【法人向け】採用面接で人材を見抜く質問例を紹介!ポイントやNGな質問、注意点を解説
人材を採用するうえで必ずおこなう業務のひとつが「面接」です。大企業のようにある程度のマニュアルが決まっており、人事のプロがいるような企業であれば問題ありませんが、中小企業など人事に割ける人材が少ない場合には「どのように面接をすれば良いのか?」と悩む方も少なくないのではないでしょうか?
この記事では、採用面接で重要な質問に焦点をあてて、応募者の本質を見抜く方法を解説します。良質な人材を少しでも多く採用するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- 書類に書かれていない情報を引き出す
- 応募者と自社のミスマッチを防ぐ
- 応募者の志望度を向上させる
- アイスブレイク
- 自己紹介・自社の説明
- 面接官から応募者への質問
- 応募者から面接官への質問
- 事務連絡
- スキルや経験値を見る質問
- コミュニケーション能力を見る質問
- 人柄を見る質問
- 素直さを見る質問
- 業務遂行能力を見る質問
- ストレス耐性を見る質問
- 志望度合いを見る質問
- 採用基準を明確にしておく
- 面接で判断する項目を決めておく
採用面接時の面接官の役割
採用面接は、自社が求める人材を採用するための重要なプロセスです。そのため、面接官はどのような役割を担っているのか理解しておくことがとても大切です。
面接官のおもな役割は、以下のとおりです。
- 書類に書かれていない情報を引き出す
- 応募者と自社のミスマッチを防ぐ
- 応募者の志望度を向上させる
それぞれ詳しく解説します。
書類に書かれていない情報を引き出す
採用面接時の面接官の役割のひとつには、履歴書や職務経歴書に書かれていない情報を引き出すことがあげられます。
履歴書や職務経歴書に書かれている情報だけでは、応募者に関するわずかな情報しか把握できません。
自社が求める人材かどうかを見極めるためには、採用面接で自社が求めているスキル・経験があるのかということや、応募者の人柄など書類に書かれていない情報を引き出すことが必要です。
面接前にどのような情報を引き出したいのか、それを引き出すためにはどのような質問をすれば良いのか整理しておきましょう。
応募者と自社のミスマッチを防ぐ
前述の内容にも関係しますが、面接官は書類に書かれていない情報を引き出し、応募者と自社とのミスマッチを防ぐ役割もあります。
面接時に「自社が希望する人材か」「自社の求めるスキルや経験を持っているか」などを見極められなければ、採用のミスマッチが生じてしまいます。
ミスマッチが生じると、以下のような不利益につながる可能性もあるため、注意が必要です。
- 人材の早期退職
- 採用コストの増加
- 優秀な人材の逃す
応募者の志望度を向上させる
採用面接時の面接官には、応募者の志望度を向上させる役割もあります。
応募者にとっては、これから働こうと考えている企業で最初に会う人が面接官です。そのため、面接官の印象がそのまま企業のイメージにつながります。
一般的に、就職活動では複数社に応募するため、自社が第一志望とは限りません。面接官のイメージが悪ければ、優秀な人材が他社に流れてしまうことも考えられます。
逆に、面接官が上手に自社のアピールをすることで、良い人材の採用につながることもあるでしょう。そのため、面接官は、企業の顔になるということをしっかりと認識することが大切です。
採用面接の基本的な流れ・手順
採用面接は、一般的に以下の流れでおこなわれます。
- アイスブレイク
- 自己紹介・自社の説明
- 面接官から応募者への質問
- 応募者から面接官への質問
- 事務連絡
それぞれ詳しく紹介するので、採用面接を担当する方は把握しておきましょう。
アイスブレイク
採用面接の開始直後は、基本的に面接官と応募者の双方が緊張しているケースが多いです。そのため、いきなり本題に入るのではなく、まずはアイスブレイクから入り、お互いの緊張をほぐすことからはじめましょう。
緊張をほぐすための話題は、天候や自社までの交通手段、一般的な時事ネタなど、採用とは直接関係のない内容が向いています。
気軽に話せる内容で軽くコミュニケーションを取ることで緊張がほぐれて、応募者の本音を引き出しやすくなるでしょう。
自己紹介・自社の説明
アイスブレイクをおこない応募者の緊張がほぐれたあとは、面接官の自己紹介と自社の説明をおこないます。
自社の説明では、事業内容や採用後の仕事内容、求人を出した背景など、応募者が知りたい情報をわかりやすく伝えることがポイントです。
