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【法人向け】業務委託と業務請負の違いとは?メリット・デメリット、向いているシーンなどを紹介

【法人向け】業務委託と業務請負の違いとは?メリット・デメリット、向いているシーンなどを紹介

「業務委託」「業務請負」とは、外部に自社の業務をお願いする際に使用します。どちらも似たような場面で使われるため、違いがいまいちわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、業務委託と業務請負の違いや、あわせて覚えておきたい業務委任契約の特徴などを解説します。外部のリソース確保を検討している企業の担当者は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

業務委託と業務請負の違い

- 業務委託と業務請負の違い①報酬を支払うルール

- 業務委託と業務請負の違い②仕事の完成に対する責任

- 業務委託と業務請負の違い③解除の権限

業務委任(準委任)契約の特徴

- 業務委任(準委任)契約のメリット

- 業務委任(準委任)契約のデメリット

- 業務委任(準委任)契約が向いているケース

業務請負契約の特徴

- 業務請負契約のメリット

- 業務請負契約のデメリット

- 業務請負契約が向いているケース

業務委託や請負契約では偽装請負にならないように注意する

まとめ

業務委託と業務請負の違い

業務委託と業務請負の違い

業務委託と業務請負の違いを知るには、以下の図を確認するとわかりやすいかと思います。

【業務委託と業務請負の違い】

【業務委託と業務請負の違い】

「業務委託」とは、民法上で「請負契約」「委任/準委任契約」の2つを総称した概念として使用されている言葉です。

どちらも業務委託という枠のなかにはありますが、次のような違いがあります。

委任/準委任契約 請負契約
定義 業務の履行をおこなうことを約束した契約 請負人が一定の成果物を完成させることを約束した契約
報酬のルール 業務が適切に履行していれば支払う 成果物が完成すれば支払う
仕事の完成に対する責任 業務の履行を適切におこなう責任がある 成果物を完成させる責任がある
解除の権限 当事者双方がいつでも契約解除を申し出られる 成果物が完成していない間は、依頼者側が契約の解除を求められる

上記以外にも違いはありますが、ポイントは同じ業務委託でも「委任/準委任契約」では業務の進行が重要で、「請負契約」では成果物の完成が重要です。

本来なら「業務委託」は「委任/準委任契約」と「請負契約」の両方を指す言葉ですが、「委任/準委任契約」だけを業務委託と呼び、「請負契約」を業務請負と呼ぶ傾向があります。

「業務委託」を結ぶ際は、契約内容が「委任/準委任契約」なのか、「請負契約」なのか見極める必要があるため、違いについて知っておきましょう。

次項より、業務委託と請負契約の3つの違いを順番に解説します。

業務委託と業務請負の違い①報酬を支払うルール

業務委託である「委任(準委任)契約」では、仕事が完成していなくても委託した事務や業務が適正に履行していれば、報酬を支払います。

一方で、業務請負である「請負契約」では、仕事が完成しなければ報酬を支払う必要はありません。

たとえば、お客さまに商品を宣伝して売る業務で「委任(準委任)契約」を結んだ場合は、商品が売れていなくても報酬を支払い、「請負契約」の場合は商品が売れた瞬間に報酬を支払う義務が発生します。

業務委託と業務請負の違い②仕事の完成に対する責任

業務請負である「請負契約」では契約と違った内容で完成した、あるいは条件を満たしていないなど、完成した仕事に対して問題があれば、注文者は請負人に対して責任を請求できる権利があります。

一方、業務委託である「委任(準委任)契約」では上記のような責任を問われることがありません。

相手に仕事の完成までの責任を持ってもらいたい場合は、業務請負を依頼しましょう。

業務委託と業務請負の違い③解除の権限

原則として、業務請負である「請負契約」では請負人が仕事を完成しない間は、いつでも契約の解除を求めることができます。つまり、依頼の解除の権限を注文者が持っています。

一方、業務委託である「委任(準委任)契約」では当事者双方がいつでも契約解除を申し出ることができるため、受任者側からの解除が可能です。

業務委託を結んだ相手側から、急に契約解除を求められるケースがあるため注意しましょう。

 

業務委任(準委任)契約の特徴

業務委任(準委任)契約の特徴

「業務委託」に含まれる2つの契約のうちの1つが、業務委任(準委任)契約です。

委任とは民法第643条において「当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。」とされています。
例をあげると、弁護士などが該当します。

委任契約とあわせておきたいもので、準委任契約というものもあります。準委任契約は、民法第656条において「委任の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。」とされており、委任契約と違って法律行為を伴わない事務や業務に関する契約のことです。

コンサルタントによるコンサルティングサービスなどがこれに該当します。

次項より、業務委任(準委任)契約のメリットやデメリットなどを順番に解説します。

また、業務委託契約書の書き方を知りたい方は、次の記事をご覧ください。

業務委託契約とは?個人事業主へ仕事を委託する流れと契約書の書き方

業務委任(準委任)契約のメリット

業務委任(準委任)契約の場合、業務請負契約と違って業務を遂行する過程に関与することができます。

これにより、業務工程の中に委託側の独自のノウハウやスキルを導入できる場合があるというメリットがあります。

独自のノウハウなどを利用して業務にあたらせることができれば、委託先を原因として業務の質を損ねる心配もなくなるので、安心して任せられるでしょう。

 

