外国人の人材派遣を利用するメリット・デメリット|おすすめ人材派遣会社5選
日本での外国人労働者は毎年増加しています。2022年10月末現在の外国人労働者数は182万人あまりで、前年度比9万5,000人の増加、4年前の2018年に比べ36万人強、率にして24%以上の増加です。今後も外国人労働者の需要は年々高まっていくとみられます。
本記事では、外国人を人材派遣するメリットおよびデメリットについて解説します。外国人派遣労働者の受け入れを検討している人事担当者はぜひ最後までお読みください。
目次
- コストを抑えられる
- 語学力が期待できる
- 日本人とは違う視点を持っている
- 文化や常識の違いがネックになることも
- 長期雇用に繋がりにくい
- 在留資格があるか確認
- 外国人雇用状況の届出を提出
- フルキャストグローバル
- グローバルパワー
- ランスタッド
- テンプスタッフ
- アデコ
外国人の人材派遣を利用するメリット
外国人の人材派遣を利用するメリットとして次の3点があります。
- コストを抑えられる
- 語学力が期待できる
- 日本人とは違う視点を持っている
それぞれ説明します。
コストを抑えられる
日本では、近年さまざまな業種で人材不足が表面化しています。
企業が募集しても応募がなかったり、期待した人材が集まらなかったりで、思うような成果が出ないケースも多いです。募集期間を延長するなどして求人を続けたとしても、結果的に人材確保のためのコストがかかり、収益を圧迫しかねません。
外国人派遣労働者を受け入れると、求職者数が増えることが期待できます。また外国人に就労してもらうことで、国あるいは自治体から助成金が出る場合もあります。今まで日本人のみの雇用で考えていた企業は、外国人労働者を選択肢の一つに加えてはいかがでしょうか。
語学力が期待できる
さまざまな外国人労働者を採用することで、多言語対応が可能になり、語学力が期待できます。他社との会議や交渉などで外国人と応対する場合、ニュアンスが異なって伝わってしまうケースなどがあります。外国人労働者が在籍することで、そのような場面でもコミュニケーションが円滑に行われるでしょう。
取引先が海外企業である、利用客に外国人観光客が多い、など日本語以外で対応する機会の多い企業に 、外国人労働者は大きな戦力となるでしょう。
日本人とは違う視点を持っている
日本人とは違う視点を持っていることは、外国人の人材派遣を利用するメリットとして考えられます。
日本と異なった文化や習慣で育った外国人が社内にいることで、今までなかった発想やアイデアが生まれる場合があります。
問題点の切り口やアプローチの方法が増え、そこから派生して新しいアイデアが生れるかもしれません。新しいプロジェクト等を起案・策定し、多様性を重視する企業には、日本人が持ち合わさない、違った視点を持つ外国人労働者を採用することを推奨します。
外国人の人材派遣を利用するデメリット
外国人の人材派遣を利用するデメリットとして以下の2点があります。
- 文化や常識の違いがネックになることも
- 長期雇用に繋がりにくい
文化や常識の違いがネックになることも
外国人労働者を受け入れる場合、文化や常識の相違、または宗教の慣習によるトラブルが発生しかねないことを企業は注意しなければなりません。
例えば、あいさつにおける習慣の相違があります。日本人は顔を合わせたらまず挨拶するのが慣習でありますが、東南アジア諸国の人たちは挨拶を行わない風習があります。
宗教上の慣習も時には問題となりうるでしょう。宗教によっては口にしてはいけない食べ物があります。イスラム教での豚肉は代表的な例といえるでしょう。
受け入れる企業は、外国人が気持ちよく就業できるよう配慮することが大事です。一方で、日本の文化や習慣についても外国人労働者に理解してもらう必要もあります。フィードバックを繰り返すことで、文化や習慣、宗教などを相互に認識しあえるよう努めたいものです。
長期雇用に繋がりにくい
外国人労働者は長期の就労が難しい側面があるので、注意しなければなりません。コミュニケーションが図れず、また日本の文化や習慣に溶け込めずに途中で祖国に帰国する場合もありますが、そもそも派遣という労働形態が長期雇用を前提にしていないことも挙げられます。
外国人の人材派遣を利用する際の注意点