採用面接は、応募者にとっても企業を選考する機会です。自社が選ぶという感覚ではなく、自社に来て欲しいという熱意が応募者に伝わるように意識しましょう。
面接官から応募者への質問
自己紹介・自社の説明が終わったあとは、履歴書や職務経歴書を基に応募者への質問をおこないます。
応募者への質問は、応募者のスキルや経験、人柄などを把握する重要な工程です。この時点で会話のキャッチボールができなければ、採用のミスマッチが生じる可能性が高くなるので注意しなければなりません。
質問内容は、新卒か中途採用かによって異なりますが、たとえば中途採用であれば、以下のような内容があげられます。
- 前職の業務内容
- 転職理由
- 志望動機
- やりがいを感じる瞬間
- 入社後に希望する業務内容
- 入社意欲
また、とくに知りたい内容があれば、重点的に掘り下げると良いでしょう。
応募者から面接官への質問
面接官から応募者への質問後は、応募者の不安や疑問を解消するために、応募者から面接官への質問時間を設けます。
応募者は複数社の中から就職先を決めるため、可能な限り自社に対する不安や疑問を取り除けるように、質問には丁寧に回答しましょう。応募者が抱く不安や疑問を解消することで志望度を上げることができ、内定辞退の防止につながります。
また、応募者の質問内容や積極性から、自社への入社意欲を感じることもできるため、採用判断の材料のひとつにできます。
事務連絡
面接の最後は、選考結果の連絡方法や期日などの事務連絡をおこないます。そのほか、応募者に伝えるべきことがある場合は、この時点で伝えると良いでしょう。
採用面接で人材を見抜く質問
採用面接では、応募者が自社の求める人材であるかどうかを見抜くことが重要になってきます。人材を見抜くことができなければ、入社後の生産性や他の社員との人間関係に大きな影響を与える可能性もあるでしょう。そこで重要となってくるのが「質問」です。
良質な人材を見抜くためには、面接内で「見抜くための質問」をして、その返答を確認することで人材の質を見抜くことができます。もちろん、テンプレートどおりの回答が返ってくる可能性もありますが、何とおりか質問を用意したうえで、複数の質問をすればある程度の本質は見抜くことができるでしょう。以下では、7つの目的別に質問の例文をご紹介していきます。
【目的別:採用面接で人材を見抜く質問】
- スキルや経験値を見る質問
- コミュニケーション能力を見る質問
- 人柄を見る質問
- 素直さを見る質問
- 業務遂行能力を見る質問
- ストレス耐性を見る質問
- 志望度合いを見る質問
スキルや経験値を見る質問
スキルや経験値を見抜きたい場合には以下のような質問をしてみましょう。
【具体的な質問例】
- 「入社後に活かせるスキルや経験はありますか?」
- 「入社後、当社でどのように活躍したいと考えていますか?」
入社後にどういった活躍をしていきたいかを問うことで、応募者自身が「どんな貢献ができるのか」を考えるきっかけになります。自身の経験値やスキルを基に貢献していく具体的なイメージがある応募者ほど、入社後の期待値が高くなるでしょう。
コミュニケーション能力を見る質問
コミュニケーションを見抜きたい場合には以下のような質問をしてみましょう。
【具体的な質問例】
- 「社内でコミュニケーションをとるうえで、重要だと思うことはなにですか?」
- 「好きなことはなんですか?」
- 「「今まで友人や先輩とはどういった関係性を築いてきましたか?」」
ストレートにコミュニケーション能力を測る質問をするのも良いですし、敢えて好きなことはなにかといった漠然とした質問をすることで、反応によるコミュニケーション能力を見抜くのもひとつの方法です。また、過去の友人などとの関係性を確認するのも、事実に基づいた情報なので比較的コミュニケーション能力を見抜きやすいでしょう。
人柄を見る質問
人柄を見抜きたい場合には以下のような質問をしてみましょう。
【具体的な質問例】
- 「今までで一番うれしいと感じたことはなにですか?」
- 「周りからどういった人物像でみられたいですか?もしくはみられていますか?」
素直に感情的な部分を表現してもらうために、嬉しかったことなどを聞けば応募者がどういったことに喜びを得たりするのかを把握できます。感情が表に出る瞬間がもっとも応募者の人柄を確認できる瞬間といえるので、形式的な質問だけでなく、感情面を表に出せるような質問をすることを心掛けてみましょう。
素直さを見る質問
素直さを見抜きたい場合には以下のような質問をしてみましょう。
【具体的な質問例】
- 「入社後、キャリアアップとしてどこまでの役職を目指したいと考えますか?」
- 「給与体系と働き方ではどちらを重視していますか?
