人材派遣/人材紹介のキホン

MAGAZINE

業務委託のメリットとデメリット|企業側と労働者側の両方から解説

業務委託のメリットとデメリット|企業側と労働者側の両方から解説

業務委託は自社の業務を外部に依頼する方法のことで、自社で負いきれない業務量の場合や、専門性の高い業務を依頼したい場合に利用されます。業務委託を検討している多くの方が、自社では負いきれない専門的な業務を任せたい、業務の一部を外部に直接任せてしまいたいと考えているのではないでしょうか。

この記事では、業務委託を利用するメリットや、契約する際の注意点、業務委託に向いている業務などを紹介します。業務委託について深く知ることで、業務委託を利用するべきなのかを判断する際に役立ててください。

目次

【企業側】業務委託を依頼するメリット

- 人材育成のコストをおさえられる

- 専門的な業務をすぐに任せられる

- 社内人材を他の業務にあてられる

【企業側】業務委託を依頼するデメリット

- 時間あたりのコストは上がりやすい

- 社内にノウハウが蓄積しにくい

- 管理に労力が必要になる

業務委託で働くメリット

- 働く時間や場所を自由に選べる

- 能力によっては会社員より稼げる

- 業務内容を選べる

- 人間関係によるストレスが少ない

業務委託で働くデメリット

- 収入が安定しにくい

- 労働基準法が適用されない

- 社会保険や雇用保険に入れない

- 税金関係の手続きをご自身でする必要がある

業務委託を契約する際の注意点

- 契約書は3種類

- 契約書の記載事項を確認する

業務委託に向いている業務

まとめ

【企業側】業務委託を依頼するメリット

業務委託を依頼するメリット(企業側)

業務委託を依頼するメリットをご紹介します。企業側の視点でメリットをピックアップしているので、これから業務委託を利用するべきかどうか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

【業務委託を依頼するメリット(企業側)】

  • 人材育成のコストをおさえられる
  • 専門的な業務をすぐに任せられる
  • 社内人材を他の業務にあてられる

人材育成のコストをおさえられる

業務委託を利用すれば、専門知識を持つ業者に委託できるため、自社での教育コストをおさえることができます。すでに専門的な知識を有している場合は対象となりませんが、新規業務などで自社の知識ではフォローしきれない場合、ゼロから従業員を教育するよりも業務委託した方がその分のコストを削減可能です。

そもそも、業務委託の大きなメリットは専門性を持った業者に依頼できるという点であるため、その点を効果的に利用できれば自社はコスト面でも大きなメリットを享受できるでしょう。もし、専門性ではなく人材の人数を確保したいだけの場合は派遣などを利用した方が効果的です。

専門的な業務をすぐに任せられる

先でも説明したように、業務委託の場合は専門的な知識を有する業者に業務を依頼できます。自社でカバーしきれないような専門的な分野はもちろんのこと、自社と同等の専門性を持つ業者に依頼することで、業務の質を担保しつつキャパを広げることができるようになるでしょう。

社内に人的なリソースがない、かつ業務には専門性が求められる、といった場合には業務委託がおすすめです。

社内人材を他の業務にあてられる

業務委託を利用すれば、その業務にあてるはずだった人材を他の業務にあてることが可能です。業務委託は指揮命令権が委託先にあるため、自社で業務遂行の管理をする必要がありません。そのため、業務委託を利用するにしても人材を余分に割く必要が無いです。

社内で請け負う業務は色々とあるかと思います。さまざまな業務の中で優先順位を決め、自社の人材に任せたい業務があるならそれを優先して、それ以外を業務委託してしまえば品質を確保したまま効率良く業務を回せるようになるでしょう。

【企業側】業務委託を依頼するデメリット

業務委託を依頼するデメリット(企業側)

専門的な業務を依頼することができたり、自社のリソースを確保できたりといったメリットがある一方で、デメリットもあります。業務委託を依頼する価値はデメリットを把握して初めて判断できるので、メリットとあわせて必ず確認しておきましょう。

