製造業での採用は未経験者でも問題ない?未経験者を採用するコツを紹介
製造業において未経験者の採用を足踏みしている人事の方もいるのではないでしょうか。製造業での未経験者の採用には、特に大きな問題はありません。むしろ、未経験者を採用したのちの定着率に問題があると言えるでしょう。今回は製造業の未経験者採用について、製造業全体が抱える人手不足の問題から未経験者の定着率を上げるための対策を考えます。
目次
- 労働人口が減少しているから
- 労働環境が悪化しているから
- 悪いイメージを持たれているから
- 採用ミスマッチの低減
- 労働環境の改善
- 人材育成の強化
製造業での採用は未経験者でも問題なし
製造業での採用は未経験者でも特に問題ありません。その理由は次のとおりです。
- 作業工程がマニュアル化している
- 業務を通して技術力や専門知識を身につけられる
- 業界未経験でもマネジメントなどの経験が活かせる場合もある
単調な作業が多いからこそミスがないように気を付ける必要があるため、誰にでもわかるように作業工程をマニュアル化している企業がほとんどです。経験や技術、専門知識は業務を通して身につくので心配ありません。また、業界未経験者だったとしても、別業界でのマネジメント経験などが活かせることもあるので、未経験者を雇用しても特に問題はありません。むしろ人手不足の状況下、経験者にこだわっていられないのが現状と言えそうです。
製造業が人手不足になった理由
製造業で人手不足が起こっているのには、次のような理由が挙げられます。
- 労働人口が減少しているから
- 労働環境が悪化しているから
- 悪いイメージを持たれているから
少子高齢化による労働人口の減少はもちろんですが、このほかの大きな理由として3Kのイメージがあることが挙げられます。つまり「きつい」「汚い」「危険」という労働環境のイメージが定着しているため、製造業を希望する人材が減っていると考えられます。
労働人口が減少しているから
引用元:総務省「令和4年版 情報通信白書|生産年齢人口の減少」
日本の出生数は第二次ベビーブームを迎えた1973年の209万人から右肩下がりに減少。2019年には半数以下の87万人にまで出生数は激減しています。この結果、少子高齢化が進み、生産年齢人口(15~65歳)も減少の一途を辿っています。
総務省の「令和4年版 情報通信白書|生産年齢人口の減少」によると、生産年齢人口は1995年をピークに減少に転じています。1995年には8,716万人いた生産年齢人口も2020年には7,509万人に減少。25年の間に1,200万人も減っていることになります。この傾向は今後、さらに加速。30年後の2050年には5,275万人になり、30年間で約2,200万人も減少すると推計されており、さらなる人手不足に見舞われる見通しです。
労働環境が悪化しているから
製造業ではもともと残業や深夜勤務が当たり前の業界でしたが、先に挙げた人手不足により1人あたりの作業負荷が高くなっています。
また、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした緊急事態宣言の影響で、製造を止めざるをえなかったことも労働環境の悪化に起因しています。需要はあるのに製造をストップせざるを得なかった期間があったため、活動を再開した際にそのしわ寄せにより一気に労働環境が悪化。業績の悪化も手伝い、人手不足感を加速させています。
悪いイメージを持たれているから
製造業は「きつい」「汚い」「危険」であるという、いわゆる3Kのイメージが強く、特に若い世代から敬遠されがちです。また、交替勤務制で生活リズムが整いづらいことや、単純作業がつらいといった理由からほかの業種に転職する人も多く見られます。
これらの理由からそもそも求職者が少ないうえに定着率が悪く、離職率が高いことが製造業の人手不足に繋がっていると考えられます。
未経験者に長く働いてもらうための対策
先に紹介したとおり、製造業の人手不足は労働人口の減少だけが原因ではなく、「きつい」「汚い」「危険」という業界にまつわるイメージが悪いことも挙げられます。こうしたイメージの払拭を行わない限り、未経験者が応募してきてもすぐに辞めてしまうのが実情です。未経験者に長く働いてもらうためには、次のような対策を取る必要があります。
- 採用ミスマッチの低減
- 労働環境の改善
- 人材育成の強化
採用ミスマッチの低減
製造業はキツい反面、給与が高い傾向にあります。そのため、給与額を見て応募してくる未経験者もしばしば。しかし、こうした人は実際に業務に携わり現実が見えてくると「給与が高くてもやってられない」と退職してしまう人がほとんどです。採用にはコストも手間もかかるため、できれば事前に防止したいものです。
そこでまず人手不足だから誰でも良いという考えを改めましょう。採用基準を明確にして、採用では業務の良い面・悪い面を正直に伝えます。そのうえで求職者の考えを注意深く聞くなど、採用ミスマッチが起こらないように対策を練る必要があります。
労働環境の改善
製造業で人手不足に陥る大きな要因である「きつい」「汚い」「危険」という、いわゆる3Kのイメージが強い労働環境の改善を図ることで、未経験者の定着を促せます。具体的には次のような対策が考えられます。
- 短時間労働を導入する
- 残業の削減
- 深夜労働の削減
- 職務内容に対して適正な給与かどうかの見直し
要はワークライフバランスを取りやすくするということです。加えて、能力値を正しく評価し、相応の給与を支払うことで従業員のモチベーションアップに繋がります。これに関して、IoTやAIツールを導入して業務の効率化を図るのも一つの手でしょう。
人材育成の強化
業界未経験者は、右も左も分からない状態です。従来の「仕事ぶりを見て覚えろ」「マニュアルを読み込め」というスタンスでは業務に対する不安が増殖し、慣れるまでに辞めてしまいかねません。そのため、新人に対する教育体制の刷新が必要です。ベテランの技術を言語化・見える化して共有すれば、効率良くスキルの修得が可能。スムーズに業務を覚えられれば、独り立ちまでの期間も早く、仕事に対する楽しみも見つけやすくなるでしょう。
人材が集まらない場合は人材派遣会社の利用がおすすめ
これから対策を取っていく企業のなかには、募集をかけても人が集まらないことも多いでしょう。人手不足により生産性が上がらない状況が続くのは良い状態とは言えないため、とりあえずでも人材の補充が必要です。そうした場合に頼りになるのが、人材派遣会社の存在です。
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人材派遣会社では、契約期間の間だけ必要数の人材を派遣。自社採用により人手不足が解消するまでの繋ぎとして利用できます。同一事務所・同一部署で勤務は最大3年間なので、その間に未経験者を中心に人を集めれば、人手不足を解消できるでしょう。「紹介予定派遣」を利用すれば、そのまま自社雇用も可能。採用活動すら行う必要がなくなります。
人手不足の状況で採用にまでリソースを割いていられないという企業の方は、人材派遣会社の利用を検討してみましょう。
まとめ
人手不足が深刻な製造業では、猫の手も借りたいのが現状でしょう。そんななかで即戦力だからといって経験者の採用にこだわっていると、いつまで経っても人手不足の解消はできません。未経験者を雇用するのは教育面で大変なこともありますが、作業工程はある程度がマニュアル化されているため、時期がくれば仕事に慣れるはずです。
しかし労働環境の改善が進まないことには定着率が上がらず、早期退職してしまうかもしれないため、すぐに振り出しに戻ってしまいます。とはいえ、労働環境の改善は一朝一夕にできるものでもないため、まずできる対応策として人材派遣会社を利用して人材を確保することがおすすめです。
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