時間が設けられています。
たとえば、資格外活動の許可を得ている場合、週28時間以内でのアルバイトが認められています。しかし学則で決まっている長期休業期間、具体的には夏休みなどの期間中であれば、日本人と同じく労働基準法により、週40時間が上限となります。
こちらの上限も在留資格に依存するため、採用面接時に在留カードを確認させてもらうようにしてください。
外国人アルバイトを雇う流れ
外国人アルバイトを雇う流れは、日本人アルバイトを雇う際と同じです。応募してきた労働者に対して面接を実施し、採用の可否を決定します。
異なる点があるとすれば、在留資格の確認と日本語能力のチェックです。日本でアルバイトを雇用する際の資格の有無と同じような流れになることが多いため、特別労力がかかるということはありません。
外国人アルバイトを雇用するときの手続き
外国人アルバイトを雇用する際とアルバイトが離職する際には、ハローワークに雇用保険の届出をしなければなりません。ただし、これは外国人アルバイトの持つ条件によって左右されるため、全員が該当するわけではないのです。では、どのような際に届出が必要なのか、どのような手続きが必要なのかを詳しく見ていきましょう。
雇用保険に加入する場合
雇用保険の届出が必要な場合は、以下の項目に沿ってハローワークに届出しましょう。
使用する様式 | 雇用保険被保険者資格取得届 |
---|---|
届出事項 | ①氏名
②在留資格 ③在留期間 ④生年月日 ⑤性別 ⑥国籍・地域 ⑦資格外活動許可の有無 ⑧在留カード番号 ⑨雇入れに係る事業所の名称および所在地 など |
届出先 | 事業所を管轄するハローワーク |
届け出期限 | 雇用保険被保険者資格取得届の提出期限と同じ |
外国人アルバイトが離職する場合は、雇用保険被保険者資格喪失届を、事業所を管轄するハローワークに提出します。
雇用保険に加入しない場合
外国人アルバイトが雇用保険に加入しない場合は、外国人雇用状況届出書<様式第3号>の提出が必要です。詳細は以下のとおりです。
使用する様式 | 外国人雇用状況届出書<様式第3号> |
---|---|
届出事項 | ①氏名
②在留資格 ③在留期間 ④生年月日 ⑤性別 ⑥国籍・地域 ⑦資格外活動許可の有無 ⑧在留カード番号 ⑨雇入れまたは離職年月日 ⑩雇入れまたは離職に係る事業所の名称、所在地 など |
届出先 | 当該外国人が勤務する事業者施設の住所を管轄するハローワーク |
届け出期限 | 雇用時・離職時共に翌月末日まで |
書類は厚生労働省のウェブサイトからダウンロードできます。忘れずに提出するようにしてください。
在留資格とは
在留資格とは、外国人が日本に滞在している間の活動と地位を補償する法的な資格のことです。在留資格は入管法で分類分けされており、平成27年4月以降33種類の区分があります。
「就労ビザ」と「ビザ」の違い
在留資格は別名就労ビザといい、日本で働く資格を持っていることを証明する資格です。混同されるものにビザがありますが、就労ビザとビザは別物です。
ビザは入国に問題がないと判断した場合に発給される証明書であり、身元審査を通過したことを証明するものに過ぎません。ビザそのものに就労資格を保証する権限はないため、パスポートだけを確認するのではなく在留カードを確認するようにしてください。
在留資格の種類
在留資格は大きく分けて以下2つに分類されます。
- 居住資格:永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者
- 活動資格:外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習、文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在、特定活動
大きな違いは活動内容で、一覧にまとめると以下のとおりとなります。
資格名称 | 就労可否 | |
---|---|---|
居住資格 | 定住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等 | 制限なし |
活動資格 | 外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習、特定活動 | 制限あり |
文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在 | 原則禁止 |
上記のとおり、滞在中に就労できる資格とそうでない資格がわかれています。また、就労に制限がかかっているものの、就労そのものに問題がないケースもあります。上記の表を参考にして、就労に問題がない在留資格を有しているかどうかを判断しましょう。
条件付きで就労可能な在留資格
前章で一覧化した資格の中で、以下の3種類は「資格外活動の許可」を 受けることで、法律の範囲内での就労が可能になります。
- 文化活動
- 留学
- 家族滞在
上記の3種類の在留資格を有している外国人アルバイトが応募してきた場合は「資格外活動の許可」を受けているか確認しましょう。
在留資格を持っていない外国人を雇用した場合の罰則
在留資格を持っていない外国人を雇用した場合、雇用主は不法就労助長罪に問われて3年以下の懲役、または300万円以下の罰金に処される可能性があります。
採用した外国人が集団密航者や不法就労者と知らずに採用したケースだけでなく、在留資格の活動範囲外の業務を任せてしまったような、故意ではないケースでも問われてしまう可能性があるため注意が必要です。
外国人アルバイトの採用はメリットもあるが、注意すべきポイントもあると覚えておきましょう。
まとめ
外国人アルバイトの採用は海外へのアピールや人手不足の解消、職場への刺激などのメリットがあります。
ただし、外国人アルバイトの採用にはいくつか注意すべきポイントがあり、もっとも大切なのが在留資格です。
注意すべきポイントを怠ってしまうと、雇用主は不法就労助長罪に問われてしまうので、面接時に在留カードをチェックして、就労に問題がないかどうかを確認するようにしてください。
また、採用時・離職時のハローワークへの届出も忘れないようにしましょう。
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