外国人の人材派遣を利用するにあたっての注意点として以下の点があります。
- 在留資格があるか確認
- 外国人雇用状況の届け出を提出
それぞれについて説明しましょう。
在留資格があるか確認
外国人労働者を受け入れる場合、在留資格の有無を確認しなければなりません。在留資格とは、外国人が日本に在留する間、一定の身分や地位を有する者としての活動を行えることを示す、「入管法上の資格」のことです。
その中で、就労が認められる在留資格を持っている必要があります。在留資格や在留期間の確認方法は、在留カードまたは旅券面の上陸許可証印、あるいは就労資格証明書等で確認可能です。
在留資格がない場合、出入国在留管理庁が審査して国外退去の処分となり、送還されることになるので注意が必要です。
外国人雇用状況の届出を提出
受け入れ先の企業は、「外国人雇用状況の届出」を提出する義務があります。国が各事業所で勤務する外国人労働者の雇用状況を把握するためです。正社員や派遣社員など、契約形態に関係なく提出しなければなりません。
外国人雇用状況の届出の提出方法として、次の2つがあります。
- ハローワークに提出
- オンラインで提出
外国人雇用状況の届出の提出期限は翌月末日ですので、忘れずに提出しましょう。
もし、外国人雇用状況の届出を怠ったり、虚偽の届出を行ったりした場合、事業所は30万円以下の罰金の対象となるので注意が必要です。
外国人の人材派遣会社のおすすめ5選
外国人の人材派遣を検討するにあたって、おすすめの人材派遣会社を紹介します。各社の特徴を理解し、外国人人材派遣の参考となるでしょう。
- フルキャストグローバル
- グローバルパワー
- ランスタッド
- テンプスタッフ
- アデコ
フルキャストグローバル
画像引用元:フルキャストグローバル
フルキャストグローバルは、関東エリア1都3県を対応エリアとする、東証プライム市場に上場するフルキャストホールディングス傘下の外国人人材派遣会社です。
フルキャストグローバルは高い就労意欲と勤務姿勢のまじめなスタッフを確保しています。とりわけ高度な日本語コミュニケーションをとれる人材が多数登録しているので、会議や交渉等で高い日本語のスキルを必要とする企業におすすめです。
外国人派遣労働者の採用実績がない企業も、日本人同様勤勉な人材を確保しているので、安心して利用できるでしょう。
派遣形態 | 外国人派遣サービス/外国人紹介サービス |
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対応エリア | 東京・神奈川・千葉・埼玉 |
登録スタッフの数 | 723万人以上(フルキャストグループ) |
対応業種 | 製造/小売/清掃/飲食/物流/倉庫/オフィス/農業/その他 |
運営会社 | 株式会社フルキャストホールディングス |
公式サイト | https://fullcast-global.co.jp/ |
グローバルパワー
画像引用元:グローバルパワー
グローバルパワーは、「世界で一番幸せな雇用を創る会社になる」の企業理念を掲げる、外国人労働者約4万人が登録する外国人人材派遣会社です。外国人材サービスの「数と質」で圧倒的No.1企業を目指すことをミッションとしています。
登録外国人のうち、7割以上の日本語レベルがビジネスレベルを有しており、また、派遣職種を、「接客販売」「オフィス系」「エンジニア系」に限定しているのが特徴です。専門的な技術や知識を持つ外国人労働者である高度外国人の採用を検討している企業にとっては、おすすめの外国人人材派遣会社です。
グローバルパワーは、勤務期間2ヶ月より外国人人材派遣が可能であるため、短期の即戦力人材を求めている企業にもグローバルパワーは重宝するでしょう。
派遣形態 | 外国人派遣サービス/外国人紹介サービス |
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対応エリア | 全国 |
登録スタッフの数 | 約4万人(152ヶ国) |
対応業種 | IT・通信/製造業/流通/サービス/金融/不動産 |
運営会社 | 株式会社グローバルパワー |
公式サイト | https://globalpower.co.jp/ |
ランスタッド
画像引用元:ランスタッド