キャリアアップやお金のことなど、すぐに答えづらいような質問をすることでどのくらい素直な返答ができるのかを測れます。自分の気持ちに対して素直な人ほどメリハリを効かせて業務に取り組めるため、建前だけでなく、考えていることを素直に話せているかを見抜きましょう。
業務遂行能力を見る質問
業務遂行能力を見抜きたい場合には以下のような質問をしてみましょう。
【具体的な質問例】
- 「入社後、弊社の職種にはどういった能力が必要になると考えていますか?」
- 「弊社の仕事内容について確認しておきたいことはありますか?」
応募している以上は自社の仕事内容に興味がある、もしくは知っていることが前提となっているため、就職後どういった業務を進めていくべきかある程度のイメージはできているはずです。そこで上記のような質問をすれば、業務に対する適切な判断や予測といった遂行能力を見抜くことができるでしょう。
ストレス耐性を見る質問
ストレス耐性を見抜きたい場合には以下のような質問をしてみましょう。
【具体的な質問例】
- 「ストレスを感じる場面はどんなときですか?」
- 「ストレスを感じたときの対処法はありますか?」
ストレス耐性の有無で人間関係を良好にしていけるかどうかを見抜くことができます。質問ではストレートにストレスに関する内容を聞きましょう。そうすることで、過去にどんなストレスを感じてきたのか、どういった対処法を知っているのか、を知ることができます。
志望度合いを見る質問
志望度合いを見抜きたい場合には以下のような質問をしてみましょう。
【具体的な質問例】
- 「後日、職場の見学会の機会を設けることもできますがどうですか?」
- 「弊社のどういった点を理由に応募されたのでしょうか?」
なぜ、自社を選択して応募してきたのかを探ることで、どれだけ自社への入社意欲があるのかを見抜きましょう。具体的な答えを求められるような質問をすることが大切で、「はい・いいえ」で答えられてしまうような質問はしないようにしましょう。
採用面接で人材を見抜く質問を考える際のポイント
ここまでは、目的別で人材を見抜く質問の例をご紹介してきましたが、以降では人材を見抜く質問をゼロから考える際のポイントについて解説します。人材を見抜く質問を考えるポイントが理解できていれば、企業ごとの特徴に合わせたオリジナルの質問を作ることも容易となるでしょう。
【採用面接で人材を見抜く質問を考える際のポイント】
- 採用基準を明確にしておく
- 面接で判断する項目を決めておく
採用基準を明確にしておく
自社の採用基準を明確にしておくことで、面接の目的や面接の方向性を固めることができます。面接の目的などが定まっていれば、自然とそれに合わせた質問を考えることができるため、無駄な質問を作る可能性を減らせるでしょう。
また、採用基準が明確になっていれば質問の回答に対する結果が個人的な主観になりにくく、応募者全員を公平に判断できます。「面接の質」「面接結果の質」を安定した高い状態で維持するためにも、採用基準は明確にしておくのがおすすめです。
面接で判断する項目を決めておく
面接の採用基準を決めるにあたって、面接で判断する項目も明確にしておく必要があります。項目が明確化していれば、採用基準を決める際にも役立ちますし、質問する内容も作成しやすくなるでしょう。
例えば、1次面接ではマナー、2次面接では業務遂行能力を項目にすることで、その面接内容に合わせた質問が考えやすくなります。1回しか面接をしない場合は、そういった項目を一つにしっかりとまとめておくことが大切になってくるので注意してください。
採用面接におけるNGな質問
採用面接ではNGな質問というものもあります。人材を見抜くためとはいえ、なんでも質問して良い訳ではないので、質の高い面接をおこなうためにもNG質問は必ず押さえておきましょう。
【採用面接におけるNGな質問例】
- 出身はどちらですか
- 家族構成はどうなっていますか
- 大きな病気をしたことはありますか
- 宗教や政治についてどう思いますか
- 結婚予定はありますか
- 休日はなにをしていますか
仕事と直接関係のない「個人的なこと」や「本人ではどうしようもないこと」、「思想・信条に関わること」などは質問してはいけません。こういった質問をすると、人材を見抜くための面接のはずが、逆に応募者から会社の質を問われてしまうような事態にもなりかねません。
応募者の本質を見抜くための注意点
応募者の本質を見抜くためには、応募者が面接の質問に対してなるべく正直な回答ができるような環境を作ることが大切になってきます。そのため、面接官が威圧的な態度をとったり、応募者に無関心であるかのような態度をとったりしないようにしましょう。応募者が委縮してしまったり、面接自体にやる気をなくしたりしてしまっては人材の本質を見抜くことはできません。
また、応募者の年齢や態度によって面接官が対応を変えることもないように注意してください。面接官が気分で態度を変えていては、公平かつ安定した面接がおこなえなくなってしまいます。
まとめ
良質な人材を雇用するためには、面接での選別が重要となってきます。面接における選別の質を高めるためには、採用における基準を明確にしておき、それに基づいて質問内容などを考えることが大切です。質問内容は、当記事で紹介しているような目的別で考えておけば、より深く応募者の本質を見抜くことにつながるでしょう。
人材を雇用するうえで、応募者の本質を見抜けるのは面接しかないため、その重要度を理解したうえで念入りに質問を考えたり、採用基準を明確にしたりしましょう。企業の質は人材の質と比例するといわれるほど、従業員の質は重要です。
人材派遣サービスを利用して人材を確保する方法もあります。人材派遣サービスに関しては、以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
人材をお探しの企業様はこちら
1990年の設立以来、
業界をリードする実力をぜひご活用ください。
企業のご担当者専用ダイヤル