 

業務委任(準委任)契約のデメリット

業務委任(準委任)契約のデメリットとしては、「コストが読みづらい」「成果物が仕上がらない可能性がある」などがあります。

業務請負契約と違って成果物にフォーカスしておらず、期間で契約をするため成果物が完成していなくても契約期間が切れてしまえばそこで打ち止めになってしまうのです。

もちろん、契約を更新すれば引き続き依頼はできるのですが、そうなってしまうとコストが余計にかかってしまうことになるので、損失を出してしまう可能性もあります。

業務委任(準委任)契約が向いているケース

業務委任(準委任)契約が向いているケースとしては、以下のようなものが考えられます。

【業務委任(準委任)契約が向いているケース】

  • 業務工程を重視している
  • 業務内に自社のノウハウを組み込みたい

成果物にコミットしない分、業務を遂行する過程を重視できるため、そういったポイントに意識を置きたい場合には向いているといえるでしょう。

フルキャストホールディングスの業務委託・請負サービスページの特徴はこちら

業務請負契約の特徴

業務請負契約の特徴

業務請負契約とは、外注を利用して成果物の納品を依頼するような形態の契約のことです。

請負については民法第632条で「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」と記されており、成果物を起点とした契約内容であることがわかると思います。
そのため、業務に関することはほとんど委託業者に任せてしまうのが特徴で、原則として成果物ができるまでの過程に口出ししてはいけません。

請負契約の例としては、パンフレットの印刷工場や製造業のような、冊子や部品を納めることを業務としている業種が当てはまります。

業務請負契約のメリット

業務請負契約を利用する最大のメリットは、成果物を作り上げるまでの工程やコストを最適化できる点です。

自社で成果物を作り上げると、製造に必要な人件費や設備費などのコストだけでなく、それらを管理する管理費用もかかってしまいます。

決まった質で作り上げた成果物の納品に責任を負う業務請負契約なら、該当する業務を専門としているところに出すことで、自社よりも良いコストパフォーマンスで成果物を納め
てくれる可能性が高いです。

もちろん、自社の方が優れているケースもあるのでコストの比較は必要となります。万が一、不良品を発生させた場合の対処方法などについても、検討材料に加味して留意しておきましょう。

業務請負契約のデメリット

業務請負契約のデメリットは、成果物の質が委託業者の質に左右される点です。

成果物に対する契約なので、完成品として認められない成果物が納品された場合、それに対する報酬を支払う必要は無いのですが、そういったことを繰り返していると自社の顧客からの信頼を損ねる可能性が高まります。

金銭面でのメリットが大きい業務請負契約ですが、案件の成否によっては顧客の信頼や外注先の信頼を壊してしまう結果になる可能性はゼロではありません。

業務請負契約で成功するためには、しっかりとした外注先を選ぶことが重要になるので、自社が信頼しても大丈夫かどうかを見極められるようにしましょう。

業務請負契約が向いているケース

ここまでの内容を踏まえ、業務請負契約が向いているケースは以下が当てはまります。

【業務請負契約が向いているケース】

  • 成果物を作るまでの工程が自社で構築できない
  • 成果物の品質が外注先の方が良い可能性がある
  • 成果物を自社で作ることの方が、コストがかかりすぎてしまう

成果物を作るまでのコストを削減したかったり、そもそも成果物を作る能力が他社の方が優れていたりするケースでは業務請負契約が向いているといえます。

フルキャストホールディングスの業務委託・請負サービスページの特徴はこちら

 

業務委託や請負契約では偽装請負にならないように注意する

偽装請負とは、契約上は広義の「業務委託」なのに、実際には労働者派遣に該当する仕事の進め方をしている状態です。

「業務委託」と労働者派遣の違いは、注文者と受諾者の間に指揮命令関係が生じないことになります。

業務委託で働いてもらっているときに、注文者が次のように業務の指示や命令をしていると、偽装請負とみなされる可能性があります。

  • 業務の進行スピードに対して指示を出す
  • 業務の進行手順を変えさせる
  • 業務に関する人員変更を命じる
  • 業務に関する人員の出退勤時間を管理する

偽装請負はトラブルに発展する恐れがあるため、契約内容を確認して結びましょう。

まとめ

本来の「業務委託」は「請負契約」と「委任(準委任)契約」の両方を指す言葉でしたが、現在では「委任(準委任)契約」を業務委託、「請負契約」を業務請負と呼ぶケースがあります。

業務請負と業務委任の2つを総称する用語が「業務委託」なので、業務請負は業務委託の一部であることを覚えておきましょう。

業務請負契約は成果物に対して結ぶ契約で、業務委任(準委任)契約は業務や事務等に対して結ぶ契約です。

外部に業務を任せたい場合、どちらの契約を採用するかは委託する目的によって異なるため、業務委託を検討する場合は最初に業務委託する目的を明確にしてから契約方法を検討するようにしましょう。

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