業務委託で求人を募集するには?メリットや注意点も解説
日本特有のメンバーシップ型雇用からアメリカ的なジョブ型雇用へ雇用形態が変化するなか、「業務委託」での人材確保が注目されています。業務委託により、専門性の高い人材に成果報酬で仕事を依頼でき、生産性を高めることが可能です。近年、人材不足が懸念されるなか業務委託を検討している担当者も増えています。
この記事では、業務委託での具体的な求人方法を解説。人事担当の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 求人サイトを利用する
- 業務委託用の求人サイトを利用する
- 募集求人、業務範囲を確認
- 契約は書面で交わすこと
- 人材管理ができるか
- 人件費を抑えられる
- 社内リソースを有効に使える
- 人材教育ができない
- 偽装請負に気を付ける必要がある
業務委託の求人募集
業務委託の求人方法は、次の3つが代表的です。
- 求人サイト
- 業務委託用の求人サイト
- クラウドソーシングサービス
自社の求める人材は、どのプラットフォームを利用すべきかを知っておくと、効率よく依頼が進むでしょう。
求人サイトを利用する
求人サイトを利用すれば、数十万~数百万人の求職者に対してリーチできます。ただし、ひと口に求人サイトといっても、さまざまな種類や料金形態があります。まずは業務委託の募集ができるサイトを探す必要があるでしょう。
また料金体系も求人サイトによって異なります。完全無料のものから成果報酬までさまざまです。
- 完全無料型
- 一部無料型
- 先行投資型
- 成果報酬型
予算が少ない中小企業の場合、利用できる求人サイトに制限が生じるかもしれません。
求人サイトを利用する場合は、業務委託の求人に強いサイトか、予算的に問題ないかなどの検討をする必要があるでしょう。
業務委託用の求人サイトを利用する
求人サイトのなかには、業務委託に特化したマッチングサービスもあります。アクセスしてくる求職者も、業務委託を希望しているため、効率的に募集・依頼が可能です。
エンジニア・プログラマー・デザイナーなど専門性が高い業務を依頼したい場合は、専門性が高い人材のみ扱っているサイトを利用しましょう。支払う報酬単価が高くなりますが、希望の人材に依頼できる可能性が高まるはずです。
クラウドソーシングサービスを利用する
クラウドソーシングサービスとは、業務委託したい個人や企業と仕事を求める個人や企業とをつなげるプラットフォームを指します。
発注者は、業務委託したい仕事内容や条件を公開し、それに対し希望者が提案・応募する仕組みです。代表的なものにクラウドワークスやランサーズなどがあります。
上述の業務委託に特化した求人サイトと同じような仕組みですが、クラウドソーシングサービスではアンケートやモニターなど簡単なタスク業務も可能です。
募集できる業務内容の幅も広く自由度が高いのが特徴ですが、希望する人材が応募してくるとは限らず、依頼に手間がかかる場合もあります。
業務委託で人材を募集する場合の注意点
業務委託の求人を出す場合、次のような注意点があります。
- 募集求人、業務範囲を確認
- 契約は書面で交わすこと
- 自己管理できるか
トラブルを避けるために、以上の3つに留意しておきましょう。
募集求人、業務範囲を確認
求めている事業者への依頼を成功させるためには、業務範囲や条件を明確に提示する必要があります。業務委託の場合は、指導や育成にかける時間を取れません。最初に具体的なスキルや要望を伝えておき、求める能力を備えている人材に応募してもらうようにします。
依頼までには、次のようなことを確認し合いましょう。
- 具体的な業務内容と範囲
- 契約の種類
- 求めるスキル
- 報酬額と経費
- 成果物の納品方法と研修方法
- 期日や契約期間
- 納品が遅延したときの対応
- 契約を解約するケース
採用前に十分確認しておけば、お互いの認識のずれやミスマッチを事前に防げます。
契約は書面で交わすこと
依頼が決まったあとは、契約を書面で交わしましょう。自社の提示した内容をあらためて確認し、秘密保持などの重要事項を補足します。契約内容を書面で残すことで、のちのトラブルや争いを防げます。
特に以下の内容は書面で確認し、契約を交わしておきましょう。
- 報酬
- 経費
- 契約期間と契約形態
- 知的財産権の帰属
- 損害賠償の義務
- 中途解約について
- 秘密保持契約
最近では電子での契約も可能です。利便性やコスト面でメリットがあるので、まだ依頼していない場合は検討してみましょう。
人材管理ができるか
業務委託の場合、派遣とは違い企業側には指揮命令権がありません。指揮命令権とは、労働契約を根拠に使用者が労働者に対して業務上の指示を行う権利のことです。
業務委託契約では、雇用主と労働者といった雇用関係ではなく、委託側と受託側という関係性になります。
請け負った側は、期日までに依頼された成果物を納品。労働時間や仕事のやり方などは、請け負った個人の裁量に任されています。
ただし、依頼とは異なる内容物が納品されたり、大幅にスケジュールが遅れたりなど不測の事態もあり得ます。指揮命令権がなくても進捗状況などをこまめに共有し、納品までの道筋を管理することが大切です。
業務委託のメリット
企業が業務委託を依頼する際の代表的なメリットは、次のふたつです。
- 人件費を抑えられる
- 社内リソースを有効に使える
特に社内に求めている人材が不足している場合は、業務委託のメリットが大きいでしょう。
人件費を抑えられる
業務委託の場合、人材育成の手間やコストが大幅に抑えられます。特に専門性の高い業務であるほど、新入社員を一人前に育成する時間とコストは膨大です。
一方、業務委託であれば、人材教育の手間とコストを抑えられ、必要なスキルを持った人材にスポットで依頼できます。
社内リソースを有効に使える
今まで社内で請け負っていた仕事を外部に発注することで、社内の人間のリソースが空きます。社員をより重要な業務に充てられ、業務の効率化が可能です。
その結果、社員の働き方を改善することにもつながるでしょう。生産性も上がり、業界内の競争力アップなど、プラスの効果が見込めます。
業務委託のデメリット
一方で、業務委託のデメリットも把握しておきましょう。代表的なものは次のふたつです。
- 人材教育ができない
- 偽装請負に気を付ける必要がある
業務委託を利用する場合はデメリットも考慮したうえで、検討する必要があります。
人材教育ができない
専門性が高い業務を外部に委託した場合、その業務に対応できる人間が社内に育たない、もしくはいない状態になると想定しておきましょう。
専門性の高い業務や煩雑な業務に対応できる人材を、社外で調達すれば社内のリソースは空きますが、社内にノウハウは蓄積されません。業務委託にはメリットと同時にリスクも内包されており、委託するべき業務範囲を慎重に選ぶ必要があります。
偽装請負に気を付ける必要がある
「偽装請負」とは、業務委託契約の受託者に発注者が業務の細かい指示を出したり、出退勤や勤務時間の管理を行なったりすることです。
偽装請負は、労働者派遣法および職業安定法で禁止されています。偽装請負に該当するかは、当事者間に指揮命令関係が存在するかで判断されます。
その他にも、現場に形式的な責任者を置いただけで実際の指示は発注者がおこなう「形式だけ責任者型」、誰に雇われているかよくわからない「使用者不明型」、さらに労働契約を結んでいない業者へ派遣される「一人請負型」などの形態もあります。
発注者は、業務委託のつもりが偽装請負に陥っていないかどうか、十分注意しましょう。
まとめ
業務委託で専門性が高い人材に依頼すれば、社内のリソースを有効利用できるメリットがあります。効率的な求人方法としては、業務委託に特化した求人サイトの利用です。
トラブル防止のためには、具体的な業務内容や報酬を掲載し、依頼の際には書面で契約を交わす必要があります。業務委託の求人を考える際は、メリット面だけでなくデメリットを考慮したうえで、依頼を検討しましょう。
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