【業務委託を依頼するデメリット(企業側)】

  • 時間あたりのコストは上がりやすい
  • 社内にノウハウが蓄積しにくい
  • 管理に労力が必要になる

時間あたりのコストは上がりやすい

業務委託の場合、全部の業務が専門性の高いものであるとは限りませんが、業務の専門性が高くなるほど報酬金額が上がる傾向にあります。人材派遣のように人的リソースを確保するだけではなく、専門性もあわせて確保できるのが業務委託であるため、時間あたりのコストが割高になってしまうのはしょうがないといえます。

 

そのため、業務委託を利用する際はコストが上がる可能性があることを前提に依頼を検討しましょう。「自社で業務を遂行しないメリットがあるのか」といった視点で検討することで、業務委託を利用する価値が更に高まります。

社内にノウハウが蓄積しにくい

業務委託を利用した場合、自社の人材が業務にあたるわけではなくなるため、業務に対するノウハウが蓄積しにくくなってしまいます。すでにその業務に対するノウハウがあるなら別ですが、これからその業務に精通する案件を増やしていこうとするのであれば、業務委託はデメリットとなるでしょう。

もし、業務委託でもノウハウを蓄積する機会を設けたいのであれば、定期的にミーティングを開催して情報共有するのが効果的です。

管理に労力が必要になる

業務委託では発注企業側に指揮命令がないため、労働期間や業務内容の明確化と進捗の共有などの管理を発注企業側がおこなう必要があります。

業務委託で働くメリット

業務委託で働くメリット

ここまでは企業が業務委託を利用するメリットをご紹介してきました。以降では、ご自身が委託業者として業務委託を受ける場合のメリットについて解説していきます。専門的な知識などご自身の強みを活かして、個人で企業と契約して業務を受託しようとしている方は、是非参考にしてみてください。

【業務委託で働くメリット】

  • 働く時間や場所を自由に選べる
  • 能力によっては会社員より稼げる
  • 業務内容を選べる
  • 人間関係によるストレスが少ない

働く時間や場所を自由に選べる

業務委託はパートやアルバイトのように企業の雇用形態にしたがって勤めるわけではありません。業者であるご自身と企業の間で取り決めをおこない、契約に基づいて業務遂行の方法を決めます。そのため、ご自身の働き方に寄せた契約を結ぶことができれば、それに沿った形で働くことができるでしょう。
業務委託には、業務請負契約と業務委任契約の2種類があります。業務請負契約での契約なら成果物に対する契約になるため、業務を遂行する過程は基本的に問われません。つまり、結果(成果物)さえ企業が納得するものとなっていれば過程は問われないので、ご自身が決めた働き方を遂行することができるでしょう。

能力によっては会社員より稼げる

報酬形態は時給換算ではなく、成果物に対する報酬として計算するケースがほとんどです。そのため、事前に見積もりをおこなって契約を取り交わします。この際の見積もり内容次第では会社員より稼げる報酬の契約を結ぶことができるかもしれません。
ただ、「高い見積もりを提示すれば良い」といった単純なことではない点には注意が必要です。ご自身の持つスキルや提示できるメリットによって企業側が見積もりに納得するかが左右されるため、「一般的な会社員以上の能力を提供できればそれに見合った報酬がもらえる可能性が高い」という認識が正しいといえます。

業務内容を選べる

パート・アルバイトと違って企業から業務を強制されることはありません。ご自身が取り組みたい業務に対して契約ができれば、その業務だけで稼ぎ続けられるのが業務委託のメリットといえるでしょう。
ただ、選り好みをし過ぎると取れる案件も取れなくなってしまうので、「案件のリソースの確保」と「ご自身が望む業務内容」のバランスを取りながら案件を獲得していくことが重要です。そのため、いきなり業務委託で契約していこうとしても序盤のうちは思うように選べない可能性もあることは念頭に置いておきましょう。

人間関係によるストレスが少ない

職場における人間関係は、場合によってはメンタルヘルスの不調を招く恐れがあると考えられています。近年は、ストレスを感じる労働者の割合が増加傾向にあり、とくに職場におけるメンタルヘルス対策は重要な課題です。