ランスタッドは、日本に92拠点を構え、世界38の国と地域に事業所がある、オランダに本社を置く世界最大の総合人材サービス会社です。
ランスタッドは、派遣先の契約期間や業務内容、将来における採用計画など、企業のニーズにマッチした人材プランを策定・提案を行います。
同時に、スキルアップに必要な教育機会の提供、および職場訪問の定期的な訪問でのヒアリングにより、派遣された人材が職場に定着してスキルを発揮できるようにサポートしています。人材育成に関して、時間や費用がかけられない企業にとって、最適な人材派遣会社といえるでしょう。
派遣形態 | 人材派遣/人材紹介/紹介予定派遣/就職・転職支援 |
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対応エリア | 全国 |
登録スタッフの数 | 約94万人(ランスタッド合計) |
対応業種 | 営業/マーケティング/エンジニア/事務/製造/流通/金融/不動産など |
運営会社 | ランスタッド株式会社 |
公式サイト | https://www.randstad.co.jp/ |
テンプスタッフ
画像引用元:テンプスタッフ
テンプスタッフは、1973年に人材派遣という言葉が浸透していない頃から、働きたい人と企業とをつないできた日本でも歴史のある人材派遣会社の一つです。
パーソルテンプスタッフ株式会社が運営しています。
一般事務から経理、人事といった専門分野はもちろん、金融や貿易に特化した専門部署にいたるまで、企業の特性にあった人材の紹介が可能です。
短時間勤務や週3日などといった短期間の業務から長期まで、企業のニーズに柔軟な対応ができるので、採用活動のコストの抑制を検討している企業におすすめの人材派遣会社です。
派遣形態 | 人材派遣/紹介予定派遣/人材紹介/業務委託など |
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対応エリア | 全国 |
登録スタッフの数 | 約700万人(パーソルグループ合計) |
対応業種 | 製造/飲食業/サービス/金融/小売/不動産/ITなど |
運営会社 | パーソルテンプスタッフ株式会社 |
公式サイト | https://www.tempstaff.co.jp/ |
アデコ
画像引用元:アデコ
アデコは、世界60の国や地域に展開する、スイスに本社があるアデコグループの一つであるアデコ株式会社が運営する人材派遣会社です。アデコは、人材のスキルや経歴以外に、強みや弱み、将来におけるビジョンについて理解して仕事を紹介します。
人材を支える存在として、アデコにはキャリアコーチがいます。キャリアコーチは、労働者の定期的な面談を行うことで、就業中のアドバイスや不安の解消など、労働者と一緒に考えていく点が特徴です。
また、企業に関しても同様に、どのようなビジョン、理念、社会貢献を目指しているのかを理解するためにきめ細かくヒアリングを行います。
将来進んでいくビジョンや理念、社会貢献に合致する人材の確保を検討している企業にとって、アデコはベストな人材派遣会社といえるでしょう。
派遣形態 | 一般派遣/無期雇用派遣/紹介予定派遣 |
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対応エリア | 全国 |
登録スタッフの数 | 約60万人 |
対応業種 | 金融/飲食業/小売業/製造業/サービス業/IT/建設業/介護/運送業など |
運営会社 | アデコ株式会社 |
公式サイト | https://www.adecco.co.jp/ |
まとめ
近年、日本で働く外国人が増加の一途をたどっています。外国人労働者を人材派遣で受け入れる日本企業は、今後も増加していくでしょう。企業が外国人の人材派遣を利用するメリットとして、コスト削減や円滑な外国語コミュニケーションが期待できる一方で、文化や習慣の違いになじめないなど懸念事項もあります。しかし総合的に考えると企業にとって利点の方が多いため、ぜひ外国人人材の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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