一方で、業務委託で働いている方は、基本的に個人で仕事をすることが多いため、人間関係でのストレスが生じにくい傾向があります。
ただし、個人で仕事を請け負うことにストレスを感じる場合があるため、ご自身の精神的な疲労には注意しましょう。

業務委託で働くデメリット

業務委託で働くデメリット

業務委託で委託業者として働くのには、場所や時間、業務内容などを自由に選びやすいというメリットがある一方でデメリットもあります。メリットだけを考えて独立してしまうと、想定外の苦労をする可能性が高まるため、以下のデメリットを確認して業務委託として働く際の参考にしましょう。

【業務委託で働くデメリット】

  • 収入が安定しにくい
  • 労働基準法が適用されない
  • 社会保険や雇用保険に入れない
  • 税金関係の手続きをご自身でする必要がある

収入が安定しにくい

業務委託で働く場合、業務の取得はご自身で行わなければいけません。ある程度の信頼を確保していけば、同じ企業から安定して案件が来る可能性も見込めますが、駆け出しの場合は思うように案件を確保できない可能性が高いです。
そのため、案件数が安定しなければ収入も安定しないことはおわかりいただけるかと思います。会社員よりも稼げる可能性がある一方で、会社員のように安定した収入が得られない可能性もあるのが業務委託という働き方であることを知っておきましょう。

労働基準法が適用されない

業務委託の場合は企業に雇われて働いているのでは無く、業務を任せられている立場なので企業側からの労働基準法が適用されません。あくまでも成果物と見積もり書に対する契約であるため、働き方が自由になる一方で、働き方次第では最低賃金を下回る可能性もあります。
そうならないように見積もり書を作成したり、しっかりとスケジューリングをしたりしなければならず、自己管理と業務管理が大切になってきます。

社会保険や雇用保険に入れない

業務委託の場合は企業が社会保険や雇用保険を払ってくれるわけではありません。そのため、ご自身で加入して払わなくてはいけないため、企業が保険料を半額負担してくれるような制度は提供されません。他にも育休制度が無いといった制度面での差が会社員とはあるため、会社員と比較する場合は制度面の差を良く理解しておく必要があるでしょう。

税金関係の手続きをご自身でする必要がある

先に述べた社会保険などと同様に、会社員なら企業がやってくれていたことも、ご自身でしなくてはいけません。税金関係の手続きもその一つで、確定申告や住民税などの支払いといった処理もご自身でやらなくてはいけない点に注意が必要です。
慣れてしまえば比較的楽ではありますが、独立したての頃は通常の業務とあわせて大きな負担となりやすいので、事前にしっかりと把握しておくことをおすすめします。

業務委託を契約する際の注意点

業務委託の契約に関する企業側の注意点は以下のとおりです。

  • 契約書は3種類
  • 契約書の記載事項を確認する

企業側の注意点を順番に解説します。

契約書は3種類

業務委託の契約書は報酬の支払い方によって、次の3つの種類があります。

種類 概要
定額報酬型 毎月決まった金額の報酬を支払う
成果報酬型 達成した成果に応じて変動する報酬を支払う
単発業務型 単発で業務を委託して報酬を支払う

報酬の支払い方によって契約書の記載内容は異なります。
たとえば、成果報酬型や単発業務型の場合は成果物の引き渡しと業務委託料の支払いで契約が完了しますが、定額報酬型は継続的な契約を結ぶことも文言に含まれます。
報酬の支払い方によって契約書の内容が異なるため、内容を精査してから結ぶようにしましょう。

契約書の記載事項を確認する

業務委託契約書では、おもに以下のような記載事項があります。

記載事項 概要
委託業務 業務の内容や提供方法、範囲などを記載する
契約期間 委託業務の契約期間を記載する
契約の解除 委託業務でトラブルが起きた場合の解除に関するルールを記載する
報酬等 委託料の金額や計算方法、支払時期などを記載する
報酬の支払方法 報酬を支払う方法を記載する
契約条件の変更 契約条件を変更する場合のルールを記載する
補修および損害賠償 成果物が一定の水準に達していない場合の対応を記載する
第三者委託 本委託業務を第三者に委託する必要がある場合のルールを記載する
秘密保持 秘密情報の定義や第三者に対する秘密情報の開示などを記載する

業務委託の契約書の記載事項は、委託者と受託者菅野トラブルを防止するため多岐に渡っています。一つでも欠けるとトラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。
業務委託契約の流れと契約書の書き方を知りたい方は、次の記事をご覧ください。
「業務委託契約の流れと契約書の書き方|契約時に注意すべきポイントとは」

業務委託に向いている業務

業務委託に向いている業務

ここまで、業務を委託する側と委託される側のメリット・デメリットを解説してきました。業務委託を利用するのであれば、それらと合わせて「どういった業務が業務委託に向いているのか」も把握しておきましょう。

 

委託する側の場合、向いている業務を知っておくことでどんな業務を委託すべきかの明確な判断基準となります。一方で委託される側の場合、向いている業務を知っておけば案件の提案をする際に的確な提案が行えるでしょう。業務委託をする必要のない業務に対する提案をし続けても企業は価値を感じないので、需要を知るためにも向いている業務は把握しておくと良いです。

 

【業務委託が向いている業務】

  • 新規事業のようにスピードが求められる業務
  • 専門性が求められる業務
  • 業務量にムラがある業務
  • 自社の設備だけでは請け負いきれない業務

 

基本的に業務委託は、自社の能力だけでは足りないと判断された場合に利用されることが多いです。なぜなら、自社でこなせてしまう業務であるなら人材派遣を利用して、人的リソースだけを確保すればなんとかなってしまうからです。

専門性が必要な業務は専門知識がある業者に頼んだ方が効率が良いですし、量にムラがある業務の場合は、新たに人材を雇用するよりも業務委託でその業務に対する契約だけ結べば、それ以上のコストを負担する必要がなくなります。利用の仕方次第でコストパフォーマンスは大きく変化するので、依頼する側は委託先の業者の質や依頼する業務内容についてしっかりと把握したうえで契約を結ぶようにしましょう。

 

また、受託する側は以上のことを踏まえて、委託側にメリットがあるような提案をするように心がけてください。

まとめ

業務委託は企業内で負いきれない業務を外部の業者に依頼する方法です。おもに専門性の高い業務などを委託することが多いため、委託先もその業務に精通しているケースがほとんどです。そのため、コストが割高になりやすいデメリットはありますが、利用の仕方次第では自社のコストパフォーマンスを高めることもできるので、業務委託を利用するメリット・デメリット、契約する際の注意点などを把握しておくことが大切になります。

人材をお探しの企業様はこちら

1990年の設立以来、
業界をリードする実力をぜひご活用ください。

企業のご担当者専用ダイヤル

0120-810-155 0120-810-155

(平日9:00~19:00

この記事をシェアする

facebook
twitter
line
note
はてなブックマークに追加

カテゴリー

アーカイブ

人材をお探しの企業様はこちら

1990年の設立以来、
業界をリードする実力をぜひご活用ください。

企業のご担当者専用ダイヤル

0120-810-155 0120-810-155

(平日9:00~19:00

当サイト動作環境について

フルキャストホールディングサイト/コーポレートサイトをご利用いただくために以下の環境でのご利用を推奨いたします。

※サポートが終了しているOS等を含め、下記以外は推奨環境外となりますので、使用できないおそれがあります。
※JavaScript、Cookieが使用できる状態でご利用ください。

推奨ブラウザ

PC

  • Windowsの方
  • ・Microsoft Edge最新版
  • ・Google Chrome 最新版
  • ・Firefox 最新版
  • Macintosh(Mac)の方
  • ・Safari 最新版
  • ・Google Chrome 最新版

SP

  • Androidの方
  • ・Android10以上
  • Google Chrome 最新版
  • iPhoneの方
  • ・iOS13.XX以上
  • Safari最新版
人材をお探しの企業様最短即日でアルバイトを